日本周辺国の軍事兵器 - CJ-6練習機「雛鷹」(初教6/BT-6)




性能緒元
重量1,095kg
全長8.46m
全幅10.22m
全高1.25m
エンジン活塞6A(HS6A) 285hp ×1
最大速度287km/h
航続距離640km
上昇限度6,250m
武装 
乗員2名

中国空軍の初級・基本練習機で、旧ソ連・ロシア空軍のYak-18Aに相当する機体だが、Yak-18を中国が独自に改設計したものである。

Yak-18がソ連空軍に就役したのが1946年で、その後前輪式に変更したYak-8Uを経て、1957年にエンジン出力を向上させたYak-18Aに発展している。一方1949年に成立した中華人民共和国は朝鮮戦争を契機に航空機工業の建設を図り、その第一歩として1952年からYak-18のライセンス生産を開始した。中国製Yak-18(初教5)は1954年7月に完成している。航空機技術の自力更生を目指す中国は、独自技術で初教5の改良型「初教6」の開発に取り組んだ。しかし145hpエンジンのまま金属外皮構造、前輪式に変更したため、1958年8月に初飛行した試作機は重量過大、出力不足で失敗に終わった。エンジンをYak-18Aと同じ260hpのイフチェンコAI-14Pに換えた機体が完成したのは1960年7月であった。テスト飛行の結果スピン特性の悪さが顕在化し、対策に苦慮している。この間に初教5の生産と初教6の開発作業は江西省南昌に移管した。1961年10月にはスピン対策を施した機体が完成したが、筒温過昇に悩まされた。度重なる不具合を解決して初教6の量産が開始されたのは1962年1月で、実用化は1965年になってからであった。

シリーズには1965年以来生産されている標準型CJ-6Aのほか、1964年頃10機製造された武装型のCJ-6B、民間向け農薬散布型のハイヤンAがあり、現在までに各型合計2100機以上が生産された。大半は中国軍向けだが、200機以上が国外で軍事用・遊覧用に使われている。

CJ-6の生産を行っていた洪都航空工業集団では、CJ-6の生産を終了すると共に、同機の後継機についてロシアのヤコブレフ設計局との共同開発事業を進めていた(L-7練習機「雛鷹」(練7/CJ-7/初教7/Yak-152K))。しかし、新型初等練習機調達に関する空軍の意向が確定していない事を受けて、2015年からCJ-6の生産を再開した[1]。CJ-6は生産再開後、2018年にはスリランカ空軍に6機が輸出されている[2]。

【参考資料】
世界航空機年鑑 (酣燈社)
Chinese Defence Today
[1]新浪网-军事「宝刀未老能再战!中国初教-6教练机恢复生产交付」(2018年5月11日)http://slide.mil.news.sina.com.cn/k/slide_8_193_63... (2018年6月19日閲覧)
[2]SRI LANKA AIR FORCE「The Commander Accepts Six (6) PT-6 Aircraft from CATICGo Back」(2018年5月18日)http://www.airforce.lk/news.php?news=3599  (2018年6月19日閲覧)

中国空軍