日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼2007年6月29日に公開されたK21

▼兵員室を後部から前方に向けて撮った画像。中央に搭乗兵用の多機能ディスプレイが見える。


▼2005年9月19日に公開されたNIFV(K21)の試作1号車

▼NIFV後部。兵員室に通じる油圧式ランプには乗降用の小型ドアが設けられている。

▼サイドスカート内に装備された浮航用のエアーバッグを展開させるNIFV


▼K21に搭載されている国産のXK40機関砲


▼2007年6月29日に公開されたK21のニュース映像。機動と機関砲射撃、発煙弾発射など。

▼NIFV(K21)試作車輌の運用試験映像。路外機動、水上浮航、ミサイル発射器作動、機関砲による空中目標撃破など。

▼NIFV(K21)の開発映像。各種シミュレート、機動試験、フロート展開、水上浮航試験、機関砲射撃試験など。


性能緒元
重量25.0t
全長6.9m
全幅3.4m
全高2.6m
エンジンD2848LXE ディーゼル 750hp
最高速度76km/h(浮航時7.8km/h)
航続距離 
武装XK40 70口径40mm機関砲×1
 7.62mm機関銃×1
 国産対戦車ミサイル(開発中)×2
装甲 
乗員3名(車長、砲手、操縦手)+9名

従来の装甲車よりも火力などが改善された次世代歩兵戦闘装甲車(NIFV:Next Infantry Fighting Vehicle)。開発はADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)と斗山インフラコア社で1999年から行われ、2005年5月19日に斗山インフラコア昌原工場で試作車3輌の出庫式が行われた。その後、試作車によって各種試験が行なわれたが、幾つかの不具合によって計画は遅れ、また当初1輌25億ウォンの予定だった価格が40億ウォンまで上昇するなど様々な壁にぶつかり、NIFVの将来は一時極めて不透明だった。しかし2007年6月29日にADDは忠清南道泰安郡の安興試験場でNIFVの完成(ミサイルは未完)を正式に発表し、K21という制式名称も同時に発表された。K21は2008年から本格的量産が開始される予定で、K200装甲兵員輸送車を代替する形で、約900輌が生産される。部隊配備は2009年からになる見込みで、K21はまず陸軍最精鋭部隊である第7軍団の第20機械化歩兵師団に配備され、新型MBTであるK2戦車と共に行動する事になるだろう。K21の開発に投じられた費用は約910億ウォンといわれる。

K21の車体と砲塔はアルミニウム装甲の全溶接構造で、前面には空間装甲(積層複合装甲の説も有)が施されており30mmAPDS弾(Armor Piercing Discarding Sabot:装弾筒付徹甲弾)に耐える事が出来る。また側面装甲は14.5mm徹甲弾に、上面は155mm砲弾断片に耐えられる。そのほかNBC(Nuclear,Biological,Biological:核・生物・化学)防護システム、レーザー警報装置、自動消火装置も装備している。エンジンは750hpの8気筒水冷ディーゼルで、出力重量比は28hp/tと高く最大路面速度は70km/h(不整地では40km/h)に達する。車体側面のサイド・スカートにエアーバッグ式の水上浮揚装置が装備されていて、水上でも6km/hで浮航する事が出来る。水上での推進力は履帯を動かす事で得るものと思われる。車内に乗車させる事ができる兵員数は9名。

従来の韓国軍の主力装甲車K200(KIFV)?の兵装は12.7mm及び7.62mmの機関銃だけであり、敵装甲車や戦車への攻撃力は無かった。しかしK21は大幅に火力が強化され、韓国S&T重工業製の70口径40mm機関砲(ボフォース社製のコピー?)1門と同軸の7.62mm機関銃を装備しており、装甲車はもちろん低空のヘリコプターへの攻撃も可能になっている。40mm機関砲はスタビライザが備えられ昼夜間射撃管制システムと連動し、APFSDS(Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot:装弾筒付翼安定徹甲弾)のほかPFHE弾(Pre-Fragmented High Explosive:近接信管付高性能榴弾)など各種弾薬を発射できる。この機関砲の最大射程は4,000mで砲口初速はHE弾の場合1,005m/s、APFSDS弾の場合1,400m/sに達し、アメリカや中国、日本の歩兵戦闘車が装備する機関砲よりも威力が大きい。発射速度は毎分300発。車長は砲手とはそれぞれ別に捜索・照準装置を砲塔天井部に持っており、これによりハンター・キラー能力を有しているようだ。砲塔左側面には対戦車ミサイルの連装発射器が装備されている。この対戦車ミサイルは韓国国産で性能の詳細は不明だが、イスラエル製のスパイク対戦車ミサイルをベースに開発されており、タンデム式成形炸薬徹甲弾頭を持つ射程4,000m級の光学有線誘導型ミサイルになるという。

K21には高度なベトロニクス(Vetronics:車輌用電子機器)が搭載される予定。多数の多用途情報ディスプレイが車内に装備され、LRF(Laser Range Finder:レーザー測距器)やデジタル弾道計算機からなるFCS(Fire Control System:火器管制装置)やGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)、INS(Inertial Navigation System:慣性航法装置)、自動故障診断装置、味方の車輌間や指揮所との間でリアルタイムに情報をやり取りするIVIS(Inter-Vehicular Information System:車輌間情報システム)などと連動する。また内蔵型の訓練シミュレーターが装備され、実弾射撃を行わずに訓練する事が出来るという。

北朝鮮軍は73mm低圧砲と9M14対戦車ミサイル「マリュートカ」(NATOコード:AT-3 Sagger/サガー)などで武装したBMP-1歩兵戦闘車など多数のIFV(Infantry Fighting Vehicle:歩兵戦闘車)を装備しており、これまで同分野の兵力では韓国陸軍が大幅に劣っている事が指摘されていたが、K21の装備により北朝鮮軍を圧倒する事ができるようになるだろう。また本車が完成した暁には、韓国は積極的に海外(特にトルコ)への輸出を図るものと思われる。

【参考資料】
軍事研究(株ジャパン・ミリタリー・レビュー)
朝鮮日報
Kojii.net
Jane's Defence Weekly
PowerCorea

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