SMART-L(タレス社) | 長距離捜索三次元レーダー |
アンテナは5秒で1回転し、距離400km、高角70度までの空間で最大1,000目標を探知・追尾可能。使用周波数はD(L)バンドで、マルチ・ビーム方式(16ビーム)により三次元目標探知・追尾を行っている。このようにSMART-Lは長距離広範囲の目標捜索が可能であるため、敵航空機の早期警戒、ステルス・ミサイルの発見のほか、戦術弾道ミサイルの探知できる。 |
S-150M(マルコーニ社/タレス社) | 長距離捜索三次元レーダー |
SMART-Lの発展型。D(L)バンド帯。 |
EMPAR(アレニア社) | 多機能パッシブ・レーズドアレイ・レーダー |
EMPARはアンテナが毎分60回転の一面回転型パッシブ・フェーズドアレイ方式で、周波数はG(C)バンドである。パッシブ方式であるため、従来型の大出力送信機が必要であるが、送信管として進行波管TWTを使用したコヒーレント送信機を装備している。アンテナ面にはパッシブ素子として2,160個のピン・ダイオード位相器が埋め込まれている。この位相器はコンピュータ制御により位相器を通過するレーダー電波の位相を変化させ、まとまってアンテナ面から放射される電波ビームの方向を変える事が出来る。EMPARのアンテナ寸法は約1.5m×1.5mで、アンテナ面は垂直から約30度傾斜している。放射されるビーム幅2.5度のペンシル電波ビームはアンテナ面中心線に対して、方位方向は±45度、高角方向は±60度の空間を走査する事が出来る。方位方向はアンテナが回転しているので走査の必要ないように思われるが、空間のある一点を重点的に捜索したい場合などに動いているアンテナ中心線方向とは関係なくペンシル・ビームを向けることが出来るという利点がある。目標捜索のための遠距離モードでは、航空機が180kmで探知可能である。自由空間での捜索モードでは航空機は120km以上で、ミサイルは50km以上で探知追尾可能である。特に低高度飛来ミサイルの探知追尾距離は23kmである。探知して追尾できる最大目標数は300で、高優先度の69目標、低優先度の231目標の中から50目標に対して同時交戦可能である。アスター15/30対空ミサイルの管制も行う。 |
APAR(タレス社) | 多機能アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー |
日本に次いで世界で二番目に完成した艦載用アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー。タレス社が中心となりドイツ、カナダなどの企業群が協力して開発した。I/J(X)バンドで作動する送受信モジュール856個(1個に5ワットの送受信素子を4個収容、合計3424素子)を装着したアンテナがマスト上部に四方向に向けて四面固定装備される。アンテナの表面の保護のために薄いテフロン膜によるレドームを被せてあり、内部の気圧を上げることによりレドーム外皮を凸状にしている。また半導体送信素子からの発熱を処理するために液体冷却を行っている。各送受信モジュールには半導体の送受信素子のほか、送信電波の位相を制御する位相器が組み込まれていて、コンピュータの指示に従う。固定されたアンテナから送信される電波は各送受信モジュールで位相制御される結果、電波ビームの方向が制御される事になる。電波ビームが制御される(走査する)方向は、一面あたりで約120度(アンテナ中心線から±約60度)の範囲であるが、アンテナが四面設置されているため各一面の左右で約15度ずつの走査オーバーラップが生じる。APARの特徴は信号処理にもある。アンテナ四面からの信号を信号処理装置及びデータ処理装置で高速フーリェー変換によるドップラー信号処理、ドップラー・フィルタリング等を行って、艦載レーダーの大敵であるシー・クラッターを除去している。APARは距離75kmまでの水平捜索、距離50m〜10kmの短距離水平捜索、限定した空間の捜索など、様々な形態の目標捜索を行うことが出来る。目標追尾は150km以上の距離でヘリコプターを含む対空目標及び水上目標について250目標以上に対処できる。捜索・追尾レーダーだがI/J(X)バンド帯であるため、スタンダードSM-2やESSMの誘導に使用できる(別途イルミネーターは必要ない) |
SAMPSON(ブリティッシュ・エアロスペース社) | 多機能アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー |
イギリス国防省の国防研究開発評価局(DERA)がブリティッシュ・エアロスペース社と開発した実験レーダーMESARの製品化型。SAMPSON実用機は最大出力5ワットから20ワットの送受信モジュールを4個を組み合わせた送受信エレメントとし、これを一面あたり2,000個以上埋め込んだアンテナ二面を背中合わせに組み合わせた構造で、一分間に60回転する。送受信モジュール1個あたりの最大出力が一種類でないのは低価格で効率よく電波ビームを形成するため。各送受信モジュールにはヒートシンク(熱伝導材)が取り付けられており、クローズド・ループの強制空冷で艦上で外部に熱を放射しないように甲板下で放熱するようにしている。アクティブ・フェーズドアレイ方式の不利な点はアンテナ・アレイ面で半導体が発熱する事であり、この冷却のためには液冷(水、エチレン・グリコールなど)・空冷の両方式があるが、SAMPSONでは価格、重量、信頼性などの点から空冷を採用している。従来発表されていたSAMPSONの外観は内部にアンテナを収容したほぼ正方形の構造物を傾斜させて背中合わせにしたものだったが、その後の風洞実験も含めて検討した結果、重量軽減、耐風圧性向上を考慮してガラス強化プラスチックを採用した丸型に変更された。旋回回転数も角型当時の1分間30回転から60回転に上がっている。さらに4本の角のような避雷針が取り付けられた。空中に放射するペンシル・ビーム電波を走査する角度は、アンテナ中心線から±60度であり、長距離捜索、中距離捜索、水平線高速捜索、多目標追尾等を行う。最大探知追尾距離は250km、追尾目標数は500〜1,000、同時交戦目標数は12である。SAMPSONの特徴は実験機MESARで技術開発を十分に実施している耐ジャミング特性である。アンテナ低サイド・ロープ、周波数アジリティ、パルス圧縮等々、レーダーの教科書に書かれているアイテムは全て適用しているが、DERAが特に強調しているのは最適ビーム形成技術である。実験では10方向以上からの模擬ジャミングに対して、妨害を受けにくくする波形を形成することに成功している。また将来の性能向上案としてIFFを使用せずに目標を識別できるNCTR(Non-Cooperative Target Recognition)技術の適用も考えられている。アスター15/30対空ミサイルの誘導管制も行う。 |
SIRIUS | 長距離赤外線捜索追尾システム |
センサー・ヘッドが1分間に60回転する2波長帯のシステム。遠赤外線(8〜13ミクロン帯)センサーは300×8素子を使用し、時間遅延積分(TDI)方式で赤外線画像を得ている。もう一つの中波赤外線(3〜5ミクロン帯)センサーは300×10素子で同じくTDI方式によっている。両センサーとも開口150mmのレンズを使用し、3.8度の視野角がある。方位方向は360度回転しているので問題ないが、3.8度以上の高角が必要な場合は、センサー・ヘッド自体の俯仰角を上げることが出来る。2波長帯を使用しているのは、超音速ミサイルと亜音速ミサイルの両方に対応するため。特に亜音速ミサイルは海面を背景にした場合、中波赤外線センサーでは探知・追尾が困難な場合がある。これは3〜5ミクロン帯では太陽光が海面で反射して、多数の目標と間違う信号(誤警報信号)となるからである。スターリング・クーラーで絶対温度約80度に冷却されている赤外線素子からの2系統の信号はフィルター処理され、16ビットのアナログ・デジタル変換機でデジタル信号に変換される。またセンサー・ヘッド全体を船体動揺から安定化するため、ダイレクト・ドライブ・モーターを採用した新しいスタビライズ方式(楔式スタイビライザ)により0.1〜0.2mmラジアン(角度40〜60秒)の精度で水平を得ている。この結果、目標追尾制度0.25mmラジアンを達成できる。 |
MIRADOR | 捜索・射撃指揮用複合光学システム |
重量200kgのカーボン・ファイバー製ステルス形状ヘッドに六種類のセンサーを内蔵している。これらは近距離可視光カラーTV、遠距離可視光モノクロTV、低照度モノクロTV、3〜5ミクロン帯赤外線撮像システム、アイ・セーフ・レーザー測距システムである。 |
354型(Eye Shield) | 2次元対空対水上捜索 | I band | |
360型 | 2次元対空対水上捜索 | I band | |
360S型(SR-60) | 2次元対空対水上捜索 | E/F band | |
363S型(TSR-3004 SEA-TIGER) | 2次元対空対水上捜索 | E/F band | 150km |
517H-1型(Knife Rest) | 2次元長距離対空捜索 | A band | |
518型(REL-1/2) | 3次元長距離対空捜索 | L band | 280km |
381型(Rice Screen) | 3次元対空捜索 | G band | |
MR-750MA(Top Plate-B) | 3次元対空捜索 | E/H band | 230km |
362型(ESR-1) | 低高度捜索 | I band | |
MRK-50(Snoop Tray-2) | 水上捜索 | I band | 潜水艦 |
342型(Frog Lamp) | HQ-61管制 | H/I band | |
345型(MR-35) | HQ-7管制 | J band | |
MR-90(Front Dome) | SA-N-12管制 | ||
343型(Wasp Head) | 砲管制 | I band | |
344型(MR-34) | 砲&SSM管制 | I/J band | |
MR-331(Band Stand) | 砲&SSM管制 | D/E/F band | |
352型(Square Tie) | SSM捕捉 | I band | |
347G型(EFR-1/Rice Lamp) | 37mm砲管制 | I band |
RM-1290(Racal Decca) | 航海 | I band | |
756型 | 航海 |
ZJK-5 | 1553B military data bus/100Mbps |
ZJK-4-3a | TAVITAC 2000 |