日本周辺国の軍事兵器 - 新型遠隔操縦掃海艇



2010年頃からその存在が知られるようになった小型掃海艇[1]。本艇に関する情報はまだ乏しく、型式名や開発経緯などについては不明。中国では「新型無人遥控掃雷艇」「某新型掃海工作艇」などの名称で呼ばれている。以下、本稿では「小型掃海艇」と呼称する。

平甲板型の船体に比較的大型の艦橋構造物を搭載、船尾には機雷処理具を装備している。小型で低喫水のため、通常の掃海艇では航行困難な浅瀬での運用も可能と見られる。本艇の最大の特徴は遠隔管制を受けることにより無人での航行が可能な点にある[2]。掃海作業では小型掃海艇3隻が一組となり、管制艇である082-I型掃海艇(ウォザン型/渦蔵型)1隻とセットで運用される[2][3][4][5]。手順としては、まず有人操縦で作戦海域に進出し082-I型掃海艇が搭載ソナーにより機雷の位置を特定、その後無人の小型掃海艇を遠隔操作して当該海域に進出させて機雷を除去する[4][5]。これにより掃海作業中に小型掃海艇が触雷したとしても人的損失は発生しないことになり、安全な掃海作業が可能となる。

中国では1970年代に中国第1世代の遠隔操縦式掃海ドローンである312型遠隔操縦掃海艇を実用化していたが、312型は旧式化が進み多くが退役・保管状態に置かれている。小型掃海艇はこの312型の後継として開発された可能性が高いと思われる。小型掃海艇は6隻(#8041、#8042、#8043、#8181、#8182、#8183)の存在が確認されている。

【参考資料】
[1]China Defense Blog「A new utility class minesweeper spotted in Shanghai.」(2010年10月12日)
[2]China Defense Blog「Photo of the day China Navy's newly constructed minesweeping drones」(2012年2月14日)
[3]解放牛网「一份特殊的新年礼单」(2011年2月11日)
[4]飞扬军事-骑鲸蹈海「我军最新水雷战术战法之预测!」(2010年10月12日)
[5]HSH上海发烧友论坛-海洋舰艇科技发烧版「全球独家发布我军最新水雷战术战法之预测!」(2010年10月12日)

▼082-I型掃海艇に率いられて航行する小型掃海艇(左)と乗員が退艦して無人になる小型掃海艇(右)

▼小型掃海艇の操舵室(左)と艇尾の掃海具(右)


▼小型掃海艇を使った掃海訓練の動画


【関連事項】
082-I型掃海艇(ウォザン型/渦蔵型)
中国海軍