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▼2008年に開催された珠海航空ショーに出展された「長鷹」の模型

▼模型を後方から撮影した写真。手前右側は「戦鷹」無人攻撃機の模型。


「長鷹」高高度無人偵察機は、中国航空工業集団公司と北京航空航天大学無人機研究所が共同開発中のUAV(unmanned aerial vehicle:無人航空機)で、2008年に開催された珠海航空ショーにおいて模型が展示されその存在が公にされた[1][2]。

設計主任は北京航空航天大学無人機研究所の向錦武技師[1]。「長鷹」の開発は2000年から開始され中国の国家重点型号に認定されることになった。2004年には試作機が完成して地上試験が開始。海南島において試験飛行が行われ、2006年には鑑定試験が行われ高高度無人機としての性能が実証されている[1]。

【性能】
「長鷹」は、高高度に長時間に渡って滞空して広域監視や戦略偵察、無線中継任務などを行うことを目的とする大型のUAVであり、アメリカのRQ-4グローバルホークに相当するクラスの機体になる。「長鷹」の機体形状はグローバルホークに良く似ており、設計に際して参考にしたことが窺える。

低翼の主翼にV字型の尾翼を備えた機体で、胴体後部にジェットエンジン1基を背負い式に搭載している。主翼はアスペクト比の高いグライダーのような細長い直線翼であるが、これは長時間の滞空性能を得るためのもの。降着装置は引き込み式。

「長鷹」の胴体は機首が膨らんだ独特の形状をしているが、この部分にはグローバルホークと同じ様に衛星通信用のアンテナが収納されていると推測される。胴体下部はバルジ状に膨らんでおり、機首部分と合わせて観測機器やアビオニクスなどの収納箇所になっていると思われる。模型では未搭載だが、偵察任務の際には胴体下部に電子光学・レーザー測距器を内蔵した旋回式ターレットを搭載するものと思われる。

【今後の展望】
「長鷹」は、すでに試作機が完成し各種試験が実施されている。今後は、実用化に向けて増加試作機が製造され様々な条件下での試験とその結果を踏まえた改修が実施され、その後に部隊での試験運用を経て制式化に漕ぎ着けることになる。

「長鷹」は、偵察、情報収集、広域監視、無線中継などの任務が想定されており、「大気圏内の人工衛星」的な役割を果たすことが期待されている[1][2][3]。ただし、それを実現するには「長鷹」自体の実用化とあわせて、軍の情報戦(信息戦)への対応の確定、各軍のデータリンク網の統合・整備、無人機の運用を前提とした航空法規の改正、衛星位置測定システムや通信衛星、無線の割り当てなど各種インフラの整備といったさまざまな対策を講じる必要がある[4]。

「長鷹」と類似した性格のUAVとしては、成都飛機工業集団公司や貴州高空工業集団公司などの企業が自社資本で開発中の「翔龍」高高度無人偵察機が存在し、中国軍への採用を巡って競争が行われることも考えられる。

現段階では「長鷹」の開発経緯や具体的な性能についてはまだ不明な点が多く、今後の更なる情報開示が期待される。

【参考資料】
[1]凤凰网_军事频道(原載「中国教育报」)「北航研制出“长鹰”无人机 实现远程侦察重大突破」(俞水/ /2011年09月10日)
[2]李浩 王奕「中国无人机集群起飞」(『兵工科技甦 2008珠海航展专辑』兵工科技杂志社)30〜36頁
[3]新浪网_新浪军事「组图:长鹰战略无人侦察机亮相珠海航展」(2008年11月4日)
[4]社団法人 日本機械工業連合会・日本戦略研究フォーラム「平成17年度無人機(UAV)の汎用化に伴う防衛機器産業への影響について」(2006年3月)148〜154頁

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