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rglc85tj8h 2024年11月03日(日) 13:45:17履歴
▼済陽級フリゲイトのネームシップ「済陽」(FF-932)のMk42 54口径127mm単装砲

■性能緒元
Mk42 54口径速射砲はアメリカ海軍の戦後第一世代の5インチ(127mm)砲で、第二次大戦型のMk38連装砲の弾丸投射量を単装で実現する事を目標に開発された。このため交互に装填する独立した二つの給弾機構を持ち、ドラム型の弾倉には各20発を収納できるが、この機構は故障が多いと言われており、実際には発射速度を28発/分まで落として(最大34発/分)運用されている。シールド上部左側の透明キャノピーは対水上戦の照準用。台湾海軍ではアメリカから輸入された済陽級フリゲイト(ノックス級)がMk42を搭載している。
【参考資料】
『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)81頁。

■性能緒元
口径 | 127mm |
砲身長 | 54口径 |
砲身数 | 1門 |
砲弾重量 | 31.75kg |
初速 | 807.7m/秒 |
発射速度 | 17〜34発/分 |
射程 | 22,000m |
旋回範囲 | 360度 |
旋回速度 | 40度/秒 |
俯仰範囲 | -15〜+85度 |
マウント重量 | 56.6t |
Mk42 54口径速射砲はアメリカ海軍の戦後第一世代の5インチ(127mm)砲で、第二次大戦型のMk38連装砲の弾丸投射量を単装で実現する事を目標に開発された。このため交互に装填する独立した二つの給弾機構を持ち、ドラム型の弾倉には各20発を収納できるが、この機構は故障が多いと言われており、実際には発射速度を28発/分まで落として(最大34発/分)運用されている。シールド上部左側の透明キャノピーは対水上戦の照準用。台湾海軍ではアメリカから輸入された済陽級フリゲイト(ノックス級)がMk42を搭載している。
【参考資料】
『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)81頁。
▼成功級フリゲート8番艦、「田單」(PFG-1110) のMk75 62口径76mm単装砲

西側のベストセラーとなった艦載速射砲で、アメリカでもMk75として採用した。日本では日本製鋼でライセンス生産されており、ドイツ、スペインなど世界中で1,000門以上が使用されている。同砲は伊オットー・メララ社(1990年代に伊Breda社と合併しOTO bredaとなったが、再びOTO MELARAと改称)が1965年に開発に着手し、1969年から生産に入っている。砲口には砲弾発射時の後座エネルギーを軽減する制退機があり、砲身中央部には燃焼ガス逆流を防ぐ排煙装置が取り付けられている。甲板下の回転式弾庫から2つのロッキング・アームに給弾することで、毎分10〜85発という高い発射速度を得ている。この発射速度を持続させるため砲身は水冷式で、閉鎖機は垂直鎖栓式。砲塔内は無人で全ての機構は自動化されているが、弾庫への補給は3名の給弾員が人力で行う。シールドはグラスファイバー製で波風を防ぐ程度でしかなく、防御力は全く無い。重量が軽いため小型の艦艇にも搭載する事が出来る。使用する砲弾は多目的榴弾、徹甲弾、事前調整破片弾など。
台湾海軍では、富陽級駆逐艦(ギアリング級)(既に全艦退役済み)の近代化改装で初めてMK75が採用され、以後、成功級フリゲイト(オリヴァー・ハザード・ペリー級)、康定級フリゲイト(ラファイエット級)や龍江型ミサイル艇(アシュビル型)の艦砲として採用された。また退役した富陽級駆逐艦(ギアリング級)のMk75が錦江型ミサイル艇の3番艇新江(PG-606)の近代化改装の際利用され、既存のL/70 40mm機関砲に換えて搭載された。
【2024年11月3日追記】
2023年末、台湾海軍は94億新台湾ドル(約450億円)を投じて、既存艦艇に搭載された20門以上の76.2mm艦載砲Mk75の大規模近代化に着手することを明らかにした[3]。
76.2mm艦砲は台湾海軍で広く使用されている主力艦載砲であるが、調達から時間が経過したことで性能面での能力向上が求められるようになり、当初の運用寿命を超えての運用継続が必要なため、近代化改修が実施されることになった。
この近代化では、砲塔がステルス性に配慮したSTRALES型に変更される。砲弾についてはDART(Driven Ammunition Reduced Time of flight,)誘導砲弾との統合作業が行われる。DART砲弾は、初速の増大と飛翔中の誘導が可能となった。主な目標としては、水上目標・地上目標・低空低速で接近する経空脅威、そして亜音速対艦ミサイルなどが挙げられる。外国の試験ではDART砲弾は10km先の匹于目標に対して迎撃出来たことが確認されている。
契約は2023年12月14日に締結され、2026年12月18日までに事業を終えることになっている。アップグレードにより、対艦ミサイル迎撃の精度が向上するとされている、砲の近代化と並行して、イタリアのLeonardo S.p.A社との間で、弾薬調達に関する協議が行われ、6億5132満新台湾ドル(約31億円)を投じてこちらも2026年12月18日までの事業完成が目標とされている。
【参考資料】
[1]『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)98頁。
[2]オットー・メララ社公式サイト
[3]自由時報「海軍6.5億採購76快砲彈藥 補強戰力反制共軍海上威脅 - 自由軍武頻道」(2024年1月3日)https://def.ltn.com.tw/article/breakingnews/454013...
台湾海軍

口径 | 76mm |
砲身長 | 62口径 |
砲身数 | 1門 |
砲弾重量 | 6.4kg |
初速 | 925m/秒 |
発射速度 | 85発/分 |
射程 | 12,000m |
旋回範囲 | 360度 |
俯仰範囲 | -15〜+85度 |
マウント重量 | 7.5t |
西側のベストセラーとなった艦載速射砲で、アメリカでもMk75として採用した。日本では日本製鋼でライセンス生産されており、ドイツ、スペインなど世界中で1,000門以上が使用されている。同砲は伊オットー・メララ社(1990年代に伊Breda社と合併しOTO bredaとなったが、再びOTO MELARAと改称)が1965年に開発に着手し、1969年から生産に入っている。砲口には砲弾発射時の後座エネルギーを軽減する制退機があり、砲身中央部には燃焼ガス逆流を防ぐ排煙装置が取り付けられている。甲板下の回転式弾庫から2つのロッキング・アームに給弾することで、毎分10〜85発という高い発射速度を得ている。この発射速度を持続させるため砲身は水冷式で、閉鎖機は垂直鎖栓式。砲塔内は無人で全ての機構は自動化されているが、弾庫への補給は3名の給弾員が人力で行う。シールドはグラスファイバー製で波風を防ぐ程度でしかなく、防御力は全く無い。重量が軽いため小型の艦艇にも搭載する事が出来る。使用する砲弾は多目的榴弾、徹甲弾、事前調整破片弾など。
台湾海軍では、富陽級駆逐艦(ギアリング級)(既に全艦退役済み)の近代化改装で初めてMK75が採用され、以後、成功級フリゲイト(オリヴァー・ハザード・ペリー級)、康定級フリゲイト(ラファイエット級)や龍江型ミサイル艇(アシュビル型)の艦砲として採用された。また退役した富陽級駆逐艦(ギアリング級)のMk75が錦江型ミサイル艇の3番艇新江(PG-606)の近代化改装の際利用され、既存のL/70 40mm機関砲に換えて搭載された。
【2024年11月3日追記】
2023年末、台湾海軍は94億新台湾ドル(約450億円)を投じて、既存艦艇に搭載された20門以上の76.2mm艦載砲Mk75の大規模近代化に着手することを明らかにした[3]。
76.2mm艦砲は台湾海軍で広く使用されている主力艦載砲であるが、調達から時間が経過したことで性能面での能力向上が求められるようになり、当初の運用寿命を超えての運用継続が必要なため、近代化改修が実施されることになった。
この近代化では、砲塔がステルス性に配慮したSTRALES型に変更される。砲弾についてはDART(Driven Ammunition Reduced Time of flight,)誘導砲弾との統合作業が行われる。DART砲弾は、初速の増大と飛翔中の誘導が可能となった。主な目標としては、水上目標・地上目標・低空低速で接近する経空脅威、そして亜音速対艦ミサイルなどが挙げられる。外国の試験ではDART砲弾は10km先の匹于目標に対して迎撃出来たことが確認されている。
契約は2023年12月14日に締結され、2026年12月18日までに事業を終えることになっている。アップグレードにより、対艦ミサイル迎撃の精度が向上するとされている、砲の近代化と並行して、イタリアのLeonardo S.p.A社との間で、弾薬調達に関する協議が行われ、6億5132満新台湾ドル(約31億円)を投じてこちらも2026年12月18日までの事業完成が目標とされている。
【参考資料】
[1]『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)98頁。
[2]オットー・メララ社公式サイト
[3]自由時報「海軍6.5億採購76快砲彈藥 補強戰力反制共軍海上威脅 - 自由軍武頻道」(2024年1月3日)https://def.ltn.com.tw/article/breakingnews/454013...
台湾海軍