最終更新: rglc85tj8h 2023年04月17日(月) 14:26:21履歴
▼「解放军71集团军炮兵某旅使用66式152毫米加榴炮进行实弹射击演习」66式の部隊での訓練映像。
▼2018年の珠海航空ショーで展示された66式のアップグレードプラン「车载66式152mm加榴炮」(執筆者撮影)
▼2018年の珠海航空ショーで展示された66式のアップグレードプラン「辅推型152mm加榴炮」(執筆者撮影)
■性能緒元
口径 | 152.4mm |
砲身長 | 4,240mm |
牽引時全長 | 8,690mm |
牽引時全幅 | 2,420mm |
牽引時全高 | 2,520mm |
戦闘重量 | 5,720kg |
牽引時重量 | 5,650kg |
初速 | 655m/秒 |
最大射程 | 17,230m (直射800m) |
発射速度 | 最大6〜8発/分、持続1.5〜2発/分 |
俯仰角度 | -5〜+45度 |
方向射界 | 左30度、右28度 |
要員 | 9〜12名 |
牽引速度 | 15〜60km(路上) |
66式152mm榴弾砲は、ソ連のD-20 152mm榴弾砲を原型として中国で国産化したもので、現在も中国軍の主力榴弾砲になっている。D-20 152mm榴弾砲はソ連のF.Petrov設計局が第2次大戦直後に開発した榴弾砲で、1955年の赤の広場におけるメーデーの軍事パレードでその存在が公けにされた。D-20はソ連の戦後第一世代の152mm榴弾砲として、ソ連軍のみならず、友好諸国に広く配備されることになった。
D-20は中国では62式牽引式152mm榴弾砲と命名された。1960年代に入るとD-20を中国で国産化するための研究作業が開始され、各種の改修を行った上で1966年に66式152mm榴弾砲として制式化された。中国軍への配備は1969年代後半から開始された。1980年代には改良型の66-I式152mm榴弾砲が開発されイラン・イラク戦争中のイラクへの輸出が行われた。
66式(D-20)の砲架は60式 122mm加農砲(D-74)と共通の砲架を使用している。この砲架は後に59-I式130mm加農砲にも流用され、66式と59-I式は60パーセント以上の部品が共通のものとなっている。砲架には直射照準射撃時の防弾用として防盾が装着されている。砲架の下に装着されている回転式底盤を用いて砲自体を移動させずに360度の全周旋回が可能である。これは対戦車戦闘も想定した装備であり、底盤は使用しない時には前方に跳ね上げて固定しておく。冷戦中、ソ連地上軍の戦車部隊が最大の脅威であった時期には、砲列を引いた66式による152mm砲弾の直接照準射撃による対戦車戦闘の訓練が極めて重視された時期もあったとのこと[3]。66式は分理装薬式を採用しており、発射可能な弾薬はHE-T、APHE-T、HESH-T、煙幕弾等がある。HE-T弾の場合、初速は655m/秒、最大射程は17,230m、対戦車・陣地向けの直射の場合の最大射程は800mとされている。近年では、ロシアから導入したレーザ誘導砲弾ZOF-39クラスノポールを元に国産化した152mmレーザー誘導砲弾の運用が可能となった。
66式は中国軍の軍レベルの砲兵旅団、もしくは歩兵師団、機甲師団の砲兵連隊に配備されている。軍改革による師団の旅団化以降は、集団軍隷下の砲兵旅団に所属するようになっている。砲兵旅団の152mm榴弾砲連隊は3個大隊から編制され各々18門の66式(合計54門)を、砲兵連隊では66式の一個大隊(18門)を保有している。また66式の152mm砲を原型として車載・自走砲化した83式152mm自走榴弾砲も開発された。同世代の中国軍の主力大口径野戦砲である59-I式130mm加農砲と比較すると、最大射程は通常弾で17km対27kmと59-I式が上回っているが、砲身寿命の長さや任務の多様性という点では66式に軍配が上がるとされ、それぞれ相互補完的な関係にあった[3]。
66式は既に旧式化は明らかであるが、砲兵装備の大規模な更新には多額の予算が必要なため、しばらくは砲兵部隊の主力牽引榴弾砲の地位を保ち続けることになる。装備更新中の部隊では、新式のPCL-181型155mm装輪自走榴弾砲(PCL-181/SH-15)と66式を並行装備している事例も確認できる[3]。これは過渡期特有の運用状況とは言え、異なる口径の野砲を一部隊で運用せざるを得ないだけでなく、一輌で最小限度の戦闘単位として完結するPCL-181に対して、66式は砲本体に加え、牽引用と砲弾輸送用の6×6野戦トラック2輌を揃えねばならず、要員も5名で済むPCL-181に対して操砲要員のみで10名以上が必要な66式では、省力化や運用コストの点で大きな差がついてしまう事になる[3]。なお、中国軍では、レーザー誘導砲弾の採用や、指揮統制システムの近代化、ネットワーク化に対応させることで、出来るだけ66式の戦力的価値を維持することを目指している。
【保利科技有限公司によるアップグレードプラン】
解放軍系の兵器輸出商社である保利科技有限公司では、兵器市場における66式の能力向上プランとして、SH-2 122mm装輪自走榴弾砲のシャーシに66式を搭載して車載式152mm自走榴弾砲化するプラン(中国語だと「车载66式152mm加榴炮」や、66式にエンジン付き砲車を取り付けて短距離の自走を可能としたプラン(中国語だと「辅推型152mm加榴炮」)を提案している[2]。
「车载66式152mm加榴炮」はシャーシ込みの重量18t。乗員は4名。走行状態から砲撃可能となるまでの時間は1分。砲の最大射程は22kmとされている。照準は手動を基本としつつ、自動照準機能も付加。ナビゲーションシステムの改良も盛り込まれている。
「辅推型152mm加榴炮」は総重量7.5t。自走可能距離80km、基本は車両牽引だが短距離自走が可能となったことで運用の柔軟性が増してる。最大射程は38kmとされるが、砲身延長などではなく長射程砲弾を用いた値だと思われる。諸元の算出自動化、データリンク化、情報管理システム、表示装置など現代野砲に必要な諸要素も実装される。
【参考資料】
[1]「1982-2007 中国155毫米圧制火炮更新」(所載)『中国尖端武器』2007-12B(吉林科学出版社)
[2]執筆者による2018年珠海航空ショーでの取材情報
[3]网易「我们一线炮兵部队,还在用56年前的66式牵引加农炮,为何不退役?」(2022年5月11日/来源: 军武谈)https://www.163.com/dy/article/H7343JG90535BT5L.ht...
Chinese Defence Today
Global Security
中国武器大全
中華網「武器装備庫」
【関連項目】
83式152mm自走榴弾砲
中国陸軍