日本周辺国の軍事兵器 - スーマム級練習艦(T50A型)



▼Z-9ヘリコプターを搭載してヘリ運用試験を行うスーマム。前方の艦艇はタイに輸出されたパタニ級哨戒艦2番艦のナラティワート。


性能緒元
排水量5,470t
全長130m
全幅15.8m
主機ディーゼル 2軸
速力15kts

【兵装】
AK-176M 60口径76.2mm単装砲1基
近接防御76A式37mm連装機関砲2基
AK-630 30mmCIWS2基

【電子兵装】
対空対水上レーダー363S型(TSR-3004 SEA-TIGER)1基
水上レーダー756型1基
航海レーダーRM-1290(Racal Decca)1基
火器管制用レーダー344型(MR-34)砲用1基
 347G型(EFR-1/Rice Lamp)CIWS用2基
デゴイPJ-46デゴイ発射機2基
ECM/ESM装置NRJ-6A
ソナーEcho Type5 ハル・ソナー1基

スーマム(SOUMMAM)級練習艦は、中国がアルジェリア向けに建造した練習艦である。上海の滬東造船廠で建造され、2006年にアルジェリア海軍に就役した。中国側での呼称はT50A型総合訓練艦。

スーマム級は、中国海軍の679型練習艦(ダーシン型/大興型)をベースに開発された艦であり、艦の基本的な構造は鄭和級を踏襲している。ただし、建造時期に20年近い差があるため、電子装備や兵装は一新されている。

スーマムの主要項目は以下の通り。排水量5,470トン、全長130m。主機はディーゼルで、最高速力は15ノット。兵装は、艦の前部にロシア製AK-176M 60口径76.2mm単装砲1基、近接火器としては艦橋直前の第2甲板に76A式37mm連装機関砲2基、後部マスト直後にAK-630 30mmCIWS2基を搭載している。スーマムに搭載されたAK-630はステルスシールドを採用しているタイプである。艦後部にはヘリコプター用発着甲板が設けられており、ヘリコプターの着艦が可能。

艦内には、乗員170名の他に、教員30名、練習生200名分の居住スペースが設けられている。鄭和級と同様に、艦内には、座学、通信、電気・機械設備、生活、医療など軍艦に必要な全般業務の訓練施設が装備されているものと推測される。スーマムはアルジェリアのメルス・エル・ケビール港を母港にしている[4]。

1番艦スーマムSOUMMAM9372006年就役。

【参考資料】
[1]世界の艦船 2007年10月号(海人社)
[2]中国武器大全
[3]Global Security
[4]Jane's Fighting Ships 2009-2010(Stephen Saunders (編)/2009年6月23日/Janes Information Group)7頁

679型練習艦(ダーシン型/大興型)
中国海軍