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rglc85tj8h 2026年06月02日(火) 00:29:58履歴
▼動画:超级工业超级工业「歼15首挂鹰击15导弹,空基反舰覆盖500公里」
(2026年5月15日)YJ-15を2発搭載したJ-15が撮影された件に関する解説動画
YJ-15(鷹撃15)空対艦ミサイルは、2025年9月3日に北京で挙行された軍事パレードで初公開された中国海軍の新型空対艦ミサイル[1]。2026年2月には、2発のYJ-15を翼下に懸架したJ-15T艦上戦闘機が撮影されており、同ミサイルの海軍への配備を裏付ける証拠となっている[2]。(注:元記事はJ-15と記されているが、レドームの色からJ-15Tの可能性が高いと判断。ただし写真の不鮮明さから確定し辛い。)
その形状は、海軍で使用されているYJ-12対艦ミサイルによく似ており、実際両者の間には技術的繋がりが存在している。
【開発経緯】
YJ-15開発のきっかけとなったのは、強化される米海軍の空母戦闘群の防空能力に対して、既存の中国の対艦攻撃手段では将来的に打撃が困難になる懸念が存在したこと(これについては後に説明する)と、近年、中国海軍航空隊の対艦打撃能力が弱体化を来していたことに対する懸念であった。
近年、中国空軍ではH-6爆撃機、JH-7戦闘爆撃機、J-16多用途戦闘機の各種プラットフォームにYJ-12空対艦ミサイルを搭載して対艦攻撃任務に投入する体制を整えていった[1]。さらに、H-6K/Kは、ALBM(空中発射型弾道ミサイル)にしてASBM(対艦弾道ミサイル)であるYJ-21を搭載することで、遠距離目標に対する打撃能力はさらに高まった[1]。それに対して海軍航空隊では、組織改革に伴い陸上基地で運用していた爆撃機、戦闘爆撃機、多用途戦闘機のほとんどを空軍に移管してしまった[3]。
これにより、海軍航空隊の作戦機で対艦ミサイル搭載能力を有するのは艦載戦闘機のJ-15とその発展型J-15Tのみとなってしまった[3]。フランカー譲りの大型戦闘機として、搭載能力の豊富さを誇るJ-15は空白となった海軍航空隊の対艦打撃力を担う唯一の存在となった。この動きを後押しするのが、中国海軍の活動範囲の拡大である。特に、第一列島線を超えた第二列島線での海戦を意識する場合、第一列島線までのように中国本土の陸上基地を拠点とする空軍機の十分な支援を得られないリスクが増える。今後の航空母艦戦力の成長も相まって、特に第二列島線における米水上艦艇に対する打撃手段としての空母艦載機の役割は今後ますますその重要性を増すと見られている[1]。
ここで問題となるのが、J-15の搭載量問題である[1]。中国最初の空母「遼寧」、第二の空母「山東」では、STOBAR (Short Take-Off But Arrested Recovery:スキージャンプ発艦・拘束装置着艦)方式を採用している関係で、発艦時の最大発艦重量に制約が生じる。その影響もあってか、J-15へのYJ-12の搭載は確認されておらず、同機の対艦攻撃兵装はより軽量な一世代前の亜音速空対艦ミサイルであるYJ-83Kが採用されている[1]。搭載量の制限については、中国第三の空母「福建」の就役により解決のめどが見えてきた[1]。同艦は「遼寧」「山東」とは異なり、CATOBAR(Catapult Assisted Take Off But Arrested Recovery:カタパルト発艦・拘束装置着艦)方式を採用したことで、カタパルト発艦に対応したJ-15T艦載戦闘機は設計上の最大発艦重量での発艦が可能となり、これまでの搭載量制約から解放される。「福建」とそれに続く004型、005型空母の就役が進めば、艦載機の搭載量制約は次第に解消していくであろう[1]。
搭載量制約の問題は解決に向かっているが、もう一つの問題は既存ミサイルの打撃力不足である[1]。YJ-83Kに代わるJ-15/J-15T戦闘機に搭載可能なサイズで、より高い航続距離・速度性能・打撃力を有する新型対艦ミサイルが求められたのであった[1]。この需要を早急に満たすために開発されたのが、YJ-15となる。YJ-15は既存技術を基にして迅速に開発され、より高度な極超音速ミサイルが実用化されるまでの暫定的な措置として開発されたものと推測されている[2]。
【性能】
上記の経緯で登場したYJ-15の開発コンセプトは、YJ-12の空力設計と動力装置を継承しつつ、重量とサイズを大幅に圧縮し、十分な威力と高速飛行性能を保持しつつ艦載戦闘機での運用に支障をきたさないコンパクト化を両立するというものだった[1]。
YJ-15は全長5.6m、翼幅0.85m、直径0.4m、そして重量は1.0〜1.2tとYJ-12(艦載型2.2t、空対艦型1.9t)よりもおおよそ3〜4割の軽量化に成功した[1][4]。この重量であればJ-15Tは最大5発のYJ-15の搭載が可能となる。実際の運用では搭載本数は減じられるだろうが、3本のYJ-15を搭載した状態での
J-15Tの作戦半径とミサイル射程を合わせた打撃圏は800kmを超えるとみられており、J-15Tを強力な対艦攻撃プラットフォームに変貌させるポテンシャルを有している[1]。
YJ-15の外観は原型となったYJ-12との共通点が多く、YJ-12の全長を短縮した小型版というべき姿をしている。YJ-12は、本体中央部に4つのラムジェット用空気取り入れ口を備え、その後方に切り落としデルタの安定翼を4枚、ミサイル尾部に矩形の飛翔制御フィンをそれぞれX字型に配置していた。それに対して、YJ-15は、切り落としデルタの安定翼を排して、代わりに翼幅は短く翼長が長い短冊形の安定翼に切り替えられた[1]。これはミサイルの全長が短縮した影響で超音速飛行時の衝撃波抗力が増したため、空気抵抗の低減を図る措置だとされる[1]。
YJ-15はYJ-12と同じラムジェット推進方式を採用しており、その最高速度はマッハ3〜4程度だと見なされているが、資料[1]では燃料と熱管理技術の進歩により最高でマッハ4.5程度まで上積みできる可能性について言及している。最大射程については資料により異なるが、控えめな数字で300km[5]、空気抵抗の少ない高空飛行を行った場合400〜500km程度を達成しても不思議はないとみる資料もある[1]。低高度を飛行した場合は航続距離が大幅に減少するため、実際の運用では高高度を弾道飛行することで航続距離を稼ぐ飛翔コースを用いると考えられている。これは、相手側の各種センサーから容易に探知されるリスクがあるが、それを補うのが超音速性能である。超音速飛行により、最大射程での到達時間は6分ほどであり、これは高亜音速のYJ-83Kの20分未満という数字と比較して大幅に短く、迎撃側のリアクションタイムを著しく制約する[4]。
制御システムはYJ-12と同じ慣性誘導+終末アクティブ・レーダー誘導方式であるが、レーダーシーカーをAESA(Active Electronically Scanned Array)レーダーに換装することで探知・識別・追尾能力を向上させ、相手側の電子戦に対しても高い抵抗力を有する[1]。近年の対艦ミサイルに多く見られる双方向データリンクシステムにより、飛翔中のコース変更や目標変更を自由に行うことが出来。電子妨害下の状況においても双方向データリンクを活用して多目標識別と打撃能力を確保している[1]。
また、AESAレーダーを活用して敵の電波発信源を探知してそこにミサイルを誘導する対レーダーミサイル(Anti-Radiation Missile:ARM)的な活用も想定されていると推測されている[1]。アクティブ・レーダー誘導と対レーダー誘導という二種類の異なる誘導方式を採るYJ-15を投射することで、相手側の艦隊防空体制に混乱を誘い、特に防空作戦時に電波を発している艦艇を狙い撃つにする対レーダーミサイルを意識させることで、防空側の対応を複雑化させる効果が発揮される可能性がある。
弾頭重量についてはYJ-12から総重量が半減しているので相応に小型化し、弾頭重量は100kg少ない200kg程度の半徹甲弾頭となっている。とはいえ、1.2tのミサイルが超音速で突入する際に発生する運動エネルギーに弾頭の爆発が加わった破壊力は甚大で、1、2発の命中で駆逐艦クラスの水上戦闘艦を無力化できると見積もられている[1]。
設計については既存のYJ-12に大きく寄っているので、アメリカのLRASMやノルウェーのNSMのようなステルス性に配慮した亜音速ミサイルとは異なりレーダー反射断面積を低減する設計はあまり見いだせない。もともと、超音速ミサイルは、高速性を発揮する代償としてレーダー反射断面積が大きくなりやすい。YJ-12も4基のインテーク、安定翼と尾翼、高速飛翔時の安定を優先した円筒形の胴体とレーダー反射率の高い構造に満ちている。根本的な問題として超音速飛行時にミサイルや翼の先端部で発生する空力加熱や、ラムジェットエンジンの高温の排気など赤外線センサーにより遠距離から探知される熱源の塊になってしまうことから、ステルス性への配慮にはそもそも限界があるのも確かである。高速性に起因するリアクションタイムの短さや高い運動エネルギーによる破壊力というという利点と共に、超音速飛行そのものがステルス性に不利に働くというジレンマを抱えているのはYJ-12と共通する[4]。結局、どちらの特性を優先するかは、運用側の戦術ドクトリンや要求される任務に依存するのである。
【YJ-15の役割】
中国は、2015年ごろにYJ-12とYJ-18という超音速対艦ミサイルの配備に漕ぎつけ、射程、突破力、破壊力、命中精度共に、世界でも屈指の対艦攻撃能力を備えるようになった。特に第一列島線域内での対艦攻撃能力の強化はこの海域での仮想敵艦艇の活動を大きく抑制する要因となった[4]。この時期の中国海軍は、一度の攻撃で90〜100発の超音速対艦ミサイルを目標に投射できる体制を構築した[4]。これを戦略ロケット軍のDF-21D、DF-26といった対艦弾道ミサイルと組み合わせることで、中国近海における米空母戦闘群の自由な活動を抑制することで介入のリスクを上げるというアメリカが言うところのA2/AD(接近阻止/領域阻止)戦略として機能するに至った[4]。
だが、攻撃手段が発達を見せれば防衛手段も進化するのが兵器開発の常である。米海軍は、中露の対艦攻撃に対応して艦隊の防空能力の強化を図っており、その核心となるのがCEC(協同交戦能力)とNIFC-CA(海軍統合射撃指揮対空能力)という二つのコンセプトである[1][3][6]。
CECは、複数の艦艇や航空機のレーダー情報をリアルタイムで統合し、艦隊全体で一つの共通の戦術状況図を共有する技術。これにより、個々のレーダーでは捉えられない水平線彼方の目標も、僚艦や航空機とデータを共有することで探知・追跡が可能となり、より遠距離から迅速で高い効率の対空戦闘を可能とする[1][3]。艦隊から数百キロ先に展開したE-2D早期警戒管制機を核とするネットワーク化された各プラットフォームがそれぞれ情報を共有して全体で迎撃を行うCECの採用により、レーダーの物理的限界を超えた広範な空域を監視しつつ、遠距離から接近する目標を迎撃可能となったことで、超音速対艦ミサイルの優位性であったリアクションタイムの短さは相応に相殺されてしまった[1]。
CECが「遠くまで見渡せる目」だとすれば、NIFC-CAは「遠方を制する弓矢」というべき迎撃手段の革新となる。NIFC-CAは、CECで共有された情報を基に、「どのセンサーが、どのシューター(武器)を誘導するか」を状況に合わせて指示して攻撃を実施するシステムである[3]。最大の利点は、前方の戦闘機や地上部隊が発見した目標に対し、水平線外の後方にいる艦艇からSM-6などの長距離艦対空ミサイルを発射し、他ユニットが中継誘導を担当し情報のアップデートを受けながら飛翔し、終末段階でミサイルのシーカーを作動させて相手を補足・撃墜するというものである。CECとNIFC-CAの組み合わせにより、公表値130海里(240km)、推定最大射程は250海里(463km)に達すると考えられている[6]SM-6の長射程を有効に機能させることが可能となった。米海軍ではSM-6をF/A-18E/F「スーパーホーネット」艦上戦闘機に搭載することで、艦艇搭載という制約から解放し、その射程を劇的に伸ばす計画も実行に移した[6]。空対空ミサイルとしての制式名はAIM-174Bで、2025年5月には日本の山口県岩国にあるアメリカ海兵隊航空基地の展示祭においてF/A-18Fに搭載された同ミサイルが目撃されている[7]。
上記の通り、CECとNIFC-CAに存在により、艦隊の防空圏は飛躍的に拡大し、遠距離からの迎撃が可能となるため敵の航空機やミサイルに対する対応時間と柔軟性が格段に向上した[1][3][4]。
その結果: 超音速ミサイルの「リアクションタイムの短さ」という優位性が大きく損なわれ、大量のミサイルを投射して相手の処理能力を上回る「飽和攻撃」を成立させるためのハードルは大きく上がった形となった。米海軍の高度な迎撃能力に対抗する手段としては、投射弾数の増加により迎撃能力を上回るというのは力まかせの解決方法であり、これを実行するには、水上艦艇、潜水艦、艦載機、空軍の爆撃機や戦闘攻撃機といった複数のプラットフォームを連動して動かして、最適のタイミングでミサイルを投射させて目標に同時弾着させねばならず、投射弾数が跳ね上がり、参加ユニットが増えれば増えるほど実現可能性は低くなるので現実的な選択肢にはなり得ない結論付けている[1][4]。
従来の数で防御網を圧倒する「飽和攻撃」の有効性が、CECやNIFC-CAに代表される統合防空システムによって低下したことを受けて開発されたのが、YJ-15超音速対艦ミサイル、極超音速滑空飛翔体であるYJ-17極超音速対艦ミサイル、スクラムジェットを採用したYJ-19潜水艦発射式極超音速ミサイル 、射程1000kmを超えるYJ-20対艦弾道ミサイルといった新型対艦ミサイル群である。
これらのミサイルは、質的に異なる新しいアプローチで防御網を突破することを狙いとしている。従来の飽和攻撃が「数」で防御網を圧倒しようとしたのに対し、新型ミサイル群は 「質的に異なる対処困難な目標」 を同時に殺到させることで迎撃システムに高い負荷をかけて処理しきれなくすることで、統合防空システム(CEC/NIFC-CA)の処理能力をシステマティックに飽和させることを可能とする[1]。これと並行して、CECの中核ノードたるE-2Dに対して、PL-17長射程空対空ミサイル、中国側のステルス戦闘機による攻撃、長射程の対レーダーミサイルなどの手段により排除を図り、高度な情報視認とシステムを連結するデータリンク網の中核としてのセンサーノードを脱落させる、さらには通信衛星などへの攻撃や妨害によりデータリンク網そのものへの打撃を加えるなどの手段を活用して、システムを機能不全に陥れる戦術も採られるであろう(資料[8]ではNIFC-CA構想の画期的な点と懸念される脆弱性、その対応策について解説されている)。
有効性が低下した超音速対艦ミサイルに代わる速度の追求者として登場したのがYJ-17やYJ-19といった極超音速ミサイルであり、その速度と機動性ゆえに、現存の艦隊防空システムでの迎撃には難しい課題が山積していると見られている。
これらのミサイルは水上戦闘艦、潜水艦、航空機など多岐にわたるプラットフォームから発射可能であり、中国側が構築を進めているCECやNIFC-CAに相当する統合戦場指揮システムを用いることで、陸・海・空・水中のあらゆる方向から、タイミングを合わせて多種多様なミサイルによる複合的な飽和攻撃を実施するインフラ構築が進んでいる。
結論として、YJ-15、YJ-17、YJ-19、YJ-20の開発は、従来の「数」で勝負する飽和攻撃から、「速度」「機動性」「多様性」という質的な要素で防御システムのキャパシティを超える「新しい飽和攻撃」 への移行を示している[1][4][2]。既存の超音速対艦ミサイルに加え、極超音速飛翔体や対艦弾道ミサイルといった、防衛側に全く異なる対応を強いる多様な攻撃手段を、時を同じくして投射する。これにより、迎撃システムは複数の異種脅威への同時対処を強いられ、その処理能力を超える「質的な飽和攻撃」が実現された。これは従来の「数的な飽和攻撃」からの明確な戦略的進化であり、中国海軍の対艦戦におけるパラダイムシフトと言えるだろう。
【「質的な飽和攻撃」におけるYJ-15の立ち位置】
「数的な飽和攻撃」から「質的な飽和攻撃」への転換。YJ-15は、この中で、航空母艦の艦載戦闘機に複数発のYJ-15を搭載して、遠距離に進出して対艦ミサイルを投射するという従来式の飽和攻撃を担当する。革新となるのは、これまで(搭載量制約により)限定的な対艦攻撃能力に留まっていたJ-15が、CATOBAR方式に対応したJ-15Tの開発と、カタパルトを実装した中国第三の空母「福建」の就役に伴いフル搭載での運用が可能となったことである。これによりJ-15Tは対艦攻撃を担い空母という移動するプラットフォームから発艦し任意の空域まで進出し、長射程・超音速対艦ミサイルにより相手側にスタンドオフ攻撃を行う存在として機能し得るようになった。これによりJ-15Tの投入分だけ以前より超音速対艦ミサイルの投射数を増やせるようになり、洋上基地たる航空母艦から発艦し、ミサイル投射位置も自由に選択できるJ-15編隊の投入により、迎撃側に攻撃の方向性を事前に想定させることを困難にする効果も期待できるだろう。
投射されるYJ-15単体では高高度を弾道飛行して飛来するので迎撃しやすい目標だが、ここで多種多様なミサイルが同時に飛来する状況と、YJ-15の誘導方式が持つ特徴が作用する。YJ-15はアクティブ・レーダー誘導に加え、相手艦のレーダー発信源を探知して追尾する対レーダーミサイル(ARM)モードも備えると推測されており、防空側の負担を大きく増す結果をもたらす。イージスシステムは優れた同時・多数目標処理能力を備えているが、全く異なる飛行特性を持つ目標を同時に処理する場合、その処理能力の限界に達しやすくなる。
中国側はこれを見越して一連の新世代対艦ミサイルを開発したのである。高高度から飛来するYJ-15、低空をシースキミング飛翔するYJ-18、不規則な軌道で飛翔する極超音速飛翔体(YJ-17)、潜水艦発射式のスクラムジェット式極超音速ミサイルYJ-19、そして艦載型の艦対艦弾道ミサイルであるYJ-20が同時に飛来した場合、これらの「複数の異なる脅威」を異なる対応手順で同時に処理することを防空システムに強いることになり、システムの処理リソースを、脅威の総数以上に逼迫させる効果を狙っている[4]。
これに加えて、YJ-15が対レーダーミサイル(ARM:Anti-Radiation Missile)としての性格を持つという点は、防御側にさらなるジレンマを生み出すことに繋がる[4]。中国側は対レーダーミサイルとしてのYJ-15を投入することで、防衛側に対してリスクを承知でレーダーを照射し続けるか。レーダーを止めて防空システムの機能を大きく低下させるかの選択を迫ることを意図している[4]。どちらの選択肢を選んだとしても、防衛側は厳しい結果に直面することになる。
【海軍航空隊の新たな対艦攻撃手段としてのYJ-15】
YJ-15はYJ-12をベースとして開発されたこともあり、既存の技術を基に手堅く纏めた兵器となり、上記の新型対艦ミサイルの中では最も早期に配備にこぎつけた。これは、早期に開発・配備することを優先した措置であり、YJ-15とCATOBAR空母の組み合わせにより、これまで手薄だった空母艦載機を強力な対艦攻撃手段として活用できる点に価値を見出した兵器だといえる。
陸上基地の戦闘攻撃機や多用途戦闘機、爆撃機の大半を手放して航空機による対艦攻撃能力が大幅に削がれていた海軍にとっては、既に100機程度が配備されているJ-15/J-15Tを対艦攻撃プラットフォームとして活用するのは、戦力の欠を早期に補うために有効な対策であったと評価し得るだろう。STOBAR空母のみで運用されているJ-15の場合、CATOBAR空母で運用されるJ-15Tよりもペイロードが制約されるため運用での工夫が必要となるが、2〜3発程度のYJ-15を搭載することが可能であり、「遼寧」「山東」の二隻で運用されるJ-15は、現在生産が進んでいるJ-15Tを補完する存在として機能するだろう。
YJ-15は、空軍の新たな対艦攻撃手段としても採用される可能性は高い。JH-7AやJ-16といった作戦機にとってYJ-12は大型に過ぎたため、戦闘機での運用を前提にコンパクト化されたYJ-15はちょうど手ごろなサイズの空対艦ミサイルであり、これらの機体の対艦攻撃能力を底上げする存在になり得るであろう。
■性能諸元[1]
| 全長 | 5.6m |
| 翼幅 | 0.85m |
| 直径 | 0.4m |
| 重量 | 約1.0〜1.2t |
| 弾頭重量 | 200kg(半徹甲弾頭) |
| 推進装置 | ラムジェットエンジン |
| 最大速度 | マッハ3〜4程度 |
| 射程 | 300km以上(高高度飛翔の場合は400〜500km程度との見積もりも存在) |
| 誘導方式 | 慣性航法+双方向データリンクによる情報更新・軌道修正(中間段階) |
| アクティブ・レーダー誘導/対レーダー誘導(終末段階) | |
| 装備機種 | J-15T艦上戦闘機、J-15艦上戦闘機 |
【参考資料】
[1]银河「”破盾之锤”中国第四代对海打击武器的建设以及对西太平制海权的影响(下部)」『舰载武器』2026.05/No.481(中国船舶集团有限公司)16-27ページ
[2]Military Watch Magazine Editorial Staff「Chinese J-15 Carrier Based Fighters Deploy New Ramjet Missiles in Long Range Ship Hunting Configuration」『Military Watch Magazine』 (2026, Feb. 9). [Online]. https://militarywatchmagazine.com/article/chinese-...
[3]自由時報「中國海軍航空兵移轉空軍 打造以航艦為中心戰力」(編譯張沛元・綜合報導/2023年8月4日)https://def.ltn.com.tw/article/breakingnews/438552...
[4]银河「”破盾之锤”中国第四代对海打击武器的建设以及对西太平制海权的影响(上部)」『舰载武器』2026.04/No.479(中国船舶集团有限公司)19-32ページ
[5]唐志远「反舰导弹方队—鹰击-15超声速导弹、鹰击-17、鹰击-19、鹰击-20高超声速导弹」『兵工科技--纪念中国人民抗日战争暨世界反法西斯战争胜利80周年2025九三大阅兵(下册)』2025.18(兵工科技杂志社)36-43ページ
[6]Naval News「Air-launched SM-6 Spotted Again on U.S. Navy F/A-18 Super Hornet」(Carter Johnston/2024年4月6日)https://www.navalnews.com/naval-news/2024/06/air-l...
[7]Naval News「U.S. Navy’s New AIM-174B Air-to-Air Missile Spotted in Japan」(Yoshihiro Inaba/2025年12月5日) https://www.navalnews.com/naval-news/2025/05/u-s-n...
[8]USNI News「Inside the Navy’s Next Air War」(SAM LAGRONE AND DAVE MAJUMDAR/2014年1月23日)https://news.usni.org/2014/01/23/navys-next-air-wa...
【関連事項】
YJ-17極超音速艦滑空対艦ミサイル(鷹撃17)
YJ-19極超音速対艦巡航ミサイル(鷹撃-19)
YJ-20艦対艦弾道ミサイル(鷹撃20)
中国海軍