日本の周辺国が装備する兵器のデータベース

▼上から瀋陽J-10大形戦闘機。瀋陽J-11軽戦闘機、南昌J-12軽戦闘機。いずれも1960年代から1970年代にかけて開発され、実用化には至らなかった戦闘機。


J-10(殲撃10)戦闘機は、1970年代から1980年代にかけて第112航空廠(以下112廠と表記。後の瀋陽飛機航空工業集団)で開発が行われていた長距離迎撃戦闘機で、ソ連のMiG-25やMiG-31に匹敵する大形戦闘機を実用化する事が目指された。なお、後に成都飛機工業公司で開発されたJ-10戦闘機(殲撃10/F-10)とは、名称以外の関係は無い。

J-10の機体設計はMiG-25に大きな影響を受けていた。肩翼式のデルタ翼に双垂直尾翼形式が採用されていたが、これは高速性や高高度性能を維持しつつ、運動性や安定性を確保するための配置であった。インテークは超音速飛行に適した2次元式インテークが採用されているが、これもMiG-25に順ずるものであった。

機首には全天候性能を確保するために大形レーダーを搭載するレドームが配置され、操縦手のほかにレーダーや武器の操作を担当する兵装操作員が搭乗する複座機とすることとされた。

J-10に関する情報は乏しく、詳しいスペックや兵装、その開発経緯については現時点では不明な点が多い。長距離迎撃戦闘機の実現に必要とされた大推力エンジンや充実したレーダー・アビオニクスといったコンポーネントの実用化は、1970〜80年代の中国航空産業にとっては最も苦手とする部門であり、この点がネックとなってJ-10はペーパープランの域を脱する事が出来なかったと見られる。

【参考資料】
Airlinebuzz - Commercial Aviation and Beyond「Drachenflügel/Part Two- Shenyang J-10 (Flieger Revue Extra)」(Sentinel Chicken/2007年10月27日 )

中国空軍

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