日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼BP-12Aの自走発射機の模型

▼BP-12Aの自走発射機の模型。右側はBP-12Aの単装発射機。左側はSY400地対地ミサイルの4連装発射機。

▼BP-12Aのミサイル本体


性能緒元(自走ミサイル発射機)
重量全備重量40トン/19トン(シャーシのみの重量)
全長11.43m
全幅3.05m
全高3.05m
エンジンディーゼルエンジン(700馬力)
最高速度80km/h
航続距離 
渡渉深度1m
武装BP-12A単装発射機×2、もしくはBP-12A単装発射機×1+SY400地対地ミサイル4連装発射機×1という組み合わせも可
乗員3名

性能緒元(ミサイル性能)
全長6,300mm
直径600mm
推進装置固体燃料ロケットモーター
最大射程80〜280km
誘導システム慣性航法+GPS
弾頭重量480kg
弾頭種類榴弾、サーモバリック、クラスター弾、地中貫通型など
命中精度(CEP)100m(慣性航法のみ)、50m(GPS)

BP-12A短距離弾道ミサイルは、2010年に広東省珠海市で開催された珠海国際航空展で初公開された輸出向けの戦術弾道ミサイル[1]。開発元は、中国航天科工集団公司(CASIC)。同社が2006年に公開したP-12短距離弾道ミサイルの改良型として開発された[1]。

CASICでは、共通のシャーシを使用した、BP-12A、SY300 300mm12連装自走ロケット砲(神鷹300)SY400 地対地ミサイル・システム(神鷹400)といった一連の地対地ロケット/ミサイル・システムを開発しており、各国への売込みを図っている[1]。このうち、BP-12Aは中国精密機械進出口公司(CPMIEC)が輸出窓口となっている[2]。

2017年12月15日、中東のカタールで行われた軍事パレードでBP-12Aが公開され、カタールが同システムを配備していることが明らかになった[5][6]。カタールはイランを巡る対立などからサウジアラビアをはじめとする湾岸アラブ諸国から国交断絶を通告されており、BP-12Aの導入は自国の防衛力強化を図る狙いがあるとみられる。BP-12Aの射程は比較的短いため、湾岸諸国の戦略目標を攻撃するというより、地上侵攻に際しての戦術目標打撃手段を確保して、周辺諸国からの侵攻に対する抑止効果を期待するものと分析がなされている[6]。

【性能】
BP-12AはロシアのOTR-21トーチカ(NATOコード:SS-21 Scarab/スカラベ)やイスカンダル-E(NATOコード:SS-26 Stone/ストーン)、そして中国のB-611短距離弾道ミサイルP-12短距離弾道ミサイルなどと同クラスの短距離戦術弾道ミサイル。

自走ミサイル発射機は、BP-12Aと同じくCASICが開発したSY400 地対地ミサイル・システム(神鷹400)のシャーシと共通化されており、任務に応じてSY400とBP-12Aの何れも搭載することが可能[1]。自走ミサイル発射機は、ベラルーシの技術支援により開発された万山特殊車輌製造廠製WS-2400八輪重機動トラックを使用しており、最大2発のBP-12Aミサイルを搭載する[3]。ミサイルは箱型キャニスターに収納されており、発射時にはキャニスターを直立させてミサイルを打ち上げる。打ち上げ方式はキャニスター内部でロケットモーターに点火するホット・ローンチ式を採用している[1]。

BP-12Aのスペックは、全長6,300mm、直径600mm、弾頭重量480kg、推進装置は固体燃料ロケットモーターを使用[2]。BP-12Aの射程は、P-12の150kmよりも大幅に延長されており280kmに達している[2]。BP-12Aの射程については、大量破壊兵器の拡散防止を目的とした国際規制であるMTCR(Missile Technology Control Regime:ミサイル技術管理レジーム)の存在が強い影響を与えている。MTCRでは、搭載能力500kg以上、射程300km以上のミサイルは輸出が厳しく制限されており、BP-12Aの280kmの射程と480kgの弾頭重量はMTCRの規制を前提として、それに抵触しないぎりぎりの水準にまで向上されたものであった[1][4]。

BP-12Aの誘導方式は慣性航法方式とGPS方式の併用であり、CEP(Circular Error Probability:半数命中半径)は慣性航法方式のみの場合100m、GPS方式では50mの精度を確保している[2]。弾頭はモジュール化されており、5種類の各種弾頭を容易に換装することが出来る[1][2]。BP-12Aは、ロケット尾部の操舵翼と推力偏向装置を使用して飛翔中にコース変更を行う能力を有している[2]。これは、相手側の弾道ミサイル迎撃システムに対抗するためであり、この能力を利用して、別方向に発射したように見せかけて、大きくコースを変えて本当の目標を攻撃することも可能。

BP-12A/SY400部隊の最小構成は、自走ミサイル発射機、指揮車両、予備ミサイル輸送車で構成される[3]。BP-12Aロケット部隊が停車してからロケットの発射が可能になるまの時間は12分で、一発目のロケットを打ち上げてから12秒後に二発目の発射が可能[2]。発射後、自走ロケット発射機は3分間で走行状態に復帰して、敵の反撃を受ける前に撤収を行う[2]。

BP-12Aは、部隊への火力支援を行うほか、その長射程を生かして敵機甲部隊や砲兵の集結地、後方の司令部や補給地点など高い価値を有する目標に対して攻撃を行うこと想定している。

【参考資料】
[1]远林「珠海航展中国对地打击体系」(『兵器知识2011 1A』/《兵器知识》杂志社/36-37頁)
[2]平可夫「中國推出多種出口型地對地導彈」(『漢和防務評論』2011年1月號(No.75)/32頁)
[3]姜浩・驼铃「“神鹰”400制导火箭最新改进动态—访中国航天科工集团公司高级工程朱安东」(『兵工科技』甦 2010/23-24合刊、2010珠海航展专辑/兵工科技杂志社/91-95頁)
[4]外務省公式サイト「ミサイル技術管理レジーム(MTCR:Missile Technology Control Regime、大量破壊兵器の運搬手段であるミサイル及び関連汎用品・技術の輸出管理体制)」
[5]China Defense Blog「Qatar displays its Chinese BP-12A GPS guided rocket during its Dec 15, 2017 National Day Parade」(2017年12月18日)http://china-defense.blogspot.hk/2017/12/qatar-dis... (2018年5月1日閲覧)
[6]East Pendulum「Le Qatar se dote du missile balistique chinois BP-12A」(HENRI KENHMANN/2017年12月20日)http://www.eastpendulum.com/le-qatar-se-dote-du-mi... (2018年5月1日閲覧)

P-12短距離弾道ミサイル
SY400 地対地ミサイル・システム(神鷹400)
中国第二砲兵

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