不機嫌系無口さんA-A-B
そんなに文句があるなら、『これは現物とは大きく違います』って横に書いて提出するよ。だって……
「……だって?」
なんでもない、何も言ってない。
「気になる。」
気になりません。
ドゴッ!
「言いなさい。」
……〜〜〜っ!
「聞こえないの?」
……鳩尾殴られてすぐに喋れるわけ無いだろ!
「でももう答えられる。」
あーもう、ああ言えばこう言う人だね、君は。
「質問から逃げようとしてるのは亀山君のほう。」
まあ、それは認めるけど。……だって、流石にひどいでしょこれは。あなた美人だから余計に僕の画力が情け
ないのが分かるし、いっそのこと開き直って敗北宣言した方が気が楽じゃん。
「…………」
……何? 何かおかしいことでも言った?
「美人?」
うん、世間一般で見れば美人だと思うけど。
「そんなことなら別に言い淀まずに普通に褒めてくれればいい。」
恥ずかしいじゃん、面と向かってとか。
「……どうして?」
ど、してって言われても、なあ。そこは察してほしいというかほしくないというか。まあ分からないなら分か
らないでいいよ。本当にどうでもいい話だし。
「……なんだ、亀山君は私のことが好きなんだと思ってた。」
○※△!?
「……分からない方がおかしくない?」
そ、そうかな。
「そうだよ。」
…………。
「…………」
何この微妙な空気。だから言うのヤだったんだよ、もう。
「……私が悪いみたいな言い方するんだ。」
それは違う! ……責めるんだったら僕自身でしょ、この場合は。自分の口が軽すぎてイヤになるよ。
「何で?」
何でって……こういう風にダメだったとき後が面倒じゃない。気まずくなるくらいなら最初っから告白しない
方がいいでしょ。……だから忘れてくれないかな、今のは。
「忘れてもいいんだ。」
つかむしろ積極的に忘却の彼方へすっ飛ばしてほしいくらいだね。
「失敗したから?」
うん。
「……してないのに?」
うん?
「だから、失敗してないのに忘れてもいいの?」
失敗してないって、どういう意味、なの?
「私もまんざらじゃないってこと。」
……はぁ!? だって、ええ!?
「……何で驚いてるの?」
だって、僕だよ? いいの?
「いくら口下手でも嫌なら嫌って言ってる。」
…………!
「……亀山君が喋らないのって珍しいね。」
絶句してるんだよ。だって、ありえない。
「……これでも?」
へ、はむぅっ!?
「……私のほうが君のこと好きみたい、だね。」
触れ合った唇が離れると、下谷さんは悪戯っぽく片目を瞑ってみせた。今は珍しく機嫌がいいらしい。
作者 5-831
「……だって?」
なんでもない、何も言ってない。
「気になる。」
気になりません。
ドゴッ!
「言いなさい。」
……〜〜〜っ!
「聞こえないの?」
……鳩尾殴られてすぐに喋れるわけ無いだろ!
「でももう答えられる。」
あーもう、ああ言えばこう言う人だね、君は。
「質問から逃げようとしてるのは亀山君のほう。」
まあ、それは認めるけど。……だって、流石にひどいでしょこれは。あなた美人だから余計に僕の画力が情け
ないのが分かるし、いっそのこと開き直って敗北宣言した方が気が楽じゃん。
「…………」
……何? 何かおかしいことでも言った?
「美人?」
うん、世間一般で見れば美人だと思うけど。
「そんなことなら別に言い淀まずに普通に褒めてくれればいい。」
恥ずかしいじゃん、面と向かってとか。
「……どうして?」
ど、してって言われても、なあ。そこは察してほしいというかほしくないというか。まあ分からないなら分か
らないでいいよ。本当にどうでもいい話だし。
「……なんだ、亀山君は私のことが好きなんだと思ってた。」
○※△!?
「……分からない方がおかしくない?」
そ、そうかな。
「そうだよ。」
…………。
「…………」
何この微妙な空気。だから言うのヤだったんだよ、もう。
「……私が悪いみたいな言い方するんだ。」
それは違う! ……責めるんだったら僕自身でしょ、この場合は。自分の口が軽すぎてイヤになるよ。
「何で?」
何でって……こういう風にダメだったとき後が面倒じゃない。気まずくなるくらいなら最初っから告白しない
方がいいでしょ。……だから忘れてくれないかな、今のは。
「忘れてもいいんだ。」
つかむしろ積極的に忘却の彼方へすっ飛ばしてほしいくらいだね。
「失敗したから?」
うん。
「……してないのに?」
うん?
「だから、失敗してないのに忘れてもいいの?」
失敗してないって、どういう意味、なの?
「私もまんざらじゃないってこと。」
……はぁ!? だって、ええ!?
「……何で驚いてるの?」
だって、僕だよ? いいの?
「いくら口下手でも嫌なら嫌って言ってる。」
…………!
「……亀山君が喋らないのって珍しいね。」
絶句してるんだよ。だって、ありえない。
「……これでも?」
へ、はむぅっ!?
「……私のほうが君のこと好きみたい、だね。」
触れ合った唇が離れると、下谷さんは悪戯っぽく片目を瞑ってみせた。今は珍しく機嫌がいいらしい。
作者 5-831
2008年09月27日(土) 00:08:25 Modified by n18_168