日本の周辺国が装備する兵器のデータベース





性能緒元(S-2T)
空虚重量7,613kg
最大離陸重量12,684kg
全長13.26m
全幅22.12m(主翼折畳み時は8.33m)
全高5.07m
エンジンギャレットTPE−331-15AWターボプロップエンジン(1,645shp)×2
最高速度532km/h
巡航速度333km/h
航続距離1,852km
滞空時間8〜9時間
最大搭載重量2,682kg
武装MK46対潜魚雷×2
 対潜魚雷。爆雷 無誘導ロケット弾など
乗員4〜5名

S-2T「ターボトラッカー」の前進は、アメリカ海軍の要求に応じて1950年代初めにグラマン社(現ノースロップ・グラマン)が開発したSF2「トラッカー」(のち米海軍の命名規則の変更に伴いS-2Aに改称)である[1]。同機は空母での運用を前提としたコンパクトなレシプロ双発の対潜哨戒機であるが、レーダーや次期探知装置(MAD)、音響探知機、サーチライトなど対潜哨戒に必要な各種センサーと魚雷やロケット弾などの対潜兵装を標準装備して、対潜哨戒と攻撃を一機で遂行することが可能な当時としては画期的な能力を有する機体であった[1][2]。アメリカ海軍だけでなく世界各国に輸出されており、日本の海上自衛隊でも1983年まで配備されていた[2]。

1965年10月1日、台湾空軍では対潜哨戒能力強化のために空軍司令部に直属する第六作戰聯隊に対潜哨戒を任務とする対潜飛行中隊(「反潜中隊」)を編成し、同部隊で運用する機体として1967年2月2日にS-2A「トラッカー」10機をアメリカから受領している[3]。同部隊は1968年4月1日にIOC(initial operating capability:初期作戦能力)を確保した。1977年6月16日(76年4月説もある)には、S-2Aの代替機として16機のS-2Eを受領、対潜飛行中隊を退役したS-2Aを以て2つめの対潜飛行中隊である第34飛行中隊が編成されている[3]。76年8月には聨隊名が第四三九運兵反潛(輸送+対潜)混合聯隊に改称され、対潜哨戒任務が正式に部隊名に取り入れられた[3]。1979年2月には対潜飛行中隊が対潜飛行大隊(反潜大隊)に拡大され、大隊の隷下に第33、34両飛行中隊が配属された。これと同時期に新たに18機のS-2Eの購入が開始されている。1986年11月24日からはS-2シリーズの最終生産型であるS-2Gの購入が開始された。

1980年代末からS-2E/Gのアップグレード作業が開始され、アビオニクスの近代化やターボプロップエンジンへの換装が実施された[4]。近代化計画では、まず2機のS−2Gが米ノースロップ社で改修を実施、その後台湾に送られた改修用キットを使用して現地で近代化を実施する予定であった。改修機は新たにS-2T「ターボトラッカー」と命名され1992年10月15日から部隊配備が開始された。当初は32機のS-2E/GをS-2T仕様に近代化する予定であったが、アップグレード作業の受注について不正疑惑が生じたため、改修されたのは合計27機に留まった[4]。S-2Tへの装備改変は1993年7月1日に完了した[4]。

1990年代後半、台湾国防部では台湾軍の大規模な再編整備に着手したが、その一環として空軍の対潜哨戒機大隊を台湾海軍に移管することが決定された[4]。1999年7月1日、第33、34対潜飛行中隊は海軍第1航空大隊隷下の第133、134対潜飛行中隊に改変されることとなった[4][5]。ただし、部隊は海軍に移管されているが、航空機のメンテナンスは空軍が引き続き担当している[5]。

台湾海軍では26機のS-2Tが在籍しているが、機体の老朽化に加えてスペアパーツの調達にも支障を来たすようになっており、2006年には稼働率は5割程度にまで低下していることが報じられている[6]。台湾海軍ではS-2Tの後継としてアメリカから12機のP-3C対潜哨戒機「オライオン」を導入することを決定しているが、同機の配備が進むまではS-2Tの運用を継続せざるを得ない状態にある。

2013年7月1日、台湾空軍の第439連隊に新たに対潜作戦大隊(中国語では反潜作戦大隊」)の編制式典が行われた[7]。これまで海軍で運用されていた11機のS-2Tは、同部隊に移管・運用される事になる。今回の措置は、S-2Tを空軍の統一指揮の下で運用する事で部隊の指揮効率の向上を達成するのが目的。

S-2T部隊は桃園基地に展開しているが、空港の拡張工事に伴い屏東基地に移転する[7][8]。年末にはP-3C対潜哨戒機の導入が行われるので、P-3C部隊の運用開始に合わせてS-2Tの運用を終了する予定[8]。

2013年11月1日、台湾空軍は11機が現役のS-2Tについて、2017年をもって運用を終える事を明らかにした[9]。退役機のエンジンやコンポーネントは民間団体や学校に対して展示や教材として提供される。

【参考資料】
[1]Grumman S-2 Tracker homepage「History of the Tracker and its cousins」
[2]コーエー出版部『自衛隊装備名鑑1954〜2006 (ミリタリーイラストレイテッド)』(光栄/2007年5月)190頁
[3]Yahoo!奇摩部落格-落霞與孤騖齊飛,秋水共長天一色「萬子清空軍退役少將訪談 (C-119 運輸機換裝歷史)」(2010年7月28日)
[4]TaiwanAirPower.org「ROCN Northrop Grumman S-2T Turbo Tracker」
[5]Global Security「Republic of China Naval Aviation Command」
[6]中國網「機齡老化嚴重 台灣S-2T反潛機妥善率僅50%」(2005年6月28日)
[7]Yahoo!奇摩部落格 - 中華台灣福爾摩沙國防軍「空軍反潛作戰大隊編成 守護臺海安全 」(2013年7月3日)
[8]NOWnews 今日新聞網「服役半世紀 S-2T反潛機年底除役」(呂烱昌/2013年7月3日)
[9]TAIPEI TIMES「President hails P-3C patrol aircraft」(2013年11月1日)

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