日本周辺国の軍事兵器 - CM22A1 120mm自走迫撃砲




▼120mm迫撃砲の収納状態。分離されている砲身と砲架は射撃時に結合される。


CM22A1 120mm自走迫撃砲は、台湾国産のCM21装甲兵員輸送車にT86 120mm迫撃砲を搭載した火力支援車輌である。台湾軍での呼称は「CM22A1一二〇迫砲車」。CM22 107mm自走迫撃砲のT62 107mm迫撃砲を120mm迫撃砲に換えた火力強化型で、陸軍の機械化歩兵旅団と戦車旅団の迫撃砲営(大隊)で運用されている。

台湾では1980年代初めからT62 107mm迫撃砲を代替する大口径迫撃砲の開発を進め、1990年代に実用化に成功しT86 120mm迫撃砲として制式化した。T86迫撃砲の開発とほぼ並行する形で、CM22の107mm迫撃砲をT86に換装した車両の開発も行われており、1990年代に実用化された。この車両はCM22A1 120mm自走迫撃砲と命名された。CM22A1が搭載するT86 120mm迫撃砲は砲身長1,950mmで砲重量は226kg。最大射程は9,300m、最大発射速度は15発/分。大口径化により107mm砲に比べて射程と火力がいずれも向上し、運用面でも省力化が行われているのが特徴である。CM22A1の迫撃砲の搭載方法は、CM22を踏襲している。

CM22及びCM22A1は大口径迫撃砲に機動力と装甲防護力を付与することに成功し、歩兵部隊への効果的な火力支援を可能とした車両であるといえる。なお、CM22は今後CM22A1への改修が行われるものと思われる。

【参考資料】
中華民国国防部公式サイト
中国武器大全
陸軍後勤學術半年刊公式サイト
維基百科 CM21

CM22 107mm自走迫撃砲
CM21装甲兵員輸送車(AIFV)
台湾陸軍