日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼動画「首次近距离揭秘!中国空军飞行员大赞苏-35战机 | 小央视频」中国空軍に配備されたSu-35Sに関する動画


性能緒元
空虚重量17,000kg
通常離陸重量25,300kg
最大離陸重量34,500kg
全長21.90m
全幅15.30m
全高5.90m
エンジンサチュルン/UFA 117S(ドライ86.3kN、A/B 142,2kN)×2
最大速度M2.25
航続距離853nm/2,492nm(増倉使用時のフェリー航続距離)
実用上昇限度18,000m
海面上昇率16,800m/min
荷重制限+9G
兵器搭載量8,000kg
ハードポイント12箇所
乗員1名

武装
 RVV-SDアクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル(R-77-1)
 R-77アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル(AA-12アッダー)
 R-27中距離空対空ミサイル(AA-10 Alamo)シリーズ
 RVV-MD赤外線誘導空対空ミサイル(K-74M)
 R-73赤外線誘導空対空ミサイル(AA-11 Archer)
 Kh-59テレビ誘導中距離空対地ミサイル(AS-13 Kingbolt)
 Kh-29テレビ誘導短距離空対地ミサイル(AS-14ケッジ)
 Kh-31A空対艦ミサイル(AS-17 Krypton)
 KAB-500Krテレビ誘導爆弾
 各種爆弾/ロケット弾

Su-35Sは、スホーイ設計局が開発したSu-27戦闘機に全面的な能力向上を施して開発された多用途単座戦闘機[1]。NATOコードネームはフランカーE[1]。

スホーイではSu-27をベースとして様々な能力向上型の研究開発を進めていたが、2003年11月にはそれまでの能力向上改良型をさらに発展させたタイプの計画を発表[1]。この発展型は当初、Su-35BMと命名されていた。BMとはロシア語の大幅改修という意味のキリル文字をアルファベットに置き換えた際の頭文字である。その後、BMの略号は取り外され、量産型ではSu-35Sと命名されることとなった[1]。

Su-35Sの試作機は2008年2月19日に初飛行に成功[1]。当初、Su-35Sはスホーイの自社資金での開発が続いていたが、ロシア国防省が次世代戦闘機PAK-FA(後のSu-57)を補完する戦闘機としてSu-35Sに着目。2009年にはロシア空軍から48機の発注を受け、2015年までに全機引き渡された[1]。2015年12月には50機が追加発注され、合計機数は98機となった[1]。

【機体構造】
Su-35SはSu-27の基本機体フレームを引き継いでいるが、内部構造には大きく手が加えられ、機内燃料容量はSu-27の9tから11tへと20%程度増加させることに成功している[1][2]。運動性能の向上や高迎え角での飛行を可能とするため機体の軽量化技術が導入され、炭素繊維複合材量や新合金の使用範囲が拡大されている[1]。ただし、一次構造部への適応はされていない模様で、主翼前縁フラップや降着装置扉への使用に限定されている[1]。機首部は搭載レーダーのアンテナの大型化に伴い、わずかにサイズを大きくしている[1]。機体構造の軽量化と強度向上により、機内に燃料9tを搭載した状態でも最大荷重制限8Gでの機動が可能となった[2]。さらに機体寿命の延長も図られているのが特徴で、Su-27の初期型だと2000時間、後期型やSu-30などだと3000時間だったものがSu-35Sでは西側第四世代戦闘機に近い6000時間にまで伸びている[2]。これは寿命中オーバーホールを行うことで8000時間にまで伸ばすことが可能[2]。

Su-35Sは飛行操縦装置を、アビオノキアKXU-35四重デジタル飛行操縦装置に変更KXU-35は、それまで別系統になっていた失速警報や制限機能などを統合化し、さらに新たな飛行制御側が組み込まれたことで、Su-30MKIや最初のSu-35では採用されていたカナード翼が廃止された[1]。カナードを廃止したことにより、300kgほどの重量軽減につながったとのこと[2]。胴体背部に設置されていた大型のエアブレーキも廃止され、垂直安定板後端の方向舵の作動によりその機能を代替した[1]。

エンジンはそれまでのAL-31Fから、推力増加型の117Sに変更された。これにより最大推力は122.6kNから144.2kNに向上[1]。ロシア系エンジンはエンジン寿命の短さが特徴であったが、117Sはその点でも改善が図られており、AL-31Fと比較すると運用寿命で1500時間から2500時間に、オーバーホール間隔で500時間ごとから1000時間ごとへと、どちらの点においても寿命延長が実現している[2]。基本型ではエンジンノズルは通常型であるが、ユーザーの要望に応じて推力偏向式排気口の装備も可能。インド空軍に採用されたSu-30MKIの場合、推力偏向式排気口の寿命は80〜100時間だったが、Su-35Sの場合は300時間までの運用が可能[2]。Su-35Sのエンジン制御システムは完全デジタル化されており、飛行制御システムと火器管制システムと統合化されており、飛行・火器管制・エンジン制御が一体化したシステムを構築している[2]。

機首左舷には引き込み式の空中給油プローブが標準装備され、毎分1,100Lの流量で空中給油を受けることが可能となった[1]。Su-27は機外増倉の搭載は想定していなかったが、Su-35Sは増加燃料タンク二本の搭載を可能としている。Su-35Sは、最大11tの機内燃料を搭載して3600kmの航続距離を有しており、2200Lの増加燃料タンク二本搭載で航続距離を4400kmにまで延伸することが可能。また、機内燃料のみ空中給油を一度受けることで、5200kmの飛行をこなすことが出来るとされる[3]。

【アビオニクス】
Su-35Sのアビオニクスは、部分的にスホーイが開発中だった第五世代戦闘機Su-57の技術がフィードバックされ、探知距離や情報化などの分野で高い能力を備えているとされる[2]。

Su-35Sは、ティホミロフNIIP「イルビスE」電波探知システムを搭載している[4]。同システムは、N135多機能パッシブ電子スキャンアレイ(PESA)レーダーとキビニーM対電子対策装置から構成される[4]。N135は、インド空軍向けSu-30MKIが搭載したN011M「バーズ」PESAレーダーの発展型であり、性能や技術的完成度を増したものとされる[2][4]。Su-30シリーズのレーダーは上部に蝶番のついたレドームだったが、Su-35Sのレーダー・アンテナは、取り外し可能なレドームに格納されている[4]。同レーダーは、左右及び上下それぞれ60度のレーダー視野角を有し、さらにアンテナ全体を油圧システムにより作動させる能力を備えており、これを利用することで視野角をさらに広げることが出来る[1]。N011M「バーズ」と比較した際の「イルビスE」の利点は、広域帯の運用周波数、アンテナの改良と二段階送信による水平角+/-125度の大きな捜索域、強化された発信機による探知距離拡大、妨害に対する強い抵抗性にあるとされる[4]。

「イルビスE」は、空対空モードの場合、レーダー反射断面積(RCS)3屬量槁犬髻対進状態で350〜400km、追跡状態でも90kmの距離で探知が可能[1]。同時に30目標を追跡し、打ちっぱなし式のR-77を用いた場合は同時に8目標との交戦が、セミ・アクティブ・レーダー誘導方式のR-27を用いた場合でも2目標と同時抗戦する能力を有している[4]。空対地モードでは、地形マッピング、ドップラー・ビーム・シャープニング、合成開口レーダーなどのモードがあり、こちらも4目標を同時追尾しつつ2目標を攻撃し得る[1]。また、地形追随モードでは、その情報を飛行操作支援に加えて用いることが出来る[1]。

キャノピー前面右部にはOLS-35赤外線捜索追跡装置(IRST)を装備しており、OLS-35にはレーザー測距/目標指示装置やテレビ・センサーも組み込まれている[1]。Su-35Sは、OLS-35を用いることでレーダー波を発することなく、目標の補足と追跡、誘導兵器への目標指示などを行うことが可能となっている[1][2]。

前述の通り、Su-35SのアビオニクスはSu-57の技術がフィードバックされており、それにより発展性と冗長性が高くとられたものとなっている[2]。高速データパスで結ばれたレーダー、IRST、FCS、飛行制御システム、航法システム、情報管理システム、データリンクシステムなどが統合化された一つのシステムとして機能して、高い統合化と信頼性を獲得している[2]。現代の戦闘機は各種センサーから伝達される大量の情報を処理して、自動で目的に応じた情報処理を行うセンサーフュージョン能力が不可欠になっているが、Su-35Sでもこの能力は重視されており、各種情報を処理統合してパイロットが最適な操作をし得るように加工・提示することが出来る[2]。また、データリンク機能を用いて僚機との間で情報共有する機能を有しており、最大16機のSu-35Sが距離300〜500kmの間でそれぞれのレーダーで警戒を行い、得られた情報を共有することでAWACS不在の状況においても広域哨戒を実施することが可能となっている[2]。データリンク機能を活用することで、僚機からの目標情報に従って、自機はレーダーを作動させること無く目標にミサイルを発射することで、相手に対して奇襲効果を発揮するなど、柔軟な運用を可能とする[2]。

コクピットは4基の23×35cmのカラー多機能表示装置とヘッドアップディスプレイを主体としたグラス・コクピットであり、操縦桿は中央配置[1]。座席にはズベズダK-36D-3.5ゼロ・ゼロ射出装置が用いられている[1]。

Su-35Mの電子戦システムはレーダーシステムと統合化されたL256M10R「キビニーM」対電子対策装置[4]。同システムは、偵察と対電子戦装備であり、標準HF帯を使用する「キビニーM」システムの一部は機内に搭載され、必要に応じて中波帯(E-G)でのシステムの能力を強化するため翼端パイロンに電子戦ポッドを二基搭載する[3][4]。これは全方位からのレーダー信号を探知して、方位・位置を分析し、適切な電子妨害を行う能力を有している[3]。

自己防御システムとしては、電子光学偵察(SOER)ミサイル発射/接近警戒システムとレーザー波警告システム、そしてL150-35「パステル」レーダー波警戒レシーバーを採用している[4]。SOERは、中波赤外線センサー6基を機体各部に搭載して全周からのミサイル接近に対処する[2][4]。レーザー波警告システムは前部胴体側方に2基を搭載し、30kmまでの距離からの航空機のレーザー追尾を行う[4]。良好な気象条件下において、携行地対空ミサイルであれば10km、空対空ミサイルであれば30km、大型の地対空ミサイルであれば50kmの距離で警報を発する能力を有しているとされる[2]。このほか、テイルブーム内に合計6組のUV-50チャフ/フレアディスペンサー(合計84発のチャフ/フレアを収納)を内蔵しており、赤外線誘導ミサイルやレーダー誘導ミサイルに対する妨害に用いる[3]。

【兵装】
Su-35Sは12か所のパイロンに最大8,000kgの各種兵装の搭載能力を有している[1]。翼端パイロンは通常は電子戦ポッドの搭載箇所となるので、残り10か所に兵装を搭載する。

空対空戦闘では、打ちっぱなし攻撃が可能なR-77アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル(AA-12アッダー)、セミ・アクティブ・レーダー誘導方式と赤外線誘導方式の二系統が存在するR-27中距離空対空ミサイル(AA-10 Alamo)シリーズ、接近戦で用いられる R-73赤外線誘導空対空ミサイル(AA-11 Archer)などを搭載[1]。中国軍のSu-35Sは、R-77の改良型R-77-1の輸出版RVV-SDと、R-73の改良型K-74Mの輸出版RVV-MDを搭載しているのを指摘されている[5]。Su-35Sの輸出に合わせて240発のR-77が中国に輸出されているが[6]、これもRVV-SDであると推測される。なお、Su-35Sは射程が200kmから最長で400kmに達する長射程BVR-AAMであるR-37M(輸出名称RVV-BD)の運用能力も備えているが、同ミサイルが中国に引き渡されたか否かは不明[4][7]。

胴体中心線上の二箇所のパイロンは並列パイロンとしてR-77を合計4発搭載できるので、翼端パイロンに電子戦ポッドを積んだ状態でも、合計12発の空対空ミサイルの搭載が可能[3]。

空対地/空対艦戦闘の場合は、Kh-59テレビ誘導中距離空対地ミサイル(AS-13 Kingbolt)Kh-29テレビ誘導短距離空対地ミサイル(AS-14ケッジ)Kh-31A空対艦ミサイル(AS-17 Krypton)、KAB-500Krテレビ誘導爆弾といった各種精密誘導兵器のほか、通常爆弾やロケット弾などを用いる[1]。

固定武装としては右主翼付け根前縁延長部にGsh-30 30mm機関砲一門(弾薬150発)を内蔵している[1]。

【導入の経緯】
ロシアと中国の間では、2008年からSu-35Sの輸出に関する話し合いが開始されたとされる[8]。2008年段階では、中国空軍ではSu-30MKKが最新の戦闘機であり、J-20J-16J-10CJ-11BGといった戦闘機はまだ配備できる段階にはなかった。そのような状況では、ロシア最新の戦闘機であるSu-35Sは、中国空軍の作戦能力を迅速に向上させて、米軍をはじめとする中国周辺国の戦闘機近代化による戦力ギャップを埋める可能性を有する存在であった[8]。そして、高出力な117Sエンジンや統合型アビオニクスといった先端技術を実装したSu-35Sを運用することが出来れば、中国の航空産業にとって貴重な経験となることが期待されていた[2]。

しかし、ロシアと中国の間では導入機数をめぐって大きな隔たりが存在した。ロシア側ではできれば48機、最低でも40機の導入を希望したのに対して、中国側はSu-35Sはストップギャップ目的での導入のため、そこまでの機体数は必要としていなかった[8]。また、ロシア側の懸念としては、中国側がSu-27SK戦闘機をリバースエンジニアリングした上で独自改良を加えて J-11B戦闘機を製造した事への警戒感も拭われていなかったことも、交渉を長引かせる要因となった。

最終的に2013年にまとまった契約では、24機のSu-35Sを中国が輸入することで妥結した[8]。合わせて、リバースエンジニアリングによりコピー生産を行う事を禁止することも取り決められた[1]。中露両国が正式に契約に調印したのは2015年11月となり、契約総額は20億ドルとなり、一機当たりの価格は8300〜8500万ドルとなった[8]。中国向けのSu-35Sは、ロシア語で「中国」を表す「Китай」の頭文字をとって、Su-35SKと呼ばれることもある。同機は中国での運用を前提に、中国製の装備と兵器に適応させるためいくつかのアンテナが変更されているのが相違点であるとされる[4]。具体的な相違点としては、ナビゲーションシステムに中国の「北斗」衛星位置測定システムを対応させた点が挙げられている[9]。ただし、コクピットの表示については中国語表示にすることが検討されたが、ディスプレイの大型化を含む大規模な改修が必要との結論に達したことから、原型のロシア語表示のままとされた[9]。中国がSu-27SKを配備した時もディスプレイ表記はロシア語のままだったが、Su-35Sもそれを踏襲することになったのである[9]。

Su-35Sの引き渡しは2016年に開始され、2018年11月までに全機引き渡しを終えている。Su-35Sは南部戦区空軍の空軍第二師所属の第六戦闘旅団にSu-30MKKとの混成部隊として配属され、広東省湛江市水渓県の基地に展開している[10][11]。同部隊は2022年末にはJ-16の配備も行われ三機種構成配備となっている[11]。部隊の主力機は24機のSu-35Sで、10機以下が配備されているSu-30MKKはSu-35Sと同系列の戦闘機でどちらもロシア製の機体であることから、複座型という特性を生かして単座型しかないSu-35Sのパイロットのための訓練を担当しているものと見られている[11]。ロシア空軍もSu-35SとSu-30SMを組み合わせて後者を訓練任務に使用しており、同じ手法を中国空軍も採用したことになる[12]。

2022年末に配備が開始されたJ-16は、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーや多様な兵器搭載能力を生かして、第六戦闘旅団の進行能力を強化することを意図した配備だと推測されている[11]。J-16は最初から中国軍で使用されるデータリンクに対応しているので、J-16と組み合わせることで外国製機であるSu-35Sを中国空軍内で運用する上での指揮命令系統上の問題の解消を意図した可能性もある。

【導入後の状況】
Su-35Sは長い交渉を経て中国空軍への配備が実現し、今のところ中国が輸入した最後のロシア製戦闘機となっている。ただし、中露の交渉が長期間にわたり引き渡しが2016年にまでずれ込んだことで、ストップギャップとしてのSu-35の役割は当初の目論見よりも大幅に低下してしまった[8]。

2010年代に入ると、中国ではAESAレーダーを搭載した中国第3.5世代戦闘機(西側の4.5世代戦闘機に相当)であるJ-10C戦闘機J-16戦闘機の量産が本格化しており、ステルス戦闘機であるJ-20戦闘機の部隊配備も始まっていた[8]。Su-35Sの配備が開始された段階で、中国空軍ではSu-35Sと技術的に同水準、レーダーなどの要素では上回ってさえいる戦闘機を調達するようになっていたのである。

とはいえ、大推力エンジンを搭載して長大な航続距離を有し高度なアビオニクスを備えたSu-35Sの能力は戦力の遠距離投射能力の改善を図る中国空軍にとって魅力的なことには変わりなく、Su-35Sの導入によって瀋陽飛機工業公司が開発中だった新世代のJ-11戦闘機であったJ-11D戦闘機(殲撃11D)が開発中断に追い込まれる結果を招くことにもつながった[2]。Su-35が既に量産体制に入っており、即戦力として配備可能であったのに対して、J-11Dは開発途上の機体でありその実用化までにはなお時間を要することは明らかであった。そして、Su-35が搭載する大推力かつ推力偏向装置を備えた117Sターボファン・エンジンを入手して実際に用いることが出来る点も、中国空軍にとっては魅力的な存在であった[13]。117Sの最高推力はJ-11Dが搭載するWS-10B改良型の 13,800kgに対して、142.2Kn(14,495kg)と優位に立っており、推力偏向装置を備えている点でも優れていた[1]。

中国空軍に配備されたSu-35Sは、その長大な航続距離を生かして西太平洋から南シナ海で哨戒飛行を行うH-6K爆撃機の護衛任務をこなす能力を持っていると見られ、2018年5月には実際にH-6Kを護衛して護衛任務に従事したことが報じられている[5]。

24機のSu-35Sを導入した中国空軍だが、これらの機体を戦力化して長期に渡って運用していくには、中国空軍の指揮管制システムとの互換性の獲得や、中国製兵器の運用能力の付与といった措置が不可欠であった。しかし、そのためにはSu-35Sのソースコードの開示を受けた上で、ハードウェアやソフトウェアのアップデート改修を行う必要が存在し、ロシアの許可を得ることが不可欠であった。

中露両国では、Su-35Sに中国製兵器搭載を可能とするためのソースコードの開示をめぐる中露の交渉が重ねられていた[2]。ロシア側ではSu-35Sの追加購入を期待する発言も見られたが[14]、具体的な追加話が中国側から出ることが確認されるには至らなかった。だが、中露両国間の交渉が纏まらない内に2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を迎えることとなり、交渉の行方は2023年6月時点でも不明なままである。

【選ばれた選択肢としてのJ-11BG】
中国空軍ではJ-20の配備が進む一方で、長大な航続距離を有する大型の第4.5世代戦闘機の需要もいまだ存在している。中国空軍ではJ-11Dについては調達を見送り、Su-35Sについても現状では追加購入は見込めない。

そのような状況下で、中国空軍が選択したのが、多数が配備されており機体寿命もまだ十分に残っているJ-11B戦闘機の能力向上であった。この計画は、J-11Dの開発により得られた技術を、既存のJ-11Bのアップグレード計画に生かすというものであり、それはJ-11BにASEAレーダーを搭載し、PL-15やPL-10といった新世代のAAMの運用能力を付与したJ-11BGとなって結実することとなった[15]。試算では、ロシアから調達したSu-35S一機分の代金で、4機のJ-11B/J-11BSをJ-11BG/J-11BSGにアップグレード出来ると見られている[2]。中国空・海軍では200機以上のJ-11B/BS/BH/BHSを運用しており、これらの機体を近代化改修することで、比較的安価に戦闘機戦力の近代化を行うことが出来る形となるが、それはJ-11Dという機体の存在が生かされた形になったと評価することが出来るだろう[15]。

【参考資料】
[1]青木謙知『戦闘機年鑑 2023-2024』(イカロス出版/2023年)182-183ページ
[2]银河「锻刃铸山锋—苏-35的引进对中国四代重型战斗揆发展的影响」掲載図『舰载武器』2020年2月号/总第331期(中国船舶重工集团公司)22〜44ページ
[3] 天一(製図)「锻刃铸山锋—苏-35的引进对中国四代重型战斗揆发展的影响」『舰载武器』2020年2月号/总第331期(中国船舶重工集团公司)5〜8ページ
[4]源田 孝 (監修, 翻訳)『ニュートンミリタリーシリーズ ロシア戦闘機 SUKHOI』(ニュートンプレス/2021年8月31日)「第9章 Su-35フランカーE」94〜103ページ
[5]Chinese Military Aviation「Fighters I−Su-35S Flanker」http://chinese-military-aviation.blogspot.com/p/fi...
[6]SIPRIデータベース「TRADE REGISTERS」https://armstrade.sipri.org/armstrade/page/trade_r...
[7] Force Index - Military Watch Magazine「World’s Top Seven Most Dangerous Standoff Air to Air Missiles: From European Meteors to Russian R-37s」(2022年5月21日) https://militarywatchmagazine.com/article/world-s-...
[8]今日头条「总计20亿美元,进口24架苏35战机,我国到底有多大计划?」(2023年5月25日/繁华万里)https://www.toutiao.com/article/723701255554023476...
[9]Известия「Китайских пилотов научат читать по-русски」(2016年10月10日/Дмитрий Литовкин)https://iz.ru/news/636956
[10]『PANZER5月号臨時増刊―現代中国人民解放軍空軍編ウォーマシンレポートNo.124』(アルゴノート社/2023年3月15日)21ページ
[11]捜狐「装备中俄三款战斗机,手中24架苏-35,空军王牌旅实力仍然不行?」(2022年11月28日)https://www.sohu.com/a/611128718_121473033
[12]新浪网_新浪军事「我南部战区空军新"踹门组合" 苏35配苏30碾压南海周边」(2018年6月23日) http://mil.news.sina.com.cn/jssd/2018-06-23/doc-ih...
[13]The Diplomat「Why China’s Air Force Needs Russia’s SU-35 The PLAAF has a growing fighter fleet, but it needs help on one critical component.」(Jesse Sloman and Lauren Dickey/2015年1月1日) https://thediplomat.com/2015/06/why-chinas-air-for...
[14]Force Index - Military Watch MagazineRussia-hopes-sell-Su35s-to-China」(2021年9月21日)https://militarywatchmagazine.com/article/Russia-h...
[15]Military Watch Magazine「first-j-11bgh-fighters-with-aesa-radars-join-china-s-naval-aviation-how-capable-are-they 」(Military Watch Magazine Editorial Staff /2022 年 3 月 18 日) https://militarywatchmagazine.com/article/first-j-...

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