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▼動画「中国海军新型综合补给舰首舰呼伦湖舰正式入列」


901型補給艦は、2017年9月に一番艦「呼倫湖」が就役した中国最新の大型輸送艦。満載排水量48,000tと中国海軍の主力補給艦903/903A型補給艦(フーチー型)の二倍近いサイズで、ガスタービン機関を搭載し補給艦としては高速な最高速力25ノットを発揮するなど、空母機動部隊に随伴して補給を行うことを強く意識して設計されたのが本級の特徴[1]。

【建造経緯】
中国海軍では、21世紀に入ると海軍の外洋化に対応して903/903A型補給艦(フーチー型)の量産を進め、2016年までに8隻を就役させた[2]。しかし中国が鋭意整備を進めている空母機動部隊は高速移動を前提とし、艦載機用の補給物資も大幅に増えるため、排水量23.400t、最高速力19ノットの903型補給艦では艦隊に随伴して補給任務をこなすには力不足であることは否めなかった[2][3][4]。この状況に対処するため中国海軍が建造した空母部隊の専用補給艦が901型補給艦である。2011年頃から新型補給艦の開発作業が開始され、一番艦「呼倫湖」は2017年9月1日に就役し、二番艦も間もなく就役の予定[4]。

【性能】
901型の設計では、アメリカ海軍の空母に随伴する戦闘支援艦サプライ級の設計が参考にされたとみられている[2]。アメリカの空母任務部隊の洋上航行期間は3カ月から6か月間に及ぶこともあるので、その間艦隊の運行に支障がないように大量の補給物資を供給し続ける必要がある[3]。そのため、サプライ級は4万8800tという排水量に加えて、空母艦隊に随伴するためガスタービン機関を採用し25ノットという高速性能を備えている[5]。

901型も空母艦隊への補給に必要な大量の物資を搭載するため、満載排水量は48,000tと中国海軍の補給艦としてはもっとも大型になった[2]。船体は乾舷の高い平良甲板型で、艦橋構造物と後部構造物の間に補給ポストをおいた艦配置を採用。船体設計には、近年の水上戦闘艦では標準化しているステルス性への配慮が伺われる。艦首には大型のバスバス・バウを配置しており、高速航行を意識した設計が取り入れられている。

艦橋構造は4層で、塔型マストを採用している[2]。艦の中央部には門型の補給ポストが三基、その後方左舷側に塔型ポストが一基配置されており、前後部が液体用、中央の門型ポストがドライカーゴ補給用で、中央ポスト付近には大型のデッキクレーン一基が装備されている[2]。補給ポストの間には二層の甲板室があり、荷役用の油圧機器などがあるとみられている[2]。搭載物資は、貨油20,000t、ドライカーゴ5,000tとされる[2]。従来の中国海軍補給艦とは異なり、空母艦載機用の航空燃料や航空機用機材や兵装についても十分な量を搭載しているとみられる[2][3]。後部構造物には、二本の煙突をタンデム式に配置。前の煙突には対空/対水上用レーダーを搭載した塔型マストを載せている。煙突後方は艦載ヘリコプター用格納庫で、艦尾は大型ヘリの発着も可能な強度を確保したヘリコプター甲板となっている[2]。艦載ヘリはZ-8汎用ヘリコプター二機[2]で、Z-8による物資のヴァートレップ輸送を行うことも想定されている。

901型は先進的な情報化・自動化された補給作業管理システムを採用しており、艦隊の補給物資の情況を把握して、必要に応じて補給計画と手順を策定、所要の時間に補給を実施する体制を確立している[4]。物資の補給までの過程も自動化されており、従来間に比べて補給完了までに要する時間を大幅に短縮しているとのこと[4]。洋上補給と艦載ヘリによるヴァートレップ輸送を組み合わせれば、3〜4時間で空母への補給を完了し、艦隊全体への補給も1日で完了させる事が出来るとみられている[3]。

901型は高速性能が求められたことから、中国海軍の補給艦としては初めてとなるガスタービン機関を採用[2]。4基のガスタービン機関を搭載、二軸推進で最高速力は25ノットを確保している[2](資料[3]では、中速ディーゼル4基の可能性も示唆している)。これは、米サプライ級に相当する速力で既存の中国海軍補給艦と比較すると格段の高速化が図られており、空母機動部隊の随伴を強く意識した性能となっている[1][2]。

武装は、前後の上部構造物に合計4基のH/PJ-11型(630型/AK-630)30mmCIWSを火器管制レーダーと合わせて配置している。これまでの中国補給艦では補助艦艇であることから火器管制レーダーは搭載されていなかったが、901型は従来艦よりも前線での運用を想定して自己防衛能力を強化したものとみられる[3]。電子装備としては、前部マストに360型二次元対空/対水上捜索レーダー、後部マストに364型低空捜索用レーダーを配置しており、30mmCIWSの射撃に必要な経空脅威の航跡を探知して、火器管制システムに伝えることが可能[3]。

【今後の展望】
901型補給艦は、従来の中国海軍の補給艦とは一線を画す性能を持った艦であり、空母部隊の長期の外洋航行を支える補給艦として運用されることになる。現在、二番艦までの建造が確認されているが、今後、空母の就役数が増えていけば、901型補給艦の数も必然的に増加するのは間違いないだろう。

空母艦隊の戦力を発揮するためには、護衛艦艇や艦載機のみならず、大型補給艦など各種支援艦艇の整備も不可欠である。901型の建造は中国海軍の空母計画に対する長期的な努力の傾注の一環であると判断し得る。

性能緒元
満載排水量48,000t
全長239.5m[2]/241m[4]
全幅32m
喫水10.8m
主機ガスタービン機関 四基/二軸
速力25ノット
乗員
搭載機Z-8汎用ヘリコプター×2機

【兵装】
近接防御H/PJ-11型(630型/AK-630)30mmCIWS4基

【電子兵装】
対空対水上レーダー360型1基
対水上レーダー346型(MR-36A)1基
火器管制レーダー347G型(EFR-1/Rice Lamp)CIWS用2基
航海レーダー   
衛星通信用レドーム3基

1番艦呼倫湖Hūlúnhú965広州広船国際造船廠で建造。2015年起工、2016年進水、2017年9月1日就役[4]。南海艦隊所属
2番艦查干湖Chágānhú967広州広船国際造船廠で建造中。2017年5月進水北海艦隊所属予定

【参考資料】
[1] 「写真特集 今日の中国軍艦」『世界の艦船』2019年2月号(海人社/21〜51ページ)48ページ
[2] 『世界の艦船』編集部「中国海軍 注目の新型艦艇 各種特務艦艇」『世界の艦船』2019年2月号(海人社)98〜103ページ
[3]海风「未来航母编队新成员-中国901型综合补给舰」『兵工科技 2018年五月号-展望我国003型航母』(兵工科技杂志社/64〜66ページ)
[4]MDC軍武狂人夢「901型大型綜合補給艦」http://www.mdc.idv.tw/mdc/navy/china/901.htm(2019年1月15日閲覧)
[5]Official MSC Class Factsheet「FAST COMBAT SUPPORT SHIPS T-AOE」https://www.navy.mil/navydata/fact_display.asp?cid...(2019年1月15日閲覧)

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