日本の周辺国が装備する兵器のデータベース



▼PL-11セミアクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル(主翼内側パイロン搭載)とPL-8赤外線誘導空対空ミサイル(外側パイロン)を搭載したJ-10A


性能緒元
全長3.89m
直径20.8cm
重量220kg
最大速度M4.0
射程40〜75km
誘導方式セミアクティブ・レーダー誘導
装備機種J-8D/H/FJ-10戦闘機(殲撃10/F-10)

1970年代末、中国の中央軍事委員会では各国で登場しつつあった第三世代戦闘機に対抗するため、開発中のJ-8II戦闘機(殲撃8B/F-8II/フィンバックB)に中距離空対空ミサイルによる全天候視認外攻撃能力を付与する事を決定した[1]。その要求に応じて上海機電第二局(現在の上海航天技術研究院)によって開発されたのが1988年に制式化されたPL-10空対空ミサイル(霹靂10)であった。しかし、その性能は空軍を満足させる物ではなく制式化は行われたものの量産は行われなかった[1]。

1980年代初め、中央軍事委員会は中距離空対空ミサイルの実用化の必要性と既存の国内技術の限界を踏まえて、当時良好な関係にあった西側諸国から中距離空対空ミサイルの技術導入を図り、それによって開発を促進する事を決定した[1]。検討の結果、イタリアのセレニア社(現アレニア社の一部門)が開発したアスピーデ空対空ミサイルの購入が決定された[1]。中国は1987年に試験・評価用として空中発射型アスピーデ・セミアクティブ・レーダー誘導空対空ミサイルを少数購入。その後、イタリアと中国の間でアスピーデのライセンス生産に関する協定が結ばれて、1989年初めには量産用のコンポーネントの中国への引き渡しが開始された[2]。しかし、同年6月4日に発生した第二次天安門事件を受けて、イタリア政府は中国へのアスピーデの輸出を差し止めた事によりライセンス生産計画は頓挫した。なお、中国がイタリアから入手したアスピーデの技術は、HQ-61艦対空ミサイル(紅旗61/571型/RF-61/CSA-N-2)の改良やHQ-64中距離地対空ミサイル(紅旗64/LY-60/猟鷹60)の開発に於いて重要な役割を果たしている[1][5]。

1990年代に入ると、上海航天技術研究院はアスピーデやHQ-61の改良などで得られたノウハウを元に新型の中距離空対空ミサイルを開発した。これがPL-11セミアクティブ・レーダー誘導空対空ミサイルである。PL-11のレーダーシーカーは、アスピーデと同様の改良型CWモノパルス・シーカーが搭載され、高い電子対抗手段(ECCM)能力を有し、信管にはレーダー近接信管が使用されていると推測されている[3]。PL-11はアスピーデと同じくミサイル中央部に4枚の切り落としデルタの全遊動式操舵翼があり、尾部に同じく4枚の純デルタの固定式安定翼を有している[2]。PL-11AAMは1992年頃からJ-8B戦闘機に搭載されて試験が行われ、1990年代中頃から評価試験を目的として空軍での試験運用が開始[2]。2002年に行われた最終評価試験では5発のPL-11が発射され、4つの標的を撃墜する事に成功している[1]。

PL-11はJ-8D/H/FJ-10戦闘機(殲撃10/F-10)での運用が可能とされる[4]。しかし、打ちっ放ち式のPL-12アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイルが実用化された事により、今後はPL-12に置き換えられていくものと推測されている[4]。

【PL-11派生型】
PL-11HQ-61A地対空ミサイルとアスピーデAAMの技術を基に開発された基本型。
FD-60PL-11の輸出型。
PL-11Aより大きな弾頭を備えた改良型。中間誘導は指令方式で終末段階のみ発射母機の管制レーダーから誘導を受ける。
PL-11BPL-11-AMRとも呼ばれる。AMR-1アクティブ・レーダーシーカーを搭載しており、誘導方式がアクティブ・レーダー誘導方式に変更されている。

【参考資料】
[1]中国武器大全「中国霹雳11中距空空攔射導弹」
[2]Chinese Defence Today「PiLi-11 Medium-Range Air-to-Air Missile」
[3]『ミリタリー選書8-軍用機ウエポン・ハンドブック』 2005年(青木謙知/イカロス出版)51頁
[4]Chinese Military Aviation「PL-11 (courtesy of V & d) 」
[5]Chinese Defence Today「HongQi 64 (LieYing 60) Surface-to-Air Missile System」

中国空軍
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