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rglc85tj8h 2013年11月06日(水) 00:34:22履歴
▼台湾に売却されるMHC-55オリオール

▼同じく売却されるMHC-59ファルコン

▼米海軍のSLQ-48自走式機雷処分具。左の黒いカバー内が高解像度ソナー、その下が係維索切断用カッター・アーム

■MHC-51性能緒元
満載排水量 | 930t |
全長 | 57.2m |
全幅 | 11.0m |
喫水 | 2.9m |
主機 | イソッタ・フラスキニ製 ID 36 SS 8V AMディーゼル 2基(1,600馬力) |
速力 | 10kts |
航続距離 | 1,500nm/10kts |
乗員 | 51名 |
【兵装】
近接防御 | 12.7mm重機関銃 | 2基 |
処分具 | AN/SLQ-48自走式機雷処分具 | 1基 |
【電子兵装】
水上レーダー | レイセオン SPS-64(V)3 | 1基 |
航海レーダー | R41XX | 1基 |
統合機雷戦システム | ユニシスAN/SYQ-13 | |
可変深度ソナー(VDS) | レイセオンAN/SQQ-32 | 1基 |
アメリカは2006年8月3日に、台湾へのオスプレイ級掃海艇2隻の売却を認めた。これは中国の機雷戦に対応するためで、売却されるのは同級のオリオール(MHC-55 Oriole)とファルコン(MHC-59 Falcon)。両艇は2007年にアメリカ海軍から退役している。
オスプレイ級はイタリアのレリチ級をタイプシップとした沿岸用掃海艇(掃海具を装備していないので、正確には機雷掃討艇)で、1993〜1999年にかけてアメリカ海軍に12隻就役した。船体はFRPの単板モノコック構造で、衝撃と振動エネルギーの吸収に配慮された設計がなされており、主機の支持方式にも工夫が凝らされている。機雷探知機として可変深度ソナー(VDS:Variable Depth Sonar)のSQQ-32を搭載しており、艦橋前にその巻揚機を装備している。機雷処分具としてSLQ-48を艇後部に1基搭載している。
SLQ-48は米レイセオン社(旧ハネウェル社)が1985年に実用化させた対深々度機雷用の自走式処分具で、航走体の先端に高解像度ソナーを備える。重量は1,135kgで全長3.8m、水中速力6ノット、最大運用深度は500m。オスプレイ級は自身のソナーで機雷を発見した後、SLQ-48を発進させ高解像度ソナーとCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラで遠隔操縦を行いつつ、SLQ-48が装備する処分用小型爆雷で機雷を爆破するかカッターで係維索を切り機雷を浮上させる。SLQ-48は湾岸戦争時にペルシャ湾の掃海作業に投入され、イラク軍が敷設した機雷を次々と処分した。なおオスプレイ級は磁気・音響式や係維式などの掃海具は搭載していない。
【2010年1月31日追記】
2010年1月29日、米国防安全保障協力機構は台湾に対してオスプレイ級掃海艇2隻を含む総額63.92億ドルに上る兵器輸出を行うこと米議会に通知した[6]。オスプレイ級の輸出価格は、同艇が搭載しているAN/SQQ-32ソナーのオーバーホール費用も合計して総額1億500万ドル。この輸出案は米議会に通知された後、30日以内に異論が出なければ正式に成立する。
【2010年11月8日追記】
2010年9月28日、台湾に対するオスプレイ級1隻の輸出について米上下両院での承認が得られた[8]。これで台湾は3隻のオスプレイ級を購入することになる。
【2012年5月20日追記】
台湾への売却が決定していたオスプレイ級掃海艇2隻(元MHC-55 Orioleと元MHC-59 Falcon)が2012年7月に台湾に引き渡されることが決定した[]。台湾海軍での就役は10月になる予定。
2隻は2007年の退役後、モスボール状態に置かれていたため、台湾海軍への引渡しに当たってはもスボール状態の解除と現役復帰工事を実施。台湾海軍では引渡しの一年前から乗員をアメリカに派遣して、オスプレイ級の運用に必要な訓練を実施していた。
【2012年8月29日追記】
2012年8月10日、台湾の左営港においてアメリカから引き渡されたオスプレイ級2隻の台湾到着記念式典が挙行され、MHC-55 Orioleには「永靖」(艦番号MHC-1310)、MHC-59 Falconには「永安」(艦番号MHC-1311)の艦名が付与されることが発表された[10]。台湾海軍への正式な就役は10月の予定[11]。
1番艇 | 永靖 | MHC-1310 | 旧MHC-55 Oriole | 1995年12月米海軍就役。2007年退役。2012年10月台湾海軍に再就役(予定)。 |
2番艇 | 永安 | MHC-1311 | 旧MHC-59 Falcon | 1997年2月米海軍就役2007年退役。2012年10月台湾海軍に再就役(予定)。 |
3番艇 | MHC-? |
【参考資料】
[1]世界の艦船2006年1月号
[2]艦載兵器ハンドブック
[3]Kojii.net
[4]Defense-Aerospace
[5]NavSource
[6]Defense News「Taipei Gets $6 Billion Arms Package Despite Beijing Threats」(2010年1月30日)
[7]Jane's Fighting Ships 2009-2010(Stephen Saunders (編) /2009年6月23日 /Janes Information Group)794頁。
[8]Yahoo!奇摩部落格-中華台灣福爾摩沙國防軍「美國會通過 售台一艘鶚級獵雷艦」(2010年9月29日)
[9]Yahoo!奇摩部落格-中華台灣福爾摩沙國防軍「鶚級獵雷艦 預定7月返台」(中央社記者陳培煌/2012年5月18日)
[10]HiNet新聞「永靖級獵雷艦返國 有助強化海軍獵雷能力」(軍聞社記者呂世民/2012年8月10日)
[11]MDC軍武狂人夢「永靖級獵雷艦(鶚級)」
台湾海軍