日本の周辺国が装備する兵器のデータベース

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▼邁糞始群「不显眼的国产KVD系列无人机,陆航体系化作战核心节点」(投稿日2025年10月20日)中国陸軍航空隊における二機種のUAV、KVD-001とKVD-002の役割の相違についての解説動画。


性能緒元(KVD-002の性能が不明な箇所は、CH-4Bのスペックを用いている)
最大離陸重量1,300〜1,300kg(CH-4B)
全長8.5m(CH-4B)
翼幅18m(CH-4B)
エンジンDB416重質燃料ピストンエンジン(120kW)×1
最高速度300km/h(CH-4B)
巡航速度180km/h(CH-4B)
上昇限度9,000m
連続飛行時間42時間(偵察任務)[8]/14時間(最大離陸重量)[3]
最大航続距離5,000km(偵察任務で180km/hの巡航速度)/600km(戦闘任務)(CH-4B)
機外ペイロード345kg(CH-4B。DB416搭載によりペイロードは30〜50%増加したとされる)
兵装精密誘導爆弾、空対地ミサイル、空対空ミサイル、電子戦ポッドなど各種装備を搭載可能

KVD-002無人機は、中国陸軍航空隊に配備が始まったMALE UAV(Medium-Altitude Long-Endurance Unmanned Aerial Vehicle:中高度長時間滞空無人機)に属する、偵察/打撃能力を有する無人機である[1]。

同機は、中国航天科技集団公司第十一研究院 航天彩虹無人機股份有限公司(英語表記はAerospace CH UAV Co., Ltd., Eleventh Academy, China Aerospace Science and Technology Corporation/英語略称CASC Rainbow UAV)が輸出向けに自主開発したCH-4(彩虹-4/Rainbow 4)MALE UAVを陸軍航空隊向けに所定の改修を施した機体である[1]。CH-4は同社が開発したUAV「彩虹(CH)/ Rainbow」シリーズの一つであり、2011年に初飛行に成功し、翌2012年には航空ショーに参加しており、これまでに偵察型CH-4A、偵察/打撃型CH-4BとCH-4C/Dが開発されている[1]。

陸軍航空隊ではCH-4に、KVD-002の制式名称を付与して配備を開始。2021年9月には、KVD-002がインドと対峙する中国西北地方の陸軍航空隊に配備された[2]。2023年1月には、KVD-002の電子情報収集型(ELINT型/型式名はKVD-002Dか?)が台湾と日本に面した中国南東部に配備されたのが確認されている[2]。この機体は、主翼前縁にコンフォーマルアンテナを搭載している模様で、AR-1小型空対地ミサイル×2の搭載能力も保持しており、地上攻撃任務に投じることも可能[2]。KVD-002の一般公開は同年9月になる。2023年9月14〜17日に開催された天津ヘリコプター博覧会において、戦術偵察UAVのKVD-001(ASN-209多用途無人偵察機の陸軍航空隊制式名称)、Z-10攻撃ヘリコプターと共に地上展示を行ってその存在を披露している[1]。これは、有人ヘリコプターと無人機の連携運用能力を示す展示であると見なされている[3]。

【機体構成】
KVD-002の原型であるCH-4は、アメリカのMQ-9「リーパー」、中国空軍のGJ-1(攻撃-1/YL-1/翼竜-1)、GJ-2(攻撃-2/YL-2/翼竜-2)などに共通する、衛星通信アンテナを収納して膨らんだ機首、長時間の滞空飛行に適したアスペクト比の大きな主翼、V字尾翼にプッシャー式のプロペラ配置という組み合わせを採用している[1]。これは、良好な空力性能と、長時間の飛行を可能にする長大な航続距離と、低燃費を実現するものである。

CH-4の機体構造は、アルミ合金製の外板を基本としつつ、構造上の負荷の少ない個所や衛星通信アンテナを収納するフェアリング部分などに複合材料を用いて製造されている[1]。降着装置は、標準的な前輪式で飛行時には機内に収納される。降着装置にはショックアブソーバーが組み込まれており、着陸時の振動を低減して、搭載する電子機器への影響を低減する役割を果たしている[1]。

KVD-002のベースとなったCH-4Bのサイズは、全長8.5m、翼幅18m、最大離陸重量1,300〜1,330kgと、中国軍で運用されているGJ-1(攻撃-1/YL-1/翼竜-1)に近い規模の機体となっている[1][4]。

【エンジンと飛行性能】
CH-4Bのエンジンは、初期型はオーストリアのROTAX社製のROTAX914型ターボチャージド・ガソリンエンジン(最高出力115hp/85kW)を採用していた[4][5]。ROTAX914はこの種のUAVに広く採用されているエンジンである[4]。

ガソリンエンジン搭載の初期型の性能は、最大離陸重量1,300〜1,330kg、最大積載重量345kgのペイロードを有し、300km/hの最高速度を発揮した[1][4][5]。偵察任務では180km/hの巡航速度で最大5,000km、戦闘任務では最大600kmの航続距離を有している[1][4]。飛行高度はソースによって差があり、資料[1]では巡航高度7,000m、資料[4]では実用上昇限度5,000m、資料[6]では上昇限度7,200mとの数値を挙げている。連続飛行時間は、偵察任務において30[4]〜35時間[1]、戦闘任務では12時間の滞空が可能[4]。最高速度は330 km/h[4]。

2018年には性能向上を目的として、ROTAX914が中国国産のDB416型HEPE(Heavy fuel piston engine:重質燃料ピストンエンジン)に換装された[1][6][7]。DB416は、乾燥重量98kgの液冷式4ストロークエンジンで、高圧コモンレール(HPCR)燃料システム、フルオーソリティデジタル電子制御(FADEC)、オーバーホール前平均稼働時間2,000時間などの機能を備えている[8]。DB416はガソリンよりも発火リスクの低い軍用ジェット燃料や灯油(ケロシン)を用いたエンジンであり、エンジン出力はROTAX914の85kWから、約40%のパワーアップになる120kWの最高出力を確保している[7]。DB416は、高い出力と低燃費を両立したエンジンであり長時間の飛行に適しており、他の軍用ジェット機と燃料を共用できるメリットがあった[1]。さらに、国産エンジンに切り替えたことでコンポーネントの供給が海外に左右されずに済むのも、輸出において有利に働く要素であった[1]。

DB416への換装により、CH-4Bの滞空時間と巡航高度・上昇限度は大きく延伸され、最大飛行時間は30〜35時間からで42時間にまで延び[8]、最大離陸重量で飛行した場合でも14時間の飛行時間が確保されている[3]。新型エンジンの採用により、ペイロードは30〜50%増加したにもかかわらず、燃費は約20%改善され、航空機の離陸滑走距離も大幅に短縮された[8]。その結果、山岳地帯などで十分な距離が確保しにくい地域の空港の短い滑走路における運用能力が向上した。これが高高度性能の改善と合わせて、中国西北地方での運用適合性が増したことを意味するもので、後に中国陸軍航空隊への採用において有利に働いたことは間違いないだろう。CH-4Bガソリンエンジン搭載型の運用/最高高度は5,000〜7,000m程度であり、紛争地域で多数が存在する歩兵携行式地対空ミサイルや対空機関砲の攻撃を受ける懸念はかなり少なかったが、エンジン換装により上昇限度が9,000mに達したことで、上記の対空兵器による損耗のリスクをさらに減らすことが出来た[7]。

ペイロードの増加により、CH-4Bはそれまでの偵察用UAVから、偵察/打撃一体型、合成開口レーダーを搭載した地上観測・測量任務型、通信機器を搭載した空中無線中継任務型、各種センサーを搭載した環境観測型、消火機材を搭載した森林防火任務機などの派生型の開発が可能となった[1]。

【兵装】
CH-4Bは、主翼に4か所のハードポイントを有し、4発の空対地ミサイルもしくは爆弾(合計重量250〜350kg。DB416搭載型はペイロードが30〜50%増加)を搭載する。必要に応じて、並列パイロンを装着して搭載弾数を6発に増やすことが出来るが、その際には機内燃料を減ずる必要がある[1]。ハードポイントの対応荷重は、主翼外側が最大75kgで、内側が120kg。

輸出市場を意識して、搭載兵器は多様なラインナップが用意されている。たとえば、UAVへの搭載を想定して開発されたARシリーズだけを取り上げても、重量40kg、射程は8〜10kmで、中間誘導には慣性航法+GPS、終末誘導にはミリ波レーダー誘導方式を採用しており、悪天候下でも精密攻撃が可能な小口径空対地ミサイルであるAR-1[9]。重量を半分の20kgにして搭載弾数の増加を意図したAR-2。重量100kgでマイクロターボジェットエンジンを内蔵し100kmの射程を有するAR-3小型巡航ミサイル。強化陣地を想定した高い貫通力を有するAR-4貫通型精密誘導弾(重量80kg、射程20km)。歩兵による携行搬送も可能な徘徊式弾薬であるAR-10(航続距離40km、飛行可能時間一時間)。その発展型で、重量15kgで90分間の滞空が可能で、制御系統はAI化が施されており、上空で滞空しつつ目標を発見すると突入・破壊するAR-20徘徊式弾薬といった多彩なラインナップが存在する[1][10]。

偵察任務では、胴体下部に光学/電子ターレットと合成開口レーダーを搭載して任務にあたる[1]。合成開口レーダーは昼夜・天候を問わず高解像度の地表画像を取得するアクティブ型レーダーで、CH-4のレーダーは30km先の目標地点の地表画像を取得する性能を有している[1]。光学/電子ターレットは、TVカメラ/
赤外線暗視装置/レーザー測距装置などで構成されるが、2022年の珠海航空ショーでは、新たにミリ波レーダーを活用して探知範囲を大きく拡大させたことが報告されている[1]。

CH-4は搭載センサーの変更が容易であり、光学電子ターレット、合成開口レーダーといった上記センサー以外にも、通信機器、レーザーレーザー、カメラ、磁器探知システム、気象観測センサーといった多種多様な装備を搭載可能であり、前述のような対地攻撃や偵察以外にも、搭載機器を換装することで、通信中継や情報収集、電子戦、そして、民生用の環境観測、測量、森林防火任務などの多用な任務に対応する能力が付与されている[1]。

CH-4の管制は地上の管制ステーションで実施される。2015年にイラクに輸出されたCH-4B初期型は地上の管制ステーションと直接通信による制御だったので運用可能距離は約250kmに留まっていた[12]。しかし、衛星通信装置(SATCOM)を搭載すれば、1,500kmを超える距離での運用が可能となる[11]。CH-4のセンサーによって得られた目標情報や画像は、通信衛星を活用したデータリンク機能を通じて管制ステーションに随時転送され、オペレーターはその映像をリアルタイムで確認することができる。地上の管制ステーションでは、送信された目標の諸元や映像を確認して、迅速に目標に対して攻撃命令を下すことが出来る。CH-4には人工知能を用いた識別機能が組み込まれており、人員や施設などの地上目標の正確な探知が可能であり、分散しつつシステム化された共同作戦能力を備えた多目的MALE UAVであるとされている[1]。

【CH-4の採用実績と、運用状況の問題について】
CH-4は2010年代に輸出を開始して以降、中東、北アフリカ、東南アジアなどで複数の国々で採用され、実戦も経験している。ただし、広く採用されている反面で、イラクのように部品供給の滞りによる稼働率の低下や、ヨルダンのように運用不良により早期に現役を退くなどの事例も報告されている[11][12]

ヨルダン空軍の早期退役の原因については、性能面での不十分さ、修理や整備に関する資料の不足、スペアパーツの在庫や発注システムといった支援体制の不備、(ジャミングなどの)厳しい電子戦環境下での運用に難がある等の理由が挙げられている[11]。西側式の兵器体系を採用しているヨルダン空軍の既存の装備体系にCH-4Bをうまく統合できなかったのも問題であった[11]。CH-4は国際市場において一定の成果を上げたものの、トルコやアメリカといった競争相手と比較した場合、特に全体的な信頼性、費用対効果、そして既存の西側システムとの統合の容易さという点では、依然として競争上の課題を抱えていると考えられる[11]。

これらの問題を踏まえて、中国陸軍がCH-4BをKVD-002の制式名を与えて採用したことを考えると、自国運用の場合は輸出先で発生した問題はコントロール可能な範囲に収まると判断したことが想定される。兵器体系との統合については、中国軍はKVD-002を自国の指揮管制システム、データリンク、衛星通信網と完全に統合された環境で運用できるので、ヨルダンが直面したような「既存の兵器体系との非互換性」は最初から存在しない。整備面での問題も、自国企業なので、部品供給、技術者養成、サポート体制が完備されており、部隊での応急修理が難しいトラブルでも、中国国内であれば迅速な対応が可能。陸軍航空隊は自らの戦術要求に基づき、KVD-002の機体やソフトウェアの仕様を自ら決定できるため、輸出モデルで見られる現地との不適合は起こりにくい。そして、自国の領域内での運用は、気候、地形、電波環境をすでに熟知しているので、輸出先で直面する現地の環境要因による事故リスクは相対的に低く抑えることが出来る。このような展開を想定することが可能であろう。KVD-002が中国陸軍で順調に配備を進めるためには、メーカーがサポート体制や部品供給体制をきちんと確立することが必須であり、輸出市場で見られたような問題が生じないか否かが留意されるところ。

【中国陸軍向けKVD-002について】
中国陸軍航空隊では、CH-4Bを同部隊で配備することを決定し、KVD-002の制式名称を付与して2023年の天津ヘリコプター博覧会で実機を披露した。空軍はすでに成都飛機航空工業集団が開発した、GJ-1(攻撃-1/YL-1/翼竜-1)、GJ-2(攻撃-2/YL-2/翼竜-2)という二種類のMALE UAVを部隊配備していたが、陸軍航空隊にとってはKVD-002が初のMALE UAVとなった[1]。

空軍で採用されているGJ-1はCH-4Bと同クラスのUAVであるが、GJ-1ではなくCH-4を採用した経緯は不明。おそらく、アメリカ陸軍が空軍のMQ-1「プレデター」やMQ-9「リーパー」をそのまま導入せず、陸軍の要求に合わせた改良と性能向上を施したMQ-1C「グレイイーグル」を開発・配備した事例と同じように、単純な装備共通化を追求するよりも、それぞれの軍の任務に最適化された装備を調達したいという意向が働いたことも想定される。

KVD-002は2018年からCH-4への搭載が開始された中国製DB416型HEPE(重質燃料ピストンエンジン)を採用している。同エンジンの採用によりCH-4は全般的な性能向上を達成しているが、特に陸軍が評価したのは高地運用能力の改善である[1]。中国の西北部に当たるチベットや新疆ウイグル自治区では高原地帯や山岳地帯が多く、そこでの運用には高い高地運用能力が必然となるので、KVD-002の採用に当たり高地運用能力の改善を求めるのは必須であった[1]。特に長大な国境線を接しているインドとの国境地帯においては、広範な山岳地が広がっており、長時間の滞空監視が可能なKVD-002は、国境警備において中国軍の監視負担を軽減しつつ、全天候下での高い監視と即時打撃可能な能力を兼ね備えている同機の役割を存分に発揮できる舞台であると見なされている[1]。

航続距離の長いKVD-002は、縦深作戦における長時間偵察・監視任務、重要地点/目標の精密偵察においてその能力を有効活用し得る。さらに、搭載兵装による地上打撃任務、敵防空網制圧任務、装甲車輛や強化陣地などに対する精密打撃任務も想定されている。偵察任務と打撃任務を一機でこなせることから、一定程度の脅威であれば敵防空網を突破して、戦場監視・偵察を行い、発見した目標に対しては搭載兵装により迅速に打撃を行って、その効果を判定するまでの一連のループをKVD-002のみで完結させられる[1]。

【有人機-無人機の連携運用について】
ロシア・ウクライナ戦争において数多くの攻撃ヘリコプターが損害を出したことと、対照的にドローンが目覚ましい戦果を挙げたことで、「攻撃ヘリコプター不要論」が流行を見せることになった[1]。だが、その後の展開を見るにつけ、同戦争における攻撃ヘリコプターは戦訓を反映して運用が継続されており、ドローンについても万能薬ではないことが知られるようになった。むしろ、戦闘効率を最大化するためには、有人機と無人機を共同運用することで、双方の短所を補完し、それぞれの長所を最大限に発揮させることにあるとしてそれを追求するアプローチが各国で追及されるようになっている[1]。

有人機と無人機の連携運用の前提として、両者をつなぐ高速・かつ安定した大容量・双方向データリンクシステムの確立が不可欠となる。このデータリンクを介して、有人機は無人機が収集した映像や各種諸元をリアルタイムで受信・閲覧できるので、これまでのように無人機から地上の指揮センターに情報を送り、そこで処理したうえで有人機に伝えるという手間を省くことが可能となり、迅速な意志決定ができるようになる[1]。これにより無人機は、高脅威度空域において有人機の代わりに目標捜索と兵器の誘導を担当し、有人機は安全な空域から視認外目標に対する精密打撃を実施する体制が構築されるのである[1]。

有人機と無人機の経堂作戦の第一段階では、地上の管制局から無人機の管制を行い、有人機はデータリンクを介して無人機の情報を取得して後方から誘導兵器を発射。前線の無人機は地上のオペレーターの管制下でミサイルの誘導を行うという方式が採られるようになった[1]。

次の段階は、有人機が必要に応じて直接無人機の管制を担当するようになり、無人機に直接指示を送ってミサイルの誘導を遂行させたり、無人機が自身搭載する兵器による攻撃を命じることが可能となる。この段階を達成するには、双方向データリンクに無人機の指揮管制リンクを組み込む必要がある。これは現在、段階的に導入が進められているが、まだ完全には普及していない[1]。

その次の段階は、有人機が複数の無人機に対して同時制御を行う指揮管制システムの構築であるが、これには今以上に速い情報伝達速度と、人工知能の支援による意思決定の迅速化が不可欠になるので、技術的ハードルはさらに高いものとなる[1]。

【KVD-002と攻撃ヘリコプターの連携作戦について】
近年では、無人機と有人機による連携作戦能力の向上が各国で追及されており、2010年代に入るとアメリカ陸軍においてMUM-T(友人無人チーミング)コンセプトとして登場してくる[13]。そして、中国陸軍航空隊においても、同様の構想が進められており、演習において、無人偵察機と武装ヘリコプターの新たな連携戦術の実証が行われている。無人機が目標を探知・追跡し、Z-10Z-19といった攻撃ヘリコプターが発射したADK-10/AKD-9レーザー・セミアクティブ誘導ミサイルを無人機が中継誘導することで、視認外目標に対する超視距(BVR: Beyond Visual Range)攻撃を実施することに成功している[14][15][16]。

演習で使用されたBZK-006やKVD-001といった戦術偵察用UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人機)は、ヘリコプターと直接データリンクし、画像や目標情報を共有。これにより、視認外目標に対して悪天候下でも超視距・精密攻撃を可能にする「無人機・有人機協調戦術」 の有効性を実証した[14][15]。同様の連携は既に砲兵部隊でも実績があり、多様なプラットフォームと弾薬を組み合わせたネットワーク化戦闘能力の強化が進んでいる[15]。Z-10やZ-19では、これらの作戦に適合させるためのデータリンクシステムの実装と、射程の長いスタンドオフ兵器の運用能力の付与がなされている[17]。

これまでの演習で用いられていたBZK-006やKVD-001が、戦術レベルでの偵察任務にあたるUAVだったのに対して、KVD-002は戦域全体をカバーし、長時間にわたって滞空しながら、広範囲の監視、高価値目標の捜索・追尾が可能なうえに、他プラットフォームから発射されたミサイルの中間誘導・目標への誘導を担当するのみならず、自機に搭載した空対地ミサイルを用いて目標を打撃する能力も有する次元の違う能力を備えた機体となっている。数千キロの航続距離と長時間滞空能力、そして充実した各種センサーを搭載するKVD-002は、集団軍の作戦行動範囲となる500kmの縦深エリアの全域をカバーする監視・偵察能力を有するので、Z-10は、KVD-002と連携することで、その戦場認識能力を大きく向上させることが可能となる[3]。

2023年の天津国際ヘリコプター博覧会では、KVD-001と共に、KVD-002とZ-10が並んで展示された[17]。展示されたZ-10のテイルブーム上部には新たなデータリンク用のアンテナが追加され、KVD-002とのチーミング能力を示すものと考えられており、陸軍航空隊が有人-無人機協同作戦能力を新しい段階に進めていることを伺わせている[3][17]。特に、KVD-002の任務の中には、ヘリコプター編隊の護衛任務が含まれており、この任務では護衛対象のヘリコプター編隊と速度・高度・飛行経路での完全な同調が求められるが、このような複雑な指揮管制は地上局からのオペレーターでは不可能であるとされる[1]。唯一の解決方法は、編隊内のヘリコプターの一機による直接的かつリアルタイムの管制が解決方法であるとされている[1]。

KVD-002は、前線での偵察やミサイルの中間誘導・目標への誘導を担当するのみならず、自機に搭載した空対地ミサイルを用いて目標を打撃する能力も付与されており、攻撃ヘリコプターの管制によってKVD-002が対地攻撃を行うことも可能[17]。現在の戦場で攻撃ヘリコプターが生き残るためには、遠距離目標に対する「非接触、非直接照準」能力の向上が図られており、中国陸軍航空隊では射程の長いスタンドオフ兵器と無人機との連携を組み合わせることで、敵の防空圏から20〜30kmほど離れた空域からの視認外精密打撃を可能とすることで生残性を高めるアプローチを採っている[1]。これにより、野戦部隊に随伴する短距離防空ミサイルシステムの攻撃範囲の外からの精密打撃が可能となり、ヘリコプターの運用は安全かつ効率的になり、ロシア・ウクライナ戦争で見られるような超低空を高速で飛行して敵防空網の脅威を回避する方法を採らずに済むようになる[1]。

【今後の陸軍航空隊における無人機運用体制について】
KVD-002の導入により、中国陸軍航空隊でも本格的なMALE UAVの戦力化が開始された。

陸軍航空隊の中でMALE UAVがどのように位置付けられるか今後明らかになってくるが、予想としては各戦区傘下の集団軍中の陸軍航空旅に偵察・攻撃型UAV営/連(大隊/中隊相当)として配備される、もしくは、集団軍の無人機/偵察旅においてKVD-002を追加配備することが考えられている[3]。かつて、中国軍の報道において「無人機偵察連」について言及していたことを考慮すると、複数の無人機連からなる偵察・打撃一体型UAV営が編成される可能性が高いとの予測がなされている[3]。

MALE UAVを配備・運用している陸軍航空隊としてはMQ-1C「グレイイーグル」を配備しているアメリカ陸軍が存在するが、このようなMALE UAVを有効に機能させるには離着陸可能な航空基地に加えて、堅牢な指揮・管制システムと、充実した整備保障インフラを構築できるだけの体制を構築する必要があるので、米中以外の陸軍航空隊では見受けられないとされる[3]。

有人機と無人機の連携は、それだけにとどまらず、陸軍の戦闘車両を含む各ユニットを統合する大規模かつ包括的な情報システムの支援も必要とする。すなわり、KVD-002の導入は単なる無人機の採用に留まらない、陸軍全体の作戦指揮システムの再構築と拡張という大きな計画の一環であることを意味している[1]。このような情報インフラの刷新には高度な技術と莫大な投資が求められるため、この規模のシステムが導入できる国は必然的に限られてくる[1]。

ただし、既存のZ-10は6t級の中型攻撃ヘリコプターであるため、攻防速の各分野を満たしつつ、さらに情報システムを多数実装するだけのキャパシティがあるかどうかが課題になる。現在、実用化に向けて部隊での運用試験段階に入っている10t級の大型攻撃ヘリコプター「Z-21(仮称)」は、この将来の陸軍航空隊の有人機-無人機チーミングにおいて重要な地位を占めると推測されている[1]。

【参考資料】
[1]左明「陆军的“战力倍甦錙—KVD002察打一体无人机」『兵工科技—2023天津直博会专辑』2023.19(兵工科技杂志社/72〜75ページ)
[2]Chinese Military Aviation「KVD002/CH-4 Rainbow」https://chinese-military-aviation.blogspot.com/p/u...
[3]哈佛「中国陆航有人-无人协同作战能力—从陆军公开展示两款无人机说起」『兵工科技—2023天津直博会专辑』2023.19(兵工科技杂志社/87〜90ページ)
[4]Islamic World News「Military Knowledge: CH-4 Reconnaissance Combat Drone」(2021年12月16日) https://english.iswnews.com/21862/military-knowled...
[5]Airmaster Propellers「Rotax 914 propeller systems, high performance」https://www.propellor.com/rotax-914-2
[6]Army Recognition「Chinese CH-4 drone to get kerosene engine」(2018年12月19日)https://www.armyrecognition.com/archives/archives-...
[7]CHINA CAMD「KVD 002 Drone | Medium Altitude Long Endurance Drone」https://www.militarydronepro.com/kvd002-drone/
[8]Asian Military Review「China’s upgraded heavy fuel CH-4 UAV achieves first flight」(Jr Ng/2022年8月19日)https://www.asianmilitaryreview.com/2022/08/chinas...
[9]李浩 王奕「中国无人机集群起飞」『兵工科技甦 2008珠海航展专辑』(兵工科技杂志社/30〜36ページ)
[10]人民网「详解国产AR系列导弹:使“彩虹”无人机如虎添翼」(来源:人民网-军事频道/2018年11月8日)http://military.people.com.cn/n1/2018/1108/c1011-3...
[11]Oryx Blog - ジャパン「無残な結末:短命に終わったヨルダンの「CH-4B」UCAV飛行隊」(2023年6月17日)https://spioenkopjp.blogspot.com/2023/06/ch-4bucav... (元記事は2022年1月17日投稿)
[12]The War Zone「Only One Of Iraq’s Chinese CH-4B Drones Is Mission Capable As Other Buyers Give Up On Them」(JOSEPH TREVITHICK/最終更新日2019年8月13日)https://www.twz.com/29324/only-one-of-iraqs-chines...
[13]石川潤一「世界最新!米国の「AI戦闘支援無人機」『軍事研究2025年10月号別冊 有人機&無人機の新戦争  人間とAIが遂行する異次元の航空作戦』(ジャパン・ミリタリー・レビュー/2025年10月1日)124-133ページ(原載『軍事研究』2025年3月号)
[14]凤凰网「解放军苦练新战术,用无人机引导激光制导弹药,未来战争中将获得奇效」(兵工科技/2020年) https://mil.ifeng.com/c/81VSLSxpotw
[15]手机新浪网「解放军演练有人无人协同作战 武直10加装"战场天眼"」(来源:东方网·演兵场/2021年9月7日)https://mil.sina.cn/zgjq/2021-09-07/detail-iktzscy...
[16]哈佛「中国陆航有人-无人协同作战能力—从陆军公开展示两款无人机说起」『兵工科技—2023天津直博会专辑』2023.19(兵工科技杂志社/87〜90ページ)
[17]知乎「武直十出口巴基斯坦?不知道解放军能不能装备!」(阿涵本涵/ 2022年8月4日)https://zhuanlan.zhihu.com/p/549683590

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