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▼動画「共軍陸基方陣快砲 LD 3000 Ground Based Close-in Weapon System」0:00〜0:10にかけてLD-3000の牽引型の宣伝映像を見ることが出来る。


性能緒元(砲システムを中心に)
重量 
全長 
全幅 
全高 
武装11連装30丱トリング砲×1
最大射程5,000m(通常は1,500〜3,000mの範囲で射撃を行う)
センサーS347G型火器管制レーダー(EFR-1/Rice Lamp)
 捜索用レーダー(牽引型のみ。正式名称不明)
 レーザー照準機つき光学/電子/赤外線サイト
乗員 

LD-3000近接防空システム(陸盾3000、CS/SS2)は、2021年の珠海航空ショーで実物が展示された近接防空システム[1]。LD-3000のベースとなったのは海軍向けのH/PJ-11(1130型)30mmCIWS。海軍向けCIWSを地上配置型の防空システムに転用したのは、730型30mmCIWS(H/PJ-12)を基にした LD-2000近接防空システム(陸盾2000)と同様の開発手法を採っている。

2021年の珠海航空ショーではトレーラーにシステム一式を搭載した牽引タイプで登場したが、2022年の珠海航空ショーでは8輪トラックの荷台に砲塔を搭載して自走化したLD-3000が出現[2]。こちらはHQ-11対空ミサイルシステムと共に運用される「HQ-11汎用近接防御システム」として展示された[2]。

【LD-3000近接防御システム】
LD-3000は、通常、飛行場や指揮所、補給センターなどの重要目標の近接防空に用いられるほか、対空ミサイル部隊などと連携して重層的な防空コンプレックスの一部分を形成する[2]。輸出用名称としては「LD-3000 Ground-Based Close-In Weapon System」もしくは「CS/SS2型陸基近程防空反導武器系統」の二種類の名称が存在する[3]

最初に登場したLD-3000は、牽引用トラック、トラックに牽引される大型トレーラーに砲塔、旋回装置、発電機、制御管制システムを搭載した射撃ユニット、指揮管制車輛から構成される。射撃ユニットには捜索レーダーと追尾レーダーが搭載されており、外部からの情報に依存せず単独での防空戦闘を可能としている[1]。射撃の際には油圧式ジャッキで車体を持ち上げてプラットフォームとして安定化させる[1]。

前述の通り、LD-3000の砲塔システムはH/PJ-11(1130型)30mmCIWSを基にしている。11銃身のガトリング機関砲で毎分10,000発の発射速度を有し、毎秒166発の機関砲を打ち出す能力を有している。最大射程は5000mだが、通常は1500〜3000mの距離で射撃を行う[11]。弾倉は砲塔内部に二基設置されているのも1130型を踏襲している。

1130型では周囲を警戒する捜索レーダーは外部に依存しており、追尾レーダーと光学/電子センサーのみ搭載していたが、LD-3000では捜索レーダーとして小型フェイズド・アレイ・レーダーを装備。これは三次元レーダーであり目標の方位と高度を同時に算出できるようになった[1]。このレーダーを用いて目標を発見、そして追尾レーダーもしくは光学/電子センサーを用いて目標の追尾を行う自律的戦闘が可能となった。LD-3000は、同時に40目標を探知する能力を有している[1]。

【HQ-11ガン・ミサイル複合システム】
2022年の珠海航空ショーでは、車載化されたLD-3000が、HQ-11三軍統合対空ミサイルシステムとコンビを組んで運用される「HQ-11汎用近接防御システム」(中国語だと紅旗-11通用末端防御系統)として屋外展示された[2]。

対空砲と対空ミサイルを組み合わせて運用するのは、730型CIWSベースのLD-2000近接防空システム(陸盾2000)HQ-6A短SAMを組み合わせた「HQ-6Aガン・ミサイル複合防空システム」でも実用化済みであり、LD-3000とHQ-11の組み合わせもこれに倣ったものと言えるだろう。

射程に優れているが最低迎撃距離に難があり、弾数に制約がある対空ミサイルと、リアクションタイムが短く近距離のストッピングパワーに優れているが射程では限界がある機関砲を統合運用して、相互の問題点を補い合うことを意図したシステムである。

「HQ-11汎用近接防御システム」は、HQ-11自走対空ミサイル車、LD-3000の二輌で構成される。どちらも泰安TA-5450B型8×8重野戦トラックをシャーシとして用いている。このほかに対空捜索レーダー車が存在するという話もあるが、実車は未確認[11]。

HQ-11自走対空ミサイル車は車体中央部に伸縮式アームを設けており、その頂部に全周旋回式のAESAレーダーを搭載しており、このレーダーで捜索・追尾・ミサイル管制の三役を兼務する。伸縮式アームを伸ばすことで、捜索範囲を拡大させる。

車体後部には8連装ミサイル発射機が装備されており、走行時は荷台に置かれ、発射時には90度傾けて地上配置した状態で運用される。車体には四か所の油圧式ジャッキが設けられており、戦闘時には車体を浮かせてプラットフォームとしての安定性を確保する。HQ-11のミサイルは垂直に発射され、一定の高度に達すると任意の角度にミサイルが方向転換して目標に向かうので、ランチャーを旋回させる必要はない[11]。

搭載ミサイルはFM-3000の輸出名称で知られている[11]。FM-3000はアクティブ・レーダー誘導+セミアクティブ・レーダー誘導+無線指令誘導の複合誘導システムを採用しており、航空機のみならず巡航ミサイルや空対地誘導弾などの迎撃も可能[11]。実用最大射程は20km前後(30km台との数字も)と、とHQ-6A短SAMの15kmよりも延伸されている[11]。

「HQ-11汎用近接防御システム」におけるLD-3000は、こちらも泰安TA-5450B型8×8重野戦トラックをシャーシとして用いている。車体中央部には指揮管制システム、通信機器などを搭載しており、その直後に11銃身ガトリング機関砲を搭載した砲塔を配置している。牽引式LD-3000では、単独での戦闘を可能とするため捜索レーダーと追尾レーダーを搭載していたが、HQ-11との連携を前提とする自走式LD-3000では目標情報はHQ-11の捜索レーダーに依存するので自身の捜索レーダーは搭載されておらず、砲塔後部に追尾レーダーと光学/電子センサーを配置している。1130型CIWSでは、砲塔後部右側に光学/電子センサーを、左側に追尾レーダーを搭載していたが、自走式LD-3000では砲塔後部左側の追尾レーダーの左部に小型化された光学/電子センサーをマウントしている[11]。

「HQ-11汎用近接防御システム」は、特に近年その脅威が増している亜音速ステルス巡航ミサイルや今後種類を増やしてくる極超音速ミサイルに対する迎撃能力の向上を目指して開発された[11]。HQ-11は「近接防御システム」とあるように、多層式防空網の最終段階での目標迎撃を担うシステムで、これは着弾までのわずかな迎撃時間に確実に目標を撃墜する必要があり、そのためにはLD-3000の毎分1万発という高い発射速度は確実なストッピングパワーを提供することが期待されている[11]。

同システムは、陣地移動ができない高価値目標、すなわち軍事基地、飛行場、指揮センター、補給拠点、ミサイル発射陣地などの終末段階の防空を担当する。さらに、全システムが自走可能なため、必要に応じて野戦部隊に随伴して野戦防空任務に従事することも想定されている[11]。

【配備状況】
牽引式LD-3000については、アルジェリア軍で採用されたとの情報がある[4]。アルジェリア軍がLD-3000を導入した目的については、S-400地対空ミサイルシステムを防御する近接防空システムとして導入、非対称戦争における迫撃砲やロケット弾による奇襲攻撃への対処、などがあるものと推測されている。

中国軍では牽引式LD-3000、自走式LD-3000ともに採用の報はない。ただし、730型CIWSを陸上化したLD-2000が中国空軍の防空部隊で採用を勝ち得ていることから、LD-3000についても採用される可能性は高いものと思われ、今後の動向が注目される。

【参考資料】
[1]一休「火力密度再升级—首次亮相陆盾-3000末端防御系统」『兵工科技 2021.19 2021中国珠海航展专辑(下辑・室内展品)』(兵工科技杂志社)32〜35ページ
[2]听箭「最后一道防线--首次亮相红旗-11通用末端防御系统」『兵工科技 2022 . 23--2022珠海航展(上)』(兵工科技杂志社)90〜94ページ
[3]Youtube「共軍陸基方陣快砲 LD 3000 Ground Based Close-in Weapon System」(投稿日2021年10月16日)https://www.youtube.com/watch?v=yo1AysA9Jns
[4]今日头条「铠甲S1实战表现不佳 阿尔及利亚引进陆盾3000保护S400防空导弹」(2022年11月21日/小飞猪的观察) https://www.toutiao.com/article/716842459930935351...

【関連事項】
H/PJ-11(1130型)30mmCIWS
LD-2000近接防空システム(陸盾2000)

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