679型練習艦（中国語では遠洋訓練艦）は中国唯一の遠洋練習船。タイプ名は5448T型。NATOコードはDaxin class（ダージン型/大興型）。708研究所で設計され、上海の求新造船廠で建造された。海軍への引き渡しは1987年4月。現在北海艦隊に所属し大連艦艇学院で士官養成任務に当たっている。
679型は遠洋航海を想定し、無給油で地球を半周できるだけの航続距離が与えられている。兵装は艦の前後に66式57mm連装機関砲を2基、艦橋直前に69式30mmCIWS（AK-230）2基、対潜装備として艦首部に81型対潜ロケット5連装発射機を2基搭載している。艦後部には大型のZ-8対潜ヘリコプターの着艦も可能な強度を有するヘリコプター甲板がある。ただし格納庫は無い。艦上には衛星航法装置やGPS（Global Positioning System：全地球測位システム）アンテナといった遠洋航海に備えて充実した航法機器が装備されている。乗員170名の他に、教員30名、練習生200名分の居住スペースが設けられている。艦内には座学、通信、電気・機械設備、生活、医療など軍艦に必要な全般業務の訓練施設が装備されている。大型海図を備えた部屋が3つあり、教学用指揮センターと教学用テレビモニターシステムが設置されている。艦上では航海、観測、電気・機械設備の整備、船舶技術、医療など40項目以上の実習訓練を行う事ができる。
679型「鄭和」は就役以来多くの遠洋航海を行い、世界各国を訪問している。姉妹艦は存在しないが、2006年には準同型艦が新造されアルジェリアに輸出されている。
■性能緒元
| 排水量 | 6,103t |
| 全長 | 132.07m |
| 全幅 | 15.8m |
| 主機 | SEMT-PIELETICKディーゼル（7,200馬力）2基 2軸 |
| 速力 | 17kts |
| 乗員 | 170名、ほか教員30名、練習生200名 |
【兵装】
| 近接防御 | 66式57mm連装機関砲 | 2基 |
| 69式30mmCIWS（AK-230） | 2基 | |
| 対潜ミサイル | 81型対潜ロケット / RBU-1000 5連装発射機 | 2基 |
【電子兵装】
| 対空対水上レーダー | 354型（Eye Shield） | 1基 |
| 火器管制用レーダー | 347G型（EFR-1/Rice Lamp） | 1基（別のレーダーの可能性もある。） |
| 航海レーダー | 1基 |
■同型艦
| 1番艦 | 鄭和 | Zhenghe | 81 | 1987年4月就役 | 北海艦隊所属 |
▼艦前部の57mm連装機関砲と30mmCIWS
【参考資料】
中国武器大全
Global Security
スーマム級練習艦（T50A型）
中国海軍