日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼セミアクティブ・レーダー誘導型


▼陸上発射型。写真はイランに輸出されたもので、イランでは「Kowsar3」の名称で呼ばれている。


▼TV誘導型

▼TV誘導型のシーカー部


C-701(YJ-7/鷹撃7)は、1998年11月にその存在が明らかにされた小型の対艦ミサイル[1]。開発は中国航天科工集団公司(CASIC)傘下の航天第三研究院(海鷹機電技術研究院)によって行われた[2]。C-701は輸出用名称で、中国軍に採用された場合はYJ-7の制式名称が付与されると見られているが同ミサイルの中国軍での運用は確認されていない[1][2]。

【性能】
C-701は哨戒艇等の小目標を攻撃する為に開発されたが、開発当初からファミリー化を前提としており、発射プラットフォームや誘導方式、攻撃目標を変更した各種派生型の開発が用意に行えるようになっているのが特徴[1][2]。正規軍との戦闘だけでなく、対テロ・ゲリラなどとの非対称戦闘、海賊や密輸組織の掃討作戦など低脅威度目標に対する仕様にも適しているとされる[3]。

C-701のサイズは中国海軍で運用されているYJ-8(C-801)対艦ミサイルの半分程の大きさしかなく、発射機に収納されている時は翼を折り畳む事でさらにコンパクトになっている[3]。

ミサイルは円筒形の胴体で、本体中央からやや後ろに切り落としデルタ翼の安定用フィン4枚をX字型に装着。安定用フィンは飛翔時にはその先端部から小さな三角翼が飛び出すようになっている(発展型のC-701Rではこの機能は廃止された[1])。本体尾部には姿勢制御用に全遊動式飛翔制御翼4枚がX字型に装着されている[1]。推進装置は、固体ロケット・モーターで、二重燃焼室設計が導入されており、推進力を二段階で変更する能力を備えている。本体最後部には3つの排気口が設けられているが、各排気口からの噴流を調整して機動を行う試製制御機能を備えているかは不詳。巡航時には高度15〜20mを超低空飛行する[2]。最高速度はマッハ0.8、射程距離は15km[2][4]。

弾頭部分は、高性能炸薬を使用した半装甲貫通(Semi-armor piercing:SAP)型で弾頭重量は15kgと30kgの二種類が用意されている[3][4]。

C-701は、透明なガラス部を弾頭に持つ光学(TV)誘導型(C-701T)と、通常弾頭カバーのセミアクティブ・レーダー誘導型、画像赤外線シーカーを備えた赤外線誘導型、ミリ波レーダーシーカーを備えたタイプ(C-701R)、C-701Rのヘリコプター搭載型(C-701AR)、C-701ARの発展型である対地攻撃型CM-502KGなどさまざまな派生型が登場している[1][2][4][5]。この内、C-701R以降はミサイルのサイズがやや大型化しており、最大射程が15kmから25kmに延伸されている[1][4]。このほか、C-701の技術をベースとした拡大改良型C-704対艦ミサイルが開発されている。

前述の通り、C-701は陸上の固定発射器、車両搭載型、小型艦艇、ヘリコプターや飛行機など多様なプラットフォームからの発射を想定している[2][3]。地上発射・車両/艦船搭載型の場合、ミサイルは格納容器を兼ねたキャニスターに収納された状態で運用される。

【運用状況】
CASICでは、C-701/C-704を短射程対艦ミサイル、C-705/C-802/C-802Aを中射程対艦ミサイル、C-602を長射程対艦ミサイルとして、ユーザーの多用な要望に応じることが可能なラインナップをそろえて各国への輸出を図っている。この内で、C-701は最も小型のミサイル。

CASICではC-701の輸出を目指して各国への売込みを行っており、既にイランへの輸出に成功している。イランではC-701のライセンス生産権も購入しており、C-701Tが「Kosar1」、C-701Rが「Kosar3」の名称で生産が行われている[6][7][8](Kowsar1/3の表記も見られる)。イランはC-701を小型艇やトラックに搭載して運用している[2]。

イランはC-701以外にも中国からC-704対艦ミサイル(イラン名Nasr)、C-802対艦ミサイル(イラン名Noor)やTL-10対艦ミサイル(イラン名Kosar)などのライセンス生産権を購入しており、現地生産を行っている。これらのミサイルは、イランと提携関係にあるレバノンのシーア派武装組織ヒズボラにも供給されており、2006年7月14日には、Kosar(具体的な型式は不明だがおそらくKosar1型と思われる)とNoor対艦ミサイルがイスラエル海軍のサール昂織灰襯戰奪函Hanit」に発射されミサイル1発が命中し中破、さらに別のカンボジア船籍の貨物船を撃沈する事件が起こっている[9]。

【派生型一覧】
輸出名タイプ射程距離  
C-701T光学(TV)誘導15km 
画像赤外線誘導型15km
セミアクティブ・レーダー誘導型15km
C-701Rミリ波レーダー誘導型25kmミサイルのサイズを大型化
C-701AR空中発射型25kmC-701Rの空中発射型
CM-502KG空中発射・対地攻撃型25kmC-701ARの発展型
Kosar1C-701Tのイランでの生産名称15km
Kosar3C-701Rのイランでの生産名称25km

性能緒元
全長2,507mm(C-701)/2,685mm(C-701R)
直径540mm(C-701)/5860mm(C-701R)
重量100kg(C-701)/117kg(C-701R)
弾頭重量15kgもしくは30kg
最大速度マッハ0.8
巡航高度15〜20m
射程15km(C-701)/25km(C-701R)
誘導方式TV誘導/セミアクティブ・レーダー誘導/画像赤外線誘導/ミリ波レーダー誘導など
搭載機種陸上発射器/ヘリコプター等の航空機

【参考資料】
[1]青木謙知『ミリタリー選書8-軍用機ウエポン・ハンドブック』(イカロス出版/2005年)98〜99ページ
[2]海軍360-海軍艦艇大全「C-701型反舰导弹」
[3]Chinese Defence Today「YJ-7 ANTI-SHIP MISSILE」
[4]『Air-Launched Weapons ISSUE 47-2006』(Jane's Information Group)163〜164ページ
[5]Gordon Arthur・平可夫「珠海亮相的武器進一歩深度分析」(『漢和防務評論』2013年3月号/No.101)50〜54ページ
[6]『Air-Launched Weapons ISSUE 47-2006』(Jane's Information Group)174〜175ページ
[7]Modlex Export Centre公式サイト「Kosar 1 Anti Ship Missile」
[8]Modlex Export Centre公式サイト「Kosar 3 Anti Ship Missile」
[9]Defense Update「News Analysis by David Eshel INS Hanit Suffers Iranian Missile Attack」(2006年7月17日)

中国海軍

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