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性能緒元満載排水量 | 143t |
全長 | 32m |
全幅 | 9m |
喫水 | 1.8m |
主機 | ディーゼル 3軸 |
| MTU 12V 396TB93ディーゼル 3基(4,890馬力) |
速力 | 40kts |
乗員 | 18名 |
【兵装】
【電子兵装】
寧海型哨戒艇(台湾海軍では「港口巡防艇」としている)は、台湾の中国造船公司(現「台湾国際造船股份有限公司」)とシンガポールのヴォスパー・QAF(英ヴォスパー・ソーニクロフトの傘下企業)が共同開発した哨戒艇である[1][3]。開発ではヴォスパー・ソーニクロフト社系の哨戒艇の設計が基礎となっている[2]。なお、開発当初は対艦ミサイルを搭載することも検討されていたとの説もある[1]。1、2番艇(PCL-1、PCL-2)は海軍第四造船廠で建造され、残りの6隻(PCL-3、PCL-5〜9)は中国造船公司基隆総廠で建造され(PCL-4は欠番)、1985年から1990年にかけて就役した。
寧海型の船体は鋼鉄製で、満載排水量143t、全長32m、全幅9m、喫水1.8m。推進軸は3基で、機関には独MTU社製12気筒396TB93ディーゼル 3基(4,890馬力)を採用し、最高速力40ktsを発揮する。船体が小型で搭載兵器の数も少ないため、乗員は18名に留まっている。兵装は艦首部にボフォース60口径40mm単装機関砲1基、艦尾にT75S 20mm単装機関砲1基と爆雷投下軌条2条を備えており、小型艇ながら対潜作戦用にハル・ソナーを装備している。必要に応じて機雷敷設を行うことも可能。小型の船体に40mm機関砲を搭載したため、艦首部が重くなり凌波性は良くないとのこと[2]。
寧海型は、港湾付近への小型潜水艇やフロッグマンの進入阻止、漁業保護などに従事する[2]。就役当初は各軍区の港巡隊(港湾警備部隊)に配属され、その後一括して海岸巡邏大隊の所属となった。1992年に海岸巡邏大隊自体は海軍から警政署(日本の警察庁に相当)保七總隊の管轄下に移ったが、寧海型は海軍所属のままとされ、現在は第131(巡防) 艦隊所属の第272戦隊に一括配備されている[1]。
| 艦名 | 艦番号 | |
1番艇 | 寧海 | PCL-1 | 海軍第四造船廠で建造。1985年就役[1]。 |
2番艇 | 安海 | PCL-2 | 海軍第四造船廠で建造。1985年就役。 |
3番艇 | | PCL-3 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
4番艇 | | PCL-5 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
5番艇 | | PCL-6 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
6番艇 | | PCL-7 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
7番艇 | | PCL-8 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
8番艇 | | PCL-9 | 中国造船公司基隆総廠で建造。 |
【参考資料】
[1]中国軍艦博物館「PCL-1〜PCL-9港巡艇 」
[2]世界の艦船別冊 中国/台湾海軍ハンドブック 改定第2版(2003年4月/海人社)131頁。
[3]Jane's Fighting Ships 2009-2010(Stephen Saunders (編) /2009年6月23日 /Janes Information Group)792頁。
台湾海軍