日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


HY-1対艦ミサイル(海鷹1/CSS-C-2 Silkworm)


▼051型(旅大型)駆逐艦「桂林」から発射されるHY-1


性能緒元
全長6.6m
直径76cm
重量2,300kg
弾頭重量513kg(HE)
最大速度マッハ0.8
射程85km
誘導方式アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種 

HY-1はSY-1の改良型として1983年から開発が始まった。1985年9月に旅大型駆逐艦の開封(#109)から実射テストが行われ、4発全弾が命中(うち2発は直撃)した。これにより1986年から制式兵器として生産が開始され、主に旅大型駆逐艦に装備された。現在はより新型のYJ-8対艦ミサイルに置き換えられ、SY-1は徐々に退役が進んでいる。

HY-1用の艦載目標補足レーダーは352型(Square Tie)で、352型レーダーから得られた目標データは戦闘システムの991型(ZKJ-4A)若しくはZJ-7Aを経由してHY-1に送られる。HY-1はLM-1A型アクティブ・レーダーを弾頭部に装備している。LM-1Aは3cmのマイクロ波レーダーで8つのチャンネルを持っており、同時に8発発射してそれぞれが同一目標を攻撃する事が可能で、飽和攻撃能力を有している。テストでLM-1Aレーダーは850t級の艦船を12.6km、2,000t級の艦船を19km、旅大級駆逐艦(3,600t)を33kmで補足した。1983年3月には中国国産のECM装置(954-I型及び981-I型)の電波妨害下で実射テストが行われ、LM-1Aレーダーが高ECM下でも有効に作動する事が確認されている。HY-1は263型電波高度計を装備しており、SY-1よりも低い海面上15mの高度を巡航する事が出来る(LM-1Aが目標を補足した跡は8mまで降下する)。またシーステート6(波高3〜5m)の状況でも問題なく発射する事が可能。これによりSY-1を搭載した旅大級駆逐艦はあらゆる状況下で対艦戦闘を行うことができるようになった。SY-1の統制に用いられるZJ-7A戦闘システムは自動で60目標を同時に処理・追跡する事ができる。

SY-2対艦ミサイル(上游2/FL-2/飛龍2/CSS-N-3 Seersucker)

▼SY-2。ミサイル下部に搭載されているのは発射用ブースター

▼SY-2の輸出向け派生型FL-2(飛龍2)


性能緒元
全長6.0m
直径54cm
重量1,720kg
弾頭重量365kg(HE)
推進装置固体ロケットモーター
最大速度マッハ0.9
射程50km
誘導方式アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種 

SY-1対艦ミサイルの改良型の開発は1970年から始まった。SY-1と同じ液体燃料ロケット型の発射試験は1975年11月に行われて成功し、目標を狙った実射試験も1980年12月に成功した。しかし、その後中国海軍は対艦ミサイルの動力を液体燃料ロケットから固体燃料ロケットに移行させる事にしたため、このタイプの対艦ミサイルの開発は中止された。

これとは別に固体燃料ロケットを動力とするSY-1の改良型の開発が1977年11月から始まり、中国の第8次5ヵ年計画の中で最も重要度の高い計画とされた。SY-1からの改良点は固定燃料ロケットを装備する事、射程距離を延ばす事、飛行速度をより高速にする事などとされ、1986年9月に行われた最初の飛行試験は無事成功した。しかし続いて1987年6月に行われた洋上での試験では、固体燃料ロケット・エンジンの不良により失敗してしまう。同年12月に再び洋上での試験が行われ、発射された7発のうち6発が目標に命中しテストは成功に終わった。1991年から中国海軍への配備がはじまり、旧式のSY-1と入れ替えられた。1990年代中頃には射程距離が130kmまで延び、固体燃料ロケットに換えてターボジェット・エンジンを装備したSY-2Aが開発されている。情報によるとSY-2AはGPSを内蔵しており、地上攻撃用巡航ミサイルとしても使用される可能性があるという。

HY-2対艦ミサイル(海鷹2/C-201/CSS-N-5 Sabot)



性能緒元
全長7.36m
直径76cm
重量3,000kg
弾頭重量513kg(HE)
最大速度マッハ0.9
射程95km
誘導方式アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種 

HY-2(C-201)対艦ミサイルはSY-2の改良型で、胴体を延長して燃料搭載量を増やし、射程がSY-1より若干延びている。1970年に行われたテストでは7発が発射され、その内6発が目標に命中した。テストの成功を受けて中国海軍はHY-2の量産を決定し、HY-1を置き換える形で配備が進められた。HY-2はC-201の輸出名で世界中に売られ、1987年10月にはイラクが発射したC-201によりアメリカ国籍のタンカー2隻が撃破されている。

HY-4対艦ミサイル(海鷹4/C-401/CSS-C-7 Sadsack)



▼XW-41


HY-4性能緒元
全長7.36m
直径76cm
重量2,000kg
弾頭重量513kg(HE)
最大速度マッハ0.83
射程220km
誘導方式アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種 

中国は1970年代末にHY-2をベースにした新しい対艦ミサイルHY-4(C-401)の開発を始めた。HY-1及びHY-2は液体燃料を使ったロケット・エンジンだったが、HY-4はそれをターボジェット・エンジンに換装、更に新型の高周波アクティブ・レーダー・シーカーを装備した。HY-4は陸上発射型のみで、艦載型は開発されていない。

XW-41はHY-4の改良型で射程距離が300kmまで延伸されており、GPSを装備して誘導精度が高められている。

FL-7対艦ミサイル(飛龍7)



性能緒元
全長6.6m
直径54cm
重量1,800kg
弾頭重量365kg(HE)
最大速度マッハ1.4
射程32km
誘導方式アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種 

中国は液体燃料ロケット型のSY-2(上欄参照)をさらに発展させ、超音速対艦ミサイルとして完成させた。このミサイルはFL-7(飛龍7)と呼ばれ、1999年の北京軍事パレードで初めて公開された。FL-7はそれまでの中国製超音速対艦ミサイル(HY-3)と比べてかなり小型化・洗練化されている。液体燃料ロケットによりマッハ1.4まで加速し射程距離は約30kmで、艦載型は開発されておらずもっぱら地上の発射器で運用される。中国はロシアからより近代的な3M80超音速対艦ミサイルを導入したため、FL-7もHY-3と同様に、広く配備される事は無いだろう。

YJ-6/YJ-61/YJ-63対艦ミサイル(C-601/CAS-1 Kraken)



YJ-6性能緒元[2]
全長7.36m
最大直径760m
翼幅2.4m
重量1,740kg
弾頭重量513kg(HEAT)
最大速度マッハ0.78
巡航高度25m
射程120km[1]もしくは150km[3](有効射程110km[3])
誘導方式慣性航法誘導(中間段階)+アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種H-6D

YJ-61性能緒元[2][3]
全長7.36m
最大直径760m
翼幅2.4m
重量1,740kg
弾頭重量513kg[2]、資料[3]だと400kg
最大速度マッハ0.78〜0.8
巡航高度25m
射程125km[2]。資料[3]だと最大射程200km、有効射程150km
誘導方式慣性航法誘導(中間段階)+アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種H-6D/H-6G

YJ-63性能緒元[1][2][3]
全長7m
最大直径760m
翼幅2.4m
重量2,000kg
弾頭重量500kg
エンジンWP-11ターボジェットエンジン
最大速度マッハ0.7
巡航高度7〜1,000m
射程180km[2]。資料[1]だと200km
誘導方式慣性航法誘導(中間段階)+アクティブ・レーダー誘導(終末時)
装備機種H-6G

YJ-6(輸出名称はC-601)はHY-2の空中発射型で、H-6D爆撃機の主翼下に合計2発搭載される。

YJ-6の総重量は2,000kgと空対艦ミサイルとしては大型で、海軍航空隊でYJ-6が搭載できるのはH-6爆撃機意外に存在しなかった。YJ-6の開発当時、中国には対艦ミサイルに搭載可能な小型ジェットエンジンの技術的蓄積が十分でなく、従来型の液体燃料ロケットモーターを使用せざるを得なかったことがサイズの大型化につながったとのこと[3]。YJ-6の最大射程は資料[2]だと120km[2]。資料[3]では飛行コースをすべて高空飛行すれば150kmの射程が可能だが、実際の有効射程は110kmとの数値を出している。いずれにせよ、1970〜80年代当時の艦対空ミサイルの射程圏外からのスタンドオフ攻撃能力が可能であった。対艦攻撃の際には、H-6D爆撃機の機首下部レドームに搭載されたHL-4洋上捜索レーダーで目標を探知、その情報に基づいてYJ-6を投下・攻撃を実施する。中間段階では慣性航法装置で誘導が行われ、終末段階ではミサイルの先端に搭載されたレーダーで目標を探知・誘導するアクティブレーダ誘導方式で目標に命中する。レーダーはX波単モードパルスドップラー式で、最大探知距離は15km。電子妨害への対抗回路も付与され、標準的な電子妨害下の状況においても、98%の目標捕捉率と、90%以上の命中率を確保しているとされる[3]。弾頭部は513kgの重量を有しており、搭載された成形炸薬弾は1000mmの鋼板を貫通可能なメタルジェットを形成することで、装甲を備えた艦艇への打撃力が強化されている[3]。

H-6Dは1981年に試作機が完成、1986年から海軍航空隊への配備が開始された。また、4機のH-6DとYJ-6が1986年にイラクに輸出され、イラン・イラク戦争でタンカー攻撃に投入されている。H-6Dは、2t近い重量のYJ-6を2発搭載すると、機内燃料を20%減らす必要があり、作戦行動半径は2000kmから1500kmに低下した[3]。YJ-6とH-6Dの組み合わせは、中国海軍にとって初の空対艦ミサイル装備の洋上攻撃手段となったが、1980年代当時は洋上攻撃手段自体の需要が低かったことに加え、改革開放による経済発展優先の時代背景も影響して、H-6Dの生産は21世紀初頭までの約20年間で30機程度と少数生産に留まった[3]。

中国海軍では、艦対空ミサイルの進歩やYJ-6の使用状況を反映してYJ-6の発展型の開発を計画。発展型「YJ-61」は射程を200kmと倍増して、エリアディフェンス防空ミサイルの域外からの打撃能力を確保することが要求された。要求に対応するため、使用する液体燃料の高性能化と、弾頭重量を400kgに減量する軽量化が図られ、最大射程200km、有効射程150kmの性能を確保した[3]。終末誘導用レーダーにも改良が加えられ、電子妨害に対する抗湛性改善が図られた[3]。

YJ-61の実用化の後、中国の小型ジェットエンジン技術の成熟を受けて、液体燃料ロケットモーターに換えてターボジェットエンジンを採用したYJ-6の発展型開発が決定された[1]。開発では動力系統の一新と、ミサイルの軽量化が図られたとされる[1]。(ただし、資料[2]だとミサイルの重量は2,000kgとYJ-61よりも増加している)。被発見率低下のためシースキマー性能が強化され、巡航飛行高度はYJ-6/YJ-61の25mから7mと大幅に低い高度での飛翔が可能となった[2]。ジェット化されたYJ-6改良型は「YJ-63」という制式名が付与された。YJ-63は2018年現在でも現役装備として運用が継続されている[1]。

KD-63空対地ミサイル(空地63)

YJ-63をベースに開発された射程200kmの空対地ミサイル。H-6爆撃機の翼下に搭載される。詳細はKD-63空対地ミサイルを参照。


【参考資料】
艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社)
Chinese Defence Today
中国武器大全
[1]新浪网-军事「中国海军又甍貳森卻賤器 轰6J导弹轰炸机列装部队」(2018年10月13日)https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2018-10-13/doc-i...年10月14日閲覧)
[2]顾伟欣「中国反舰导弹全谱」(『现代舰船』2017-23/《现代舰船》雑誌社)13〜14ページ
[3]银河「作战需求的变革-浅析中国海军空基对海打击力量的建立与更新」『舰载武器』2014.10(中国船舶重工业集团公司/18〜29ページ)19〜20ページ

SY-1艦対艦ミサイル(上游1/FL-1)
中国海軍
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