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▼動画「不再藏著掖著了,鷹擊-12A射程高達400-500公里!足以讓美國航母一髮入魂,台軍的雄-3飛彈可以匹敵鷹擊-12?台中科院給了我們一個大大的驚喜!」YJ-12Aの射程が400〜500kmに達することが明らかになったことに関する番組

▼動画「YJ 12B Supersonic Land based Anti ship Missile | Chinese Navy」2019年10月1日に挙行された建国70周年軍事パレードに参加したYJ-12B地対艦ミサイルシステム。10輪式のTELL(transporter erector launcher:輸送起立発射機)車輛に三連装ランチャーを搭載している。


YJ-12(鷹撃12)は、1990年代中頃から開発が始まった次世代の対艦/対地超音速巡航ミサイル[1]。2010年代に配備が開始され、YJ-18対艦ミサイルと共に、中国海軍の新世代の主力ASCM(対艦巡航ミサイル)の座を占めている。

【開発経緯】
YJ-12の開発の契機となったのは、1990年代末以降、ロシアから調達したソブレメンヌイ級駆逐艦が搭載する3M80Eモスキート艦対艦ミサイル(SS-N-22サンバーン)の現物と技術資料を中国が入手したことによるとされる[11]。

中国では1970年代から超音速対艦ミサイルの開発を進めており、「海鷹-3」地対艦ミサイル、「鷹撃-1」空対艦ミサイルとして試作段階にまで漕ぎ着けたものも存在したが、技術的未成熟によりコンパクトな亜音速ミサイルであるYJ-8艦対艦ミサイルに敗れて不採用に終わっていた[11]。

中国では、某国より入手したソ連製2K12「クーブ」地対空ミサイルシステムの2M9ミサイルに採用されていたラムジェット技術を基にして「海鷹-3」と「鷹撃-1」に応用したが、その段階では材質や加工技術の問題から目標性能を達成できなかった[11]。不採用後もラムジェット推進の超音速対艦ミサイルに関する研究は続けられていたが、ラムジェット推進の対艦ミサイルである3M80の現物と技術資料にアクセス出来たことにより、直面していた技術的課題を解決できる目途が立ったとされる[11]。これにより、次世代対艦ミサイルにラムジェット推進を採用することが決まったが、それに加えてミサイルのサイズを3M80よりも小型化するにもかかわらず、最大射程は3M80の120kmを大きく上回る400〜500km台を達成することが求められた[11]。そのため、新型ミサイルは3M80の影響を強く受けてはいるものの、設計や構造については大きく異なるものにならざるを得なかった[11]。ただ、3M80の影響が強かったのは間違いなく、新型ミサイルの開発当初、中国海軍内では「小馬弾」(馬は3M80の愛称「モスキート」の中国語表記「馬马斯特」の頭文字で「小さなモスキート」の意味)と呼称されたことがそれを物語っている[11]。

公式情報が乏しいことから、YJ-12がどのような姿をしているのかは長らく不明であった。2006年の珠海航空ショーで中国航空工業第一集団公司(現中国航空工業集団公司)が出展したFBC-1(JH-7の輸出型)戦闘爆撃機の模型に搭載されていた超音速ミサイルがYJ-12に当たるのではないかとの推測もあった[2][3]。このミサイルは中国航空工業第一集団公司が自主開発したスタンドオフ攻撃が可能な超音速巡航ミサイルの概念案で、円筒形の胴体側面に矩形のインテークを配しており、インテークから最後尾までダクトが延びて尾部に4枚の制御フィンを装着していた[3]。サイズは全長4.18m、直径560mm、重量980kg、弾頭重量300kg。最高速度はマッハ4で、400kmの射程を有すると伝えられた[2]。

しかし、2013年に中国のインターネットで紹介されたYJ-12の写真とされるものは2006年に展示されたミサイルとは全く異なる形状であった[4]。こちらは本体中央部に4つのラムジェット用空気取り入れ口を備え、その後方に切り落としデルタの安定翼を4枚、ミサイル尾部に矩形の飛翔制御フィンをそれぞれX字型に配置したものであった[4]。ミサイルのサイズは全長6m、重量約1tとのデータがあるが真偽は不明[1]。2013年の写真からの推測では、Kh-31(全長4.7〜5.3m)よりも大型でKh-41(9.75m)よりも小さいサイズであると見られていた[4]。公式のデータが公開されるのは2021年の珠海航空ショーで展示されたYJ-12Eを待つ必要があり、その際の情報では、全長7m、直径約50cm、総重量は3t近く、弾頭重量は300kgを超えることが明らかにされている[9]。

【性能】
前述の通り、YJ-12は超音速巡航を可能とするため、推進装置にラムジェットエンジンを採用した[11]。YJ-12は液体燃料によるラムジェット推進で、マッハ2.5〜3.5程度の最高速度の発揮が可能であり、航続距離は飛行高度により変化するが150kmから300km、もしくは400km超との数値も存在した[1][4]。公式にYJ-12Aの射程が判明したのは2023年のCCTVの報道であり、近代化改装を受けた051B型駆逐艦「深圳」が搭載する艦対艦ミサイル型YJ-12Aの射程が400〜500kmであることが明らかにされた[7]。対艦ミサイルの射程は飛行高度に左右され、航続距離を優先する場合は高高度を飛行し、被発見率を低減するには射程は短くなるもののレーダー探知を避けやすい低高度を飛行するので、射程はそれらの要素により左右される。

YJ-12は射程延長のため、設計の手本となった3M80ではショックコーン付きインテークだったものを角ばった形状のものに変更[11]。構造上は複雑になるものの、これにより大迎え角における空気流量効率を高め、速度の変化に対応して最適な空気流量を維持することで効率的な燃料の燃焼に勤めることが可能となったとされる[11][12]。ミサイル尾部には大型ブースターが装着されており、発射からラムジェット推進が可能になるまでの速度を稼ぐのに利用される[11]。ミサイル発射後、一定の高度と速度に達するとブースターを分離してラムジェットエンジンを始動してマッハ1.5の速度で巡航飛行を開始[9]。YJ-12は長射程対艦ミサイルの標準装備であるデータリンクをつかった指令アップデート機能も備えており、それを用いて敵の目標情報を確認すると、敵の位置を計算しつつ被発見率を下げるため飛行高度を十数mにまで下げて巡航飛行を続ける[9]。この段階では、慣性航法誘導と衛星位置測定システムを併用して飛行する[9]。目標まで40〜50kmの距離に達すると先端部のレーダーを作動させ、衛星経由で伝達される目標の最新情報と合わせて、データリンクで得られた情報とレーダーによる探知情報を比較したうえで目標を確定[9]。終末段階ではマッハ3〜4の最高速度で目標に突入する[9]。衛星位置測定システムは中国の「北斗」衛星位置測定システムと米GPSを併用している[9][12]。

YJ-12は300kgの弾頭重量に加え、超音速で命中した際の運動エネルギーも相まって、一発で排水量数千トン級の駆逐艦を撃破可能であり、全長200〜300m級の大型艦艇も4発の命中で致命的な打撃を与えられるとされている[9]。

【今後の展開と派生型について】
YJ-12は2009〜2010年頃に、H-6G爆撃機の試作機から発射試験を実施したと伝えられている[4]。2010年代には実用段階に達し量産化が開始され、海軍や海軍航空隊への配備が始まっている[5]。段階的に現在の主力対艦ミサイルであるYJ-83に代わって運用されることが想定される。

より射程の長いYJ-18A艦対艦ミサイルの配備も進んでいるが、こちらはVLSでの運用が中心で、052D型駆逐艦など新型の汎用式垂直発射機(VLS)装備艦艇に搭載され、傾斜式ランチャーを使用するYJ-12との住み分けがなされている[12]。今後は、汎用式垂直発射機(VLS)装備艦艇がYJ-18Aを搭載し、既存のYJ-83運用艦はYJ-12へ換装されると見られている[5]。YJ-12が巡航時も終末段階も超音速飛行するのに対して、YJ-18は巡航時は亜音速で終末段階で超音速になる[10]。この異なる性質を生かして、同時攻撃を行うことで防御側の負担を大きくすることが出来ると想定されている[10]。

YJ-12は、当初から各種派生型の実用化を想定しており、艦艇、航空機、地上車両など各種プラットフォームでの運用が可能[1]。水上戦闘艦向けはYJ-12A、沿岸防衛部隊向けの地対艦ミサイル型はYJ-12B、空対艦ミサイル型はYJ-12Kの型式名が伝えられている[7]。このほか、輸出向けのCM-302、YJ-12Eと言った派生型も登場している。対艦ミサイルとしてだけではなく、YJ-91(Kh-31P)に換わる対レーダー・ミサイルとしても使われるとの情報もある[3]。また、中国では長射程の次世代超音速地対地ミサイルや空対地ミサイルの開発が行われているとされ、YJ-12が開発のベースとなっていることも考えられている[3]。

2016年の珠海航空ショーでは、YJ-12の輸出型であるCM-302超音速対艦ミサイルが出展された。YJ-12は400kmを超える射程を有するが、CM-302の射程は290kmと原形よりかなり短縮された数値が発表されている[6]。国際的なミサイル技術輸出規制であるミサイル技術管理レジーム(MTCR:Missile Technology Control Regime)で射程300km以上の巡航ミサイルの輸出が規制されているため、これに抵触しないための措置とみられる。CM-302の最初のユーザーとなったのは、054A/P型フリゲイト(054A型フリゲイト(ジャンカイII型/江凱II型)のパキスタン輸出版)を採用したパキスタン海軍で、054A/P型はCM-302の連装発射機×2を搭載して、対艦攻撃能力を原型より強化している[8]。

2021年の珠海航空ショーではCM-302とは別の輸出型であるYJ-12Eの模型が公開された[9]。YJ-12Eの特徴はシステム一式を貨物輸送用コンテナに収納していることであり、4連装ミサイル発射機、対電子戦+指揮管制室、レーダーと電子戦装置と、それぞれコンテナに収納して一つのシステムとして完結させている。これにより、YJ-12Eはコンテナ輸送に対応する車輛、航空機、船舶、鉄道を用いて迅速に展開することが可能となり、非対称戦争における沿岸防衛任務、ネットワーク化された戦場において適宜ミサイルを展開して作戦を遂行できることで統合作戦における高い打撃力を発揮し得るなど、多様な任務に柔軟に対応させることが出来るとされている[9]。

性能緒元
全長7m
直径約50cm
重量約3t
弾頭重量300kg以上
最大速度マッハ2.5〜4以上
射程400〜500km
誘導方式慣性航法+衛星位置測定システム(中間段階)
 アクティブ・レーダー誘導(終末段階)
装備機種艦艇、航空機、地上発射車両、コンテナなど

【参考資料】
[1]多田智彦「特集・中国海軍-ウエポン・システム」(『世界の艦船』2013年1月号/海人社)90〜95ページ
[2]東方網-軍事「中国4倍音速導弹亮相 400公里内能打航母[図]」(楊鉄虎/2006年11月13日)
[3]青木謙知『ミリタリー選書8-軍用機ウエポン・ハンドブック』(イカロス出版/2005年)95ページ
[4]Chinese Military Aviation「YJ-12」
[5]银河「厚积薄发−从”深圳”舰的现代化改装看中国海军技术的变革」『舰载武器』2016.12/No.255(中国船舶重工集团公司/17〜30ページ)24ページ
[6]伊呜「全射超音速−CM-302新型反舰导弹」『兵工科技 2016甦-2016珠海航展专辑』(兵工科技杂志社/63〜66ページ)
[7]捜狐「央视首次曝光,鹰击12弹道诡异,射程超乎想象,阿利伯克一发入魂 」(2023年5月16日)https://www.sohu.com/a/675997180_121462986
[8]Asia Pacific Defense Journal「Pakistan commissions its first Type 054A/P Tughril-class guided missile frigate -」(2021年11月24日)https://www.asiapacificdefensejournal.com/2021/11/...
[9]马克「货柜里的“杀手”—新型一体化海防武器系统」『兵工科技 2021.19 2021中国珠海航展专辑(下辑・室内展品)』(兵工科技杂志社)77〜80ページ
[10]海矛「智勇兼备—“鹰击”18的技术路径和战术价值」『舰载武器』2021年1月号(总第353期)(中国船舶重工集团有限公司)30〜38ページ
[11]路西法「"鹰击"-12的技术底色」舰载武器2020年12月号(总第351期) (中国船舶重工集团有限公司)30〜38ページ
[12]「海上作战模块 第一方队― 岸舰导弹方队之鹰击-12B岸基反舰导弹」『兵工科技甦 中华人民共和国成立七十周年国庆大阅兵典藏版』(兵工科技杂志社)60〜62ページ

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