日本周辺国の軍事兵器 - その他のアサルトライフル/カービン(中国)

中国版OICW




アメリカのOICW(Objective Individual Combat Weapon)に似た個人用火器。アサルト・ライフルとグレネード・ランチャーを組み合わせ、大型の照準装置(暗視装置、レーザー測距器、射撃管制システム?)を取り付けている。詳細不明。

G36C 5.56mmアサルト・カービン




性能緒元
口径5.56mm×45
全長720mm
銃身長228mm
重量2.80kg
装弾数30+1発
ライフリング6条右回り

独ヘッケラー・アンド・コッホ社(H&K)製の新世代ライフルG36のコンパクト・カービン型。キャリング・ハンドルをレールに変更し、スコープなどのマウントを容易にした。フォア・ストック下面にライトやレーザーサイトなどを装着できるマウント部がある。メカニズムはガス圧利用式で、マイクロ・ロッキング・ラグを装備し、回転してバレルとロックするターン・ボルトが組み込まれている。中国では武装警察の特殊部隊が使用しているようだ。

87式/87A式5.8mmアサルト・ライフル(QBZ-87)

▼87A式


▼87A式(ドラム・マガジン装備)


性能緒元
口径5.8mm×42(DBP-87)
全長945mm(折畳時730mm)
銃身長 
重量3.95kg
装弾数30発
ライフリング6条右回り

M16(5.56mm×45/SS-109)やAK74(5.45mm×39/5.45mmラッシャン)など、世界のアサルト・ライフルの主流が小口径高速弾使用になるのに合わせて中国のNORINCOで開発された自動小銃。1971年から開発が始まり、最終的に次世代アサルト・ライフル及び分隊支援火器の口径として5.8mm×42(DBP-87)が選ばれ、1987年に初めて公開された。銃全体の構造は81式アサルト・ライフルと同じで、ショルダー・ストックやハンド・ガードなどの形状と材質を変更したに過ぎない。1980年には改良型の87A式が登場した。87A式はマガジンやストックなどがプラスチックやアルミ合金などで製作され、軽量化が図られている。87A式は少数が空挺部隊などに配備されて様々なテストが行われた。特に不良点などは無かったが結局採用されず、中国軍の制式ライフルとしてはより先進的な95式が選ばれた。

86式7.62mmアサルト・ライフル




性能緒元
口径7.62mm×39
全長657mm
銃身長437mm
重量3.82kg
装弾数20発
ライフリング4条右回り

86式アサルト・ライフルは56式アサルト・ライフルの機関部を利用してブルパップ型に改造した自動小銃である。中国軍用に開発されたものではなく、海外への輸出モデルとしてNORINCOで生産された。おそらくそれと同時に中国軍の制式ライフルとなった95式のプロト・タイプの意味を持っていたと思われる。特徴はショルダー・ストックがなく、レシーバー本体をショルダー・ストックとして利用し、グリップを前方に移動して全長を短くしている事だ。作動メカニズムはガス圧利用式のターン・ボルトが組み込まれている。マガジンは専用の20連発タイプのほか、56式の30連発タイプも使用できる。

82式7.62mmアサルト・ライフル



性能緒元
口径7.62mm×39
全長1,090mm
銃身長 
重量3.69kg
装弾数30発
ライフリング 

1979年から開発が始まったアサルト・ライフル。1981年に完成したが、中国軍には制式採用されなかった。

CQ-311 5.56mmアサルト・ライフル



性能緒元
口径5.56mm×45
全長987mm
銃身長506mm
重量3.20kg
装弾数20発
ライフリング6条右回り

M16A1の中国製コピー。作動メカニズムはM16A1と同じで、ガス圧直接利用式。マイクロ・ロッキング・ラグを備えたターン・ボルトを装備している。機関部レシーバーはアルミニウム系の軽金属で作られており、全体的に軽量だ。外見はM16に非常によく似ているが、グリップ、ハンドガード、ストックの形状が異なっている。開発はNORINCO(中国北方工業公司)で1983年から生産が行われた。セミオートマチックのみのモデル(M-311)がヨーロッパや北米の民間市場向けに製造され、安価に販売された。軍用のCQ-311がどこに輸出されたか詳細は不明だが、アフガニスタンやキューバで使用しているのが確認されている。北朝鮮にも輸出され韓国軍に偽装する特殊部隊によって使用されているという。また少数のCQ-311が中国国内で国境警備に使用されているようだ。

63式7.62mmアサルト・ライフル




性能緒元
口径7.62mm×39
全長1,025mm
銃身長520mm
重量3.87kg
装弾数20発
ライフリング4条右回り

63式アサルト・ライフルは56式セミオートマチック・ライフルと56式アサルト・ライフルの長所を取り入れた新型ライフルとして中国のNORINCOが独自に開発し、1963年に完成した。その存在は米軍のM14ライフルに相当する。全体的な形は56式セミオートマチック・ライフル(SKS)に似ているが、トリガー・ガード部にセレクターがあり、セミオートマチックだけでなくフルオートマチックでも射撃できる。これにより56式セミオートマチック・ライフルと比べて大幅に歩兵火力を増強できた。フルオートマチックに対応するため容量の多い20連発のマガジンを装備している。セミオートマチックのみのモデルも生産されている。63式の構造は単純で簡単なレクチャーで使用することができ、生産性も極めて高い。

63式は部隊で概ね好評だったが、文化大革命の混乱時に生産されたものは粗製濫造の不良品が多く、暴発事故が絶えなかったという。このため1978年に一時生産が中止された。その後幾つかの改良が施されて生産が再開され、改良型63式の性能は射撃精度などの点で56式アサルト・ライフルより上だった。ただ全長が長いため、森林地帯や屋内戦闘では56式アサルト・ライフルの方が好まれたという。1981年に新型の81式アサルト・ライフルが採用されてから63式の生産は中止され、軍現役からも徐々に退き民兵組織などで使用されるようになった。63式は100万挺以上が生産されアルバニアなどにも輸出されている。アフガニスタンでは現在でも63式の現地バージョンが生産されているようだ。

56式7.62mmセミオートマチック・ライフル(SKS)

▼30発マガジンを付けた56式

▼10発マガジンを付けた56式


性能緒元
口径7.62mm×39
全長1,128mm
銃身長522mm
重量3.60kg
装弾数10発
ライフリング4条右回り

56式セミオートマチック・ライフルは旧ソ連(ロシア)で開発されたシモノフ・セミオートマチック・カービン(SKS)のコピーである。中国軍は制式ライフルとして採用し、NORINCOなど複数の工場で生産された。外見はほとんどSKSと同じだが、56式はストックが合板ではなく単材の削りだしで作られている。またレシーバーの左側面には56式の刻印が打たれている。銃剣(バイヨネット)はナイフ形のものと針型のものがある。構造はガス圧利用式で、降下してレシーバーとロックするティルト・ボルトを装備している。56式は信頼性が高く、それまで中国軍が使用していたボルト・アクション式のライフル(Kar98など)と比べて格段に有効な小銃で、1950年代末から1980年代中頃まで使用されていた。現在はほぼ全てが保管状態にあり、一部の武装警察などで使用されているのみである。56式は100万挺以上が生産され、旧北ベトナムなど多数の国へ輸出された。

【参考資料】
最新軍用ライフル図鑑(床井雅美/徳間書店)
Chinese Defence Today
China Defence Blog
中国武器大全
Gun-World

中国陸軍