日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼ZDK-03の模型

▼2010年11月17日のZDK-03一号機のロールアウト式典の写真


ZDK-03「カラコルム・イーグル」AEW&C機は、パキスタン空軍の要求に応じて中国電子科技集団公司と陝西飛機工業集団公司等の企業により共同開発された輸出向けの空中早期警戒機。

2010年5月、パキスタン空軍の消息筋からの情報として、4機のZDK-03が同国空軍に採用されることが明らかにされた[1]。ZDK-03はY-8AEWの派生型であり、特にパキスタンのために開発された[1]。開発に際しては、既に実用化されていたKJ-200早期警戒機(空警200/高新5号)Y-8早期警戒機(Y-8AEW)によって得られた技術的基盤が大いに利用されている。

2008年、パキスタン空軍は中国電子科技集団公司(China Electronics Technology Group Corporation:略称CETC)に対して4機のZDK-03 AEW&C機の発注を行った[2]。ZDK-03は中国が開発したY-8AEWやKJ-200といったAEW&C機の開発により得られた技術を元にしてパキスタン空軍の要求を満たすように設計が行われ、先進的なアクティブ電子走査アレイ(active electronically steered array:AESA)レーダーや各種センサー、管制機器が搭載されている[2]。AESAレーダーは円盤形ロートドームに搭載されており、ロートドームを回転させて360度の探知を実施する[2]。

2010年11月17日、陝西省西安市にある陝西飛機工業集団公司においてパキスタン空軍が発注したZDK-03「カラコルム・イーグル」AEW&C機の01号機のロールアウト式典が開催された[2][3]。

Y-8AEWはY-8F400輸送機をベース機体として使用していたが、ZDK-03ではY-8F400よりも新しいY-8F600をベース機として採用している[2]。Y-8F600は、グラスコクピットの採用やアビオニクスの近代化が行われ、乗員2名での運行が可能となった[2]。エンジンもP&Wカナダ製PW-150Bに換装され、以前のタイプよりも巡航速度や離陸性能が向上し高高度の飛行が可能となり、エンジンの騒音も低減された。

パキスタン空軍は、ZDK-03とは別にスウェーデンのサーブ2000AEW&C機を6機導入する計画であったが、ZDK-03が高い性能と低コストを実現した事を受けて、サーブ2000AEW&C機の導入機数を4機に減らしたとの事[2]。ZDK-03とサーブ2000AEW&C機を比較すると、捜索範囲、航続距離、滞空時間、機内スペースでもZDK-03が優位に立っているとされる[1][2]。パキスタン空軍があえて2機種の早期警戒機を配備するのは、兵器供給先を複数用意する事により、いずれかの陣営に対する依存度を深めすぎない様にするためとされる[1]。

【参考資料】
[1]Flightglobal「Pakistan to get Chinese AEW&C aircraft this year」(2010年5月7日)
[2]Pakistan Military Review「China Rolls out First of Four ZDK03 AEW&C Aircrafts 'Karakoram Eagle' for Pakistan Air Force」(2010年11月)
[3]Pakistan Observe「First Chinese AWACS rolls out for PAF」

【関連事項】
Y-8輸送機(運輸8/An-12)
KJ-200早期警戒機(空警200/高新5号)
Y-8早期警戒機(Y-8AEW)
Y-8電子情報収集機(Y-8EW)
Y-8空中指揮機(Y-8ACP)
Y-8電子戦機(Y-8EW/ECM )
Y-8哨戒機(Y-8MPA)
Y-8洋上偵察機(Y-8ASA)

中国空軍

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