▼H-6にSpeyターボファン・エンジン4基を搭載する計画

▼ロシア空軍のTu-22Mバックファイア

▼ロシア空軍のTu-160ブラックジャック

中国軍は1970年代後半から、新しい長距離戦略爆撃機の開発を試みてきた。1972年にイギリスからロールスロイス・スペイ・ターボファン・エンジンを購入した中国は、このエンジン4基を積んだアメリカのB-47ストラトジェットのような爆撃機を計画したが、当時の中国にとっては経済的・技術的に余りにも負担が大きいと判断され、1970年代末にこの計画は中止されてしまった。また西安航空機工業はH-6爆撃機(轟炸6/B-6/Tu-16)にスペイ・ターボファン・エンジン4基を取り付ける計画を進め、1978年に初飛行を成功させたが経済的問題により結局この計画も中止された。そのため新たな爆撃機が導入されるまでの繋ぎとして、H-6に巡航ミサイル運用能力を付与する改修が行われた。
冷戦の終結にともなって、中国とロシアはそれまでの対立を終わらせ急速に接近を始めた。これを背景として1998年に中国はロシアに対しH-6の後継としてTu-22M3爆撃機(バックファイアC)の販売を求めたが、ロシアはこの種の長距離爆撃機の販売が東アジアの軍事バランスを著しく崩すものとしてあっさりと拒否した。しかし2004年になってロシア空軍高官は中国に対し、Tu-95及びTu-22M3爆撃機を販売する事が出来ると掌を返したように発言し周囲の国々を驚かせた。また中にはウクライナがTu-160ブラックジャックを中国に販売するという推測もあるようだが、事実かどうかは定かではない。
【参考資料】
Chinese Defence Today
中国空軍