日本周辺国の軍事兵器 - 艦載砲(台湾)

Mk45 54口径127mm単装砲

▼基隆級駆逐艦2番艦の「蘇澳」(DDG-1802)に搭載されたMk45 54口径127mm単装砲


性能緒元
口径127mm
砲身長54口径
砲身数1門
砲弾重量31.75kg
初速807.7m/秒
発射速度16〜20発/分
射程23,000m(最大)、15,000km(対水上)
旋回範囲340度
旋回速度30度/秒
俯仰範囲-15〜+65度
マウント重量22.22t


Mk42 54口径127mm単装砲

▼済陽級フリゲイトのネームシップ「済陽」(FF-932)のMk42 54口径127mm単装砲


性能緒元
口径127mm
砲身長54口径
砲身数1門
砲弾重量31.75kg
初速807.7m/秒
発射速度17〜34発/分
射程22,000m
旋回範囲360度
旋回速度40度/秒
俯仰範囲-15〜+85度
マウント重量56.6t

Mk42 54口径速射砲はアメリカ海軍の戦後第一世代の5インチ(127mm)砲で、第二次大戦型のMk38連装砲の弾丸投射量を単装で実現する事を目標に開発された。このため交互に装填する独立した二つの給弾機構を持ち、ドラム型の弾倉には各20発を収納できるが、この機構は故障が多いと言われており、実際には発射速度を28発/分まで落として(最大34発/分)運用されている。シールド上部左側の透明キャノピーは対水上戦の照準用。台湾海軍ではアメリカから輸入された済陽級フリゲイト(ノックス級)がMk42を搭載している。

【参考資料】
『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)81頁。


オットー・メララ Mk75 62口径76mm単装砲

▼成功級フリゲート8番艦、「田單」(PFG-1110) のMk75 62口径76mm単装砲


口径76mm
砲身長62口径
砲身数1門
砲弾重量6.4kg
初速925m/秒
発射速度85発/分
射程12,000m
旋回範囲360度
俯仰範囲-15〜+85度
マウント重量7.5t

西側のベストセラーとなった艦載速射砲で、アメリカでもMk75として採用した。日本では日本製鋼でライセンス生産されており、ドイツ、スペインなど世界中で1,000門以上が使用されている。同砲は伊オットー・メララ社(1990年代に伊Breda社と合併しOTO bredaとなったが、再びOTO MELARAと改称)が1965年に開発に着手し、1969年から生産に入っている。砲口には砲弾発射時の後座エネルギーを軽減する制退機があり、砲身中央部には燃焼ガス逆流を防ぐ排煙装置が取り付けられている。甲板下の回転式弾庫から2つのロッキング・アームに給弾することで、毎分10〜85発という高い発射速度を得ている。この発射速度を持続させるため砲身は水冷式で、閉鎖機は垂直鎖栓式。砲塔内は無人で全ての機構は自動化されているが、弾庫への補給は3名の給弾員が人力で行う。シールドはグラスファイバー製で波風を防ぐ程度でしかなく、防御力は全く無い。重量が軽いため小型の艦艇にも搭載する事が出来る。使用する砲弾は多目的榴弾、徹甲弾、事前調整破片弾など。

台湾海軍では、富陽級駆逐艦(ギアリング級)(既に全艦退役済み)の近代化改装で初めてMK75が採用され、以後、成功級フリゲイト(オリヴァー・ハザード・ペリー級)康定級フリゲイト(ラファイエット級)龍江型ミサイル艇(アシュビル型)の艦砲として採用された。また退役した富陽級駆逐艦(ギアリング級)のMk75が錦江型ミサイル艇の3番艇新江(PG-606)の近代化改装の際利用され、既存のL/70 40mm機関砲に換えて搭載された。

【参考資料】
『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)98頁。
オットー・メララ社公式サイト

台湾海軍