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▼中国国家海洋局に移管され「海監112」と改称後の写真(左側が「海監112」)


性能緒元
基準排水量2,300t
満載排水量3,100t
全長94.9m
全幅14.4m
喫水4m
主機ディーゼル 2軸
 12PA6V-280ディーゼル 2基(4,320馬力)
速力18.5kts
航続距離7,000nm/14kts
乗員180名

【兵装】
近接防御66式57mm連装機関砲1基(就役時。後に37mm機関砲に換装)
 76型37mm連装機関砲3基(就役時。後に4基となる)
機雷敷設軌条6基
機雷EM-52など300個
注:就役後に57mm連装砲を37mm連装機関砲に換装している。「海監112」として再就役後は機関砲は撤去された模様。
【電子兵装】
対水上レーダー1基
火器管制レーダー1基
航海レーダー1基

918型機雷敷設艦は、中国海軍唯一の大型機雷敷設艦。NATOコードは「Wolei class」。

918型の建造が立案された1970年代末から1980年代初めは、ソ連と西側の緊張関係が再び高まっていた新冷戦と呼ばれた時期であり、当時西側と関係を深めていた中国にとってもソ連の軍事的脅威への対処は重要な課題であった。中国軍では、有事の際にはソ連軍は中ソ国境から陸上部隊を侵攻させるだけでなく、強力なソ連太平洋艦隊が黄海や渤海に侵入して着上陸作戦を実施、首都北京に近い天津や河北省沿岸部を制圧する危険性が指摘されていた。これを防ぐには、渤海の入り口に当たる渤海海峡でソ連艦隊を食い止める必要があった。ソ連艦隊の侵攻を防止するためには、航空部隊や沿岸防衛部隊の増強を行うと共に、機雷によって渤海海峡を封鎖する事が有効な対処法であると認識されていた[3]。

当時、中国海軍には専用の機雷敷設艦は存在せず、必要に応じて掃海艇やその他の軍艦、もしくは動員された民間船舶により敷設作業が行われていたが、これらの艦艇では短期間に多量の機雷を敷設する事は困難であった。

1970年代初頭から海軍では機雷敷設艦に関する研究が開始されていたが、1981年に機雷敷設艦の開発が正式に決定され、同時に「918型佈雷艦」の形式名が付与された。918型の開発を担当したのは中国船舶総工業公司傘下の第708研究所で、海軍と船舶工業部門が708研究所に協力する形をとった。船体設計と並行して、南京船用輔機廠により機雷とその敷設システムの開発作業が行われ、1984年12月には陸上での試験に成功している。

一番艦の建造は1984年6月に開始され、1986年12月に進水。同艦は建造中に3度に渡る改修作業を実施している。一度目は、機関部と機雷搭載用エレベーターの信頼性改善、減揺タンクの搭載、敷設可能深度を高める改修が施された。二度目の改修では機雷敷設システムの搭載に合わせた設計変更を実施。3回目の改修作業では、平時においても様々な任務に従事することを可能とする改修、乗員の生活水準の改善、機雷敷設装置の改修が行われている[3]。

竣工後、1年間の運用試験を実施。機雷敷設の精度や敷設速度が海軍の要求を上回る水準を確保している事が証明され、1988年1月に海軍に引き渡された[3]。

【性能】
918型の主なスペックは以下の通り。基準排水量2,300t、満載排水量3,100t、全長94.9m、全幅14.4m、喫水4m。主機は12PA6V-280ディーゼル 2基(4,320馬力)で最高速力は18.5kts。航続距離は14ktsで7,000nm。乗員180名[2]。

918型の乗員の生活水準は従来の中国艦艇よりも大幅に改善されている[1]。これは、中国を訪問した西側艦艇の艦内視察から得られた教訓を取り入れたものとされる[3]。居住区画の面積が拡大され、設備や室内の配色などにも人間工学に配慮した設計が取り入れられた[3]。918型は中国海軍の艦艇として初めて壁面収納式3段ベッドを採用した艦でもある。3段式ベッドは壁に収納することが可能で、昼間は一番下のベッドだけを出して3人がけのソファーとして使用する。収納式ベッドの採用は、船室の面積を節約するための措置である[3]。最初の設計では、水線下に兵員居住区を設けていたが、これは湿気が多く長期航海では関節炎の発生が懸念された。そのため改修が行われ、船室の位置が変更されると共に防湿処置が施された事により、就役後では船室の湿気が問題になる事はなかった[3]。918型は艦内に広い機雷搭載用スペースを有しているが、平時においてはこの空間は食堂、予備の人員居住区画、ジムや文化施設として利用され、有事には機雷搭載区画に戻される[1][3]。

918型は、悪天候下においても敷設作業を遂行し得る十分な航洋性が要求された。建造中に行われた減揺タンク搭載工事も航洋性向上の一環[3]。機雷敷設システムは高度に自動化されており、航法システムと連動させる事で、正確な位置・深度に各種の種類の機雷を敷設する能力を有している。918型は短時間で多数の機雷を敷設するため、合計6基の機雷敷設軌条を備えている。918型は最大300個の機雷搭載能力を有しており、任務に合わせて複数の種類の機雷を搭載する事が可能。搭載機雷の情報は機雷敷設システムにより管理されている。

港湾施設に頼らずに機雷の補給作業を実施するため、2基の油圧式クレーンが搭載されている。これは補給物資を搭載する際にも使用される[1][3]。

搭載機雷の1つEM-52は爆弾型の浮上機雷で、音響センサーでスクリュー音などを感知すると爆発する。炸薬140kg、最大深度110m。水上艦艇による敷設以外に、潜水艦を使用して敷設する(魚雷発射管から射出)事も可能[4]。

自衛用火器として66式57mm連装機関砲1基、76型37mm連装機関砲3基を搭載[2]。就役後の改装により、57mm連装砲を37mm連装機関砲に換装している。

【就役後の状況】
一番艦「遼陽」は北海艦隊に所属しており、ソ連との戦争の際には迅速に渤海海峡に進出、軍民の各種艦艇と協力して機雷を敷設する事を想定していた。中国海軍では、複数隻の918型を建造して海峡封鎖任務に充当する計画であったが、冷戦の終結によるソ連の脅威の消滅を受けて後続艦の調達はキャンセルされた[1]。

「遼陽」は、平時には広い艦内空間を活かした練習艦としての任務や、クレーンなどの設備を使用したミサイル艇など小型戦闘艇への補給支援作業、島嶼部への物資輸送任務に従事する[3]。また水上艦艇や潜水艦などの訓練標的としても用いられている模様[3]。

2012年12月、「遼陽」は中国国家海洋局の海洋監視船「海監112」として再就役していたことが判明した[5]。海洋監視船としての再就役にあたり、37mm機関砲は撤去された模様。

1番艦遼陽Liaoyang814大連紅旗造船廠で建造。1988年1月就役、2012年中国国家海洋局に移管され「海監112」と改称[5]

【参考資料】
[1]Chinese Defence Today「Type 918 (Wolei Class) Minelayer」
[2]Jane's Fighting Ships 2009-2010(Stephen Saunders (編) /2009年6月23日 /Janes Information Group)155頁。
[3]中国武器大全「沃雷Wolei級(918型)布雷艦」
[4]軍武狂人夢「渦雷級佈雷艦」
[5]China Defense Blog「Who are those two new China Marine Surveillance (CMS) ships?」(2012年12月4日)

中国海軍

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