日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼J-11の完成予想図。

▼上から瀋陽J-10大形戦闘機。瀋陽J-11軽戦闘機、南昌J-12軽戦闘機。いずれも1960年代から1970年代にかけて開発され、実用化には至らなかった戦闘機。


性能緒元
通常離陸重量8,700kg
全長15.76m(胴体長14.50m)
全幅8.695m
全高4.70m
エンジンロースル・ロイス Spey Mk202(推力5,557kg、A/B 9,300kg)1基
最大速度M1.75
航続距離2,300km
武装30mm単装機関砲×2
 赤外線誘導空対空ミサイル×2
 爆弾、ロケット弾など
乗員1名

J-11(殲撃11)は、第112航空廠(以下112廠と表記。後の瀋陽飛機航空工業集団)が文化大革命中に開発した軽戦闘機である。

文化大革命中の1969年、中国軍と関係機関によるヴェトナム戦争や中東戦争での戦訓を取り入れた新型戦闘機開発に関する検討会議(通称「8.25会議」)が開催された。会議では、J-6(殲撃6/MiG-19)の後継となる次世代戦闘機に求められる性能として、高い格闘戦能力を有した離陸重量4.5tの機体と同9tの2種類の軽量小型戦闘機を開発する事が決定された。離陸重量4.5tの機体は南昌320廠(後の洪都航空工業集団)が、9tの機体は瀋陽112廠が開発を担当する事とされた。320廠では2年前から開発に着手していたJ-12戦闘機(殲撃12)をこれに当てる事として、112廠では新規設計の戦闘機(J-11と命名)を開発する事が決定された。

112廠では、8.25会議の決定以前からJ-6の後継となる新型戦闘機に関する研究作業を行っていた。8.25会議の決定を受けて、112廠では事前研究の結果を纏めた以下の3つのプランを立案した。

1つ目の案は、J-6戦闘機に使用されていたWP-6ターボジェットエンジン(推力2,150kg、A/B 3,250kg)の改良型WP-6III(渦噴6丙)を2基搭載するものであった。ただし、このエンジンの推力ではマッハ1.75の最高速度こそ達成し得るものの、その他の要求性能は得られない事が分かった。

2つ目の案は、J-7戦闘機に使用されているWP-7ターボジェットエンジン(推力3,900kg、A/B 5,750kg)の改良型WP-7III(渦噴7丙)1基を搭載するというものであった。ただし、WP-7IIIの推力で要求性能を達成するには、機体重量を7tに抑える必要がある事が分かった。

3つ目の案では、イギリスから民間ベースで購入する事が計画されたロースル・ロイス Spey Mk202(推力5,557kg、A/B 9,300kg)1基を搭載する事が計画された。スペイMk202の推力であれば、機体重量9tで要求された各種能力を達成する事が可能であるとされ、最も実現性の高い案であると判断された。

112廠では、第3案をベースにしてJ-11の開発を行う事を決定した。機体設計は、従来のJ-6やJ-7といったソ連系戦闘機とは一線を画する物であり、フランスのミラージュF1などの西側戦闘機の影響が見られる機体となった。機首尖端にはレドームが設置され、インテークは胴体両側面に配置され、ショックコーン(もしくは二次元式インテーク)が設けられた。主翼は中国の戦闘機としては初の肩翼配置が採用され後退翼の中程にはドッグツースが設けられている。尾翼は単垂直翼と水平尾翼の組み合わせという通常形式を採用、胴体下部には2枚の安定板が設置されている。垂直尾翼付け根には着陸時に用いるドラッグシュートが収納。コクピットには、中国が開発したゼロ・ゼロ式射出座席が搭載される事が予定されていた。

機首のレドームには645型、もしくは204型レーダーを搭載し、全天候性能を獲得する事とされた。兵装としては、固定武装として30mm機関砲×2基を装備するほか、空対空任務では主翼パイロンに2基の赤外線誘導空対空ミサイルを搭載する事が想定されていた。主翼や胴体下部にあるパイロンには、空対空ミサイルのほかに、爆弾、ロケット弾、増槽などを搭載する事も可能。

J-11は、高度5,000mで上昇率197m/秒の能力を有し、最大速度マッハ1.75、最大航続距離2,300km、離陸重量8,700kgの状態で500m以下の滑走距離で離陸できる性能が得られるとされた。

J-11の開発は1970年代を通じて続けられていたが、その作業が完了する事は無かった。文化大革命の終了後、小平による経済開発優先政策が実行に移され、これに基づき国防事業の大幅な整理再編が行われる事になった。この整理再編により、早期に実用化できない兵器開発計画については中断する事とされ、112廠(1979年に国営松陵機会公司に改称。)ではJ-11とJ-13戦闘機(殲撃13)の開発を中断し、開発リソースをJ-8II戦闘機の実用化に集中する事が決定された。これにより、J-11の開発作業は設計段階で終了される事となった。

【参考資料】
Secret Projects Forum「Shenyang Jianjiji-11 / J-11 Lightweight Fighter」
新浪網「中国第三代殲9及殲11殲撃12殲撃13戦機項目掲秘」(2008月8月8日)

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