日本の周辺国が装備する兵器のデータベース






性能緒元(3M80E)
全長9.75m
直径130cm
重量3,950kg
弾頭重量300kg(HE/核)
最大速度マッハ3.1(high)/マッハ2.1(low)
射程120km[2]
誘導方式慣性航法(更新可)
 アクティブ・レーダー誘導(終末段階)
 パッシブ・レーダー誘導(終末段階)
装備機種ソブレメンヌイ級駆逐艦(956型)。956EM型は3M80MBEを搭載。
註:改良型の3M80MBEでは最大射程が200〜240kmに延伸されている[3][4]。

3M80「モスキート」(NATOコード:SS-N-22 Sunburn/サンバーン)はソブレメンヌイ級駆逐艦が搭載しているロシア(旧ソ連)製中距離対艦ミサイル。3M80はラドゥーガ設計局により1973年から開発が始まり、1980年から配備が開始された。中国には2000年にロシアから輸入したソブレメンヌイ級駆逐艦と共に導入されている。情報によれば中国はロシアから100発以上の3M80Eを購入済だといわれており、2001年には発射テストに成功している。

3M80は発射前に前方展開しているヘリコプターや航空機から目標のデータを入手し、そのデータを元にミサイルに緒元を入力して発射する。中間段階の誘導システムは慣性航法誘導を採用しているが、飛行中も母艦のMR-331 Mineral-ME射撃統制レーダーのデータリンク機能(Mineral-ME3)による指令アップデートが可能[5]。最終段階ではミサイルに装備された多チャンネルのレーダー・シーカーで捉えた目標データを母艦に送り、母艦のミサイル管制システムはその目標データが予め指定した攻撃目標かどうか判断する。目標が事前の攻撃目標と合致した場合はミサイルはそのまま突入し、違った場合はその近辺にいる他の目標に突入する。適当な目標を捕捉できない時は一度通過したあと、反転してきて再度目標を捜索するようプログラムされている。それでも目標を捕捉できない場合はジャミング発信源に突入するという。突入時は補足されないように、S字の回避運動をとるといわれる。発射時はロケット・ブースターを使用し、それが燃え尽きた跡の空洞をラム・ジェットの燃焼室に用いる統合式ロケット/ラム・ジェットを動力としており、4枚の折畳み式主翼の付け根にエアインテイクがある。巡航速度はマッハ2.5以上、終末時の高度は20mで、艦艇のレーダーで発見しても到達まで30秒程しかなく迎撃は極めて難しい。弾頭は300kgの高性能爆薬を積んでおり(ハープーンは200kg)、命中すれば致命的なダメージを与え得るであろう。

中国海軍が導入したのは「モスキート」の中期開発型である3M80Eと後期型の3M80MBE。1999〜2001年にロシアから輸入したソブレメンヌイ級(956E型)は射程120kmの3M80Eを搭載していたが[2]、2005〜2006年に就役したソブレメンヌイ級後期型の956EM型では、対艦ミサイルを3M80Eの射程延長型である3M80MBE(最大射程200〜240km)に変更している[3][4]。

【参考資料】
[1]艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社)
[2]江畑謙介「冷戦時代のソ連最新鋭駆逐艦が中国でよみがえるか!?--ソブレメンヌイ級駆逐艦、中国へ」(『軍事研究』 34(11)/1999年11月)65〜81頁
[3]平可夫『中国製造航空母艦』(漢和出版社/2010年)183頁
[4] Yahoo!ブログ-旧ロシア・ソ連海軍報道情報管理部機動六課「中国海軍のソブレメンヌイ級(「杭州」級) 」(2006年12月31日)
[5]平可夫『中国製造航空母艦』(漢和出版社/2010年)147頁

ソブレメンヌイ級駆逐艦(現代級/956型)
中国海軍

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