日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼動画「巨炮轰鸣 尘烟四起!解放军这波火力打击 够猛!20230508 | 军迷天下」ロケット斉射を行う初期型(PHZ-10?)の動画

▼動画「китайский "град" РСЗО PHZ-11」演習に参加する後期型(PHZ-11)の動画。初期型との違いに注意。


11式装軌式122mm40連装自走ロケット砲(PHZ-11)は、89式122mm40連装自走ロケット砲(PHZ-89)の後継として開発された装軌式自走多連装ロケット砲[5]。初期型はキャビンが角ばった設計になっているが、2021年に確認されたタイプではキャビンの形が変更されて端の角がやや丸みを帯びた形状に変更されている。前者をPHZ-10、後者をPHZ-11とするサイトも存在する[6]。

2009年頃から路上走行試験の様子が撮影され存在自体は知られていたが[1]、その時点ではこの車輌がどのような意図を持って開発されたのかは不明であった。2013年9月になって軍事・農業番組を取り扱うCCTV7の報道で、北京軍区の部隊での配備が行われているのが判明した[2]。中国のインターネット上では「新型122毫米模块化自行火箭炮」(新型122mmモジュール化自走ロケット砲)と呼称されており、PHL-10/PHL-12などの制式名も挙がっているが真相は不明(PHLは「炮」「火箭」「履帯式」のそれぞれの中国語発音の頭文字に由来すると思われる)[3]。その後、PHZ-11が型式名であると判明した[5]。

【性能】
型式不明の装軌式シャーシの最前方に乗員が乗車する装甲キャブを配置、荷台後方に多連装ロケット砲一基を配置している。シャーシの形状や転輪の配置、履帯の形状などから、07式35mm自走高射機関砲(PGZ-07)のシャーシとの類似性が認められる、同車のシャーシ設計を基礎にして開発されたものであるとされる[5]。

乗員は[5]によると車長、砲手、操縦手の三名、[6]によると5名[6]となっているが、3名はキャビンの小さい初期型(PHZ-10)、後者はキャビンが大型化したPHZ-11ではないかと思われる。乗員は全て車体前部の装甲キャビンに乗車する[5]。キャビンには2分割式前方視認窓が設置されており操縦手は良好な視野を得る事が出来る。操縦手用ハッチを開放するかペリスコープで外部視認しながら操縦していた89式122mm40連装自走ロケット砲に比べて操縦手の負担は少なくなったといえる。これは本車が後方からの火力支援任務が主で、最前線での運用を想定していないことを前提として、防弾性能よりも乗員の負担軽減を意図した設計方針を採っている事をうかがわせる。この種の自走ロケット砲の場合、ロケット弾の火炎避けに窓を覆う装甲カバーをつけている車輌も多いが、本車は、キャビンとロケット砲の距離が離れておりロケット炎の影響が少ないためか、ロケット発射の際にも視認窓はそのままで防炎カバーは装備されない。エンジンは600馬力のディーゼルエンジンで、装甲キャビンの下に配置されており、車体中央部左側にエンジンの排気口が存在する[6]。

荷台後方に搭載された122mmロケット砲は、20連装のランチチューブを一組としたコンテナ2基を搭載。再装填の際には、各ランチャーに一発一発ロケット弾を装填するのではなくコンテナ一式をまるごと換装する事で、多連装ロケット砲の問題点である装填時間の長さを解消することに成功している[5]。このモジュール式ランチャーはもともと輸出向けに開発されたSR-4型122mm自走40連装自走ロケット砲で採用されたシステムであり、これを装軌シャーシに搭載して実用化したのがPHZ-11である[7]。なお、SR-4についても後にPHL-11の制式名で中国軍に採用されている[7]。

射撃統制システムについては、89式122mm40連装自走ロケット砲の制式化から20年を経て開発された車輌である事から、最新のシステムが盛り込まれており、同じ122mm多連装ロケット砲でもその戦闘能力は大きく向上していると見られている[4]。11式は通常は指揮車両からの管制を受けて部隊単位での統制射撃を行うが、各車両ごとにナビゲーションシステムと射撃統制システムを搭載しているので、必要に応じて車両ごとでの射撃も可能[5][6]。

これまで中国で開発されてきた、HE弾、HE-FRAG弾、発煙弾、焼夷弾、照明弾、燃料気化弾、地雷敷設、対人/対装甲クラスター弾といった多種多様な122mmロケット弾を運用することができる[5][6]。標準的な122mmロケット弾は全長2.87m、重量66kg、射程距離は20km。射程延長型は全長2.76m、重量61kg。最大射程は30km[6]。さらに最大射程50kmの新型122mmロケットも開発されている[6]。11式 は一斉射撃により0.8〜1ヘクタールの面積を火制する能力を有している[6]。面制圧が主任務であるが、122mmロケット弾にも精密誘導型が存在するのでそれを用いればピンポイント打撃も可能となる。すでに報道では「北斗」衛星位置測定システムを用いた誘導システムを採用したロケット弾を用いて、CEP(Circular Error Probability:平均誤差半径)1mという命中精度を発揮したことが報じられている[7]。

多連装ロケットは大量のロケットを一斉射撃することで強力な制圧能力を保有しているが、反面で持続的射撃には弾薬補給車による再装填が欠かせない。11式の場合は、8輪トラックをベースとした弾薬補給車と、11式と同じシャーシを用いた弾薬輸送車の二種類が存在する。どちらもロケット弾を装填済みの予備のランチャーと装填作業用のクレーンを搭載している[6]。空のモジュールをランチャーから取り外して、新しいモジュールと付け替える作業は10分を要する[6]。なお、空のモジュールに一発一発再装填することも可能であり、この場合も10分で作業を終えるとしている[6]。

【展望】
中国軍では、11式122mm40連装自走ロケット砲を89式122mm40連装自走ロケット砲の後継車輌として旅団砲兵の自走ロケット砲大隊に配備するものと思われる。本車が採用された事で、中国軍では89式に代わる旅団レベルの多連装ロケットの口径についても122mmを維持する事が明らかになった。

11式は戦車や歩兵戦闘車などで構成される重型合成旅の火力支援車両として運用される。足回りに履帯式を取り入れているので、不整地において戦車に随伴して展開することが出来る[6]。中国軍では旅団レベルの支援火砲としては122mm榴弾砲と122mmロケット弾の組み合わせを維持しており、それ以上の射程については上級の砲兵部隊に依存する方法を現在でも取り続けている。11式が122mmロケット弾を搭載しているのも、そのためだと言える。なお、11式はランチャーがモジュール化されているため、必要に応じてより大口径のロケット弾モジュールに換装することも想定していると見られている[5]。

▼2009年に撮影された新型装軌式122mm40連装自走ロケット砲の試作車両

▼北京軍区の部隊に配備された新型装軌式122mm40連装自走ロケット砲


性能緒元
重量約20トン
全長7.5m
全幅3.2m
全高3.2m
エンジンディーゼル 600hp
最高速度65km/h
航続距離500km
渡渉深度1.5m
武装122mm20連装ロケット砲×2(40発)
俯仰角0〜55度
左102度、右66度
乗員4名

性能緒元(122丱蹈吋奪斑)
重量66kg(榴弾)
 61kg(射程延伸型)
全長2.87mm(榴弾)
 2.76mm(射程延伸型)
直径122mm
弾頭重量18.3kg
弾頭種類HE弾、HE-FRAG弾、発煙弾、焼夷弾、照明弾、燃料気化弾、地雷敷設、対人/対装甲クラスター弾、精密誘導型など
初速
最高飛行速度
射程20km(通常弾)/30km(射程延伸弾)/50km(新型射程延伸弾)

【参考資料】
[1]新浪網「解放军59小改的122火箭炮新图再流出」(2009年4月11日)
[2]新浪網「北京军区实战大演习最新型履带火箭炮威力强大」
[3]新華網「组图:中国新型模块化自行火箭炮亮相」(2013年10月4日)
[4]114軍事網「中国履带式模块化火箭炮是首次采用模块布局」(2013年10月3日)
[5]Army Recognition.com「New Chinese army PHZ-11 122mm MLRS Multiple Launch Rocket System on tracked chassis」(2020年4月27日)https://www.armyrecognition.com/april_2020_news_de...
[6]Military-Today.com「PHZ-11 Multiple launch rocket system」http://www.military-today.com/artillery/pzh_11.htm
[7]Military-Today.com「PHL-11 Multiple launch rocket system」http://www.military-today.com/artillery/phl_11.htm
[8]Youtube「北斗建功,我军演练122毫米火箭弹打出1米精度,首展点穴作战能力」(2020年12月3日投稿)https://www.youtube.com/watch?v=m64vHPXbyQY

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