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▼台湾国際造船公司高雄造船廠で建造中の「磐石」


台湾海軍では、1990年に就役した補給艦「武夷」(AOE-530)(満載排水量17,000t)が唯一の洋上補給艦の地位を占めていたが、同艦の修理やトラブル発生の際には補給艦が運用できなくなるリスクが存在していた。2005年から2006年にかけてアメリカから4隻のキッド級駆逐艦を受領する際に、海軍の補給能力を向上させるためにアメリカから中古もしくは新造の補給艦2隻を調達する事が検討されたが、実現には至らなかった[1]。

2009年初め、ソマリア沖の海賊対策として台湾でも艦艇派遣の論議が起こったが、台湾海軍では「武夷」が定期修理中であったため、艦艇を派遣する事ができなかった[1]。この他、水上艦艇の遠洋訓練についても「武夷」の稼動状態に制約される状況が存在するなど、補給艦1隻のみでは平時と有事の補給任務の需要を完全に満たすことは困難だった[1][2]。

台湾海軍ではこの状況を改善するため、「武夷」をベースとした新型補給艦の建造に関する準備作業を2009年6月から開始。この新型補給艦建造計画は「禎祥案」の計画名称が付与、同艦の設計作業は海軍造船発展センターと船舶暨海洋産業研究発展センターが担当した[2]。同年末には2010年度国防予算案に新型補給艦の建造予算52億新台湾圓を盛り込まれた[2]。入札の結果、2011年12月、台湾国際造船公司が41億台湾圓(約105億円)で建造事業を受注した[3]。台湾国際造船公司高雄造船廠での新型補給艦の建造は2012年12月21日に着工[1]。2013年には艦名として「磐石」と命名する事が決められた[2]。「磐石」とは台湾東岸の花蓮市にある磐石山から命名されたもので[1]、どっしりとし何事にも動じないという「固若磐石」の含意である[2]。2013年11月5日進水式を挙行、海軍への引渡しは2014年6月を予定している[1]。

【設計】
「磐石」の設計は前述の通り「武夷」をタイプシップとしているが、船体長は30m、全幅は5m増えており満載排水量は前級の17,000tから20.859tとかなりの大型化がなされている。

基本的な艦形は「武夷」を踏襲し、艦の前部に艦橋、中央部を補給物資搭載区画とし、艦後部には機関区画とヘリコプター甲板を配置している。建造時期が20年離れている事から、「磐石」ではレーダー波反射率の低減を意図した設計が全般的に盛り込まれたため、外観はかなりの相違を見せている。排水量は増加したが、機関出力を強化した事により、最高速力は「武夷」よりも2kts速い22ktsを確保している。

2組ある洋上補給ポストは1つが給油・液体物資用、もう1つがドライカーゴ移送用。洋上補給ポストを用いて同時に並走する左右2隻の艦艇に対して、洋上での液体物資/ドライカーゴの補給を行う事が可能。さらに艦尾にも縦引き給油に使用するための給油装置が装備されているので、最大で3隻の艦艇に同時に補給を行う能力を有している。

艦橋直前と艦中央部に各2組の物資搭載用クレーンが配置されているが、「武夷」にはなかった舷側ランプを設置した事で、物資や小型車量を直接艦内に搭載できるようになり、物資の搬入能率の向上に寄与している[2]。後部構造物には新たにヘリコプター格納庫が設置され、固有の艦載ヘリコプターによるヴァートレップ輸送能力を獲得している[2]。

「磐石」は、補給艦としては比較的強力な武装を備えているのが特徴[1][4]。艦載砲として艦首部にオットー・メララ Mk75 62口径76mm単装砲1基、近接火器としてMk15 20mmファランクスCIWS2基、ボフォース 70口径40mm単装機関砲4基、20mm単装機関砲T75S2基を備えている。これらの艦砲は、対艦ミサイルなどの経空脅威や、快速艇や小型ボートといった水上目標に備えたもの。

1番艦磐石pánshíAOE-532台湾国際造船公司高雄廠で建造。2012年12月21日起工、2013年11月5日進水。2014年6月竣工予定。

性能緒元
排水量1,0371t/ 20,859t(軽荷/満載)
全長196m
全幅26.87m
喫水12m
機関ディーゼル2基/2軸+バウ・スラスター
速力22kts
航続距離8,000nm
乗員165名

【兵装】
オットー・メララ Mk75 62口径76mm単装砲2基
近接防御Mk15 ファランクス20mmCIWS2基
 ボフォース 70口径40mm単装機関砲4基
 T75S 20亠ヾ慄ぁM39A3)2基
搭載機ヘリコプター1機

■”電子装備”
水上捜索レーダーCS/UPS-601基

【参考資料】
[1]MDC軍武狂人夢「磐石號快速戰鬥支援艦」
[2]フォーカス台湾「海軍の国産補給艦「磐石」が進水式 来年の就役めざす/台湾」(2013年11月5日)
[3]聯合新聞網「海軍自力造艦 加強遠航能力」(2012年2月6日)
[4]Yahoo!奇摩部落格-中華台灣福爾摩沙國防軍「海軍新型油彈補給艦消息!」(2012年4月27日)

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