日本周辺国の軍事兵器 - FT-2滑空誘導爆弾(飛騰2型)

▼FT-2(500kg型)。


▼FT-2(250kg型)


性能緒元
全長
直径
翼幅
弾頭重量250kg/300kg/500kg
射程8〜80km
誘導方式レーザー誘導方式
命中精度CEP:15〜20m
装備機種J-8IIJ-10J-11BFC-1JH-7H-6など

FT-2滑空誘導爆弾(飛騰2型)は、2008年の珠海航空ショーでその存在が公開された新型スタンドオフ兵器。FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)を開発した中国運載火箭技術研究院により製作された。

FT-2は、FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)と同じく、既存の通常爆弾の尾部に誘導・制御装置を取り付けることで、精密攻撃兵器としての能力を獲得している。FT-2の特徴としては、「鑽石背」と命名された滑空用の折り畳み翼を装着する事で、射程を大幅に延伸(最小8km〜最大80km)している点である。滑空用の翼を持つ誘導爆弾はAGM-154 JSOW(Joint Stand-Off Weapon)としてアメリカ軍で使用されており、中国でもLS-6滑空誘導爆弾(雷石6)がすでに実用化されている。

FT-2は250kg爆弾型、300kg爆弾型、500kg爆弾型の3種類が存在する[1]。いずれも、爆弾後部に制御翼付きの誘導・制御モジュールを装着している。制御翼の枚数は、250kg型が中央部と尾部にそれぞれ4枚ずつ、500kg型が尾部に4枚。300kg型の形式は不明。

FT-2の誘導には、レーザー誘導方式が採用されている。FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)ではGPSと慣性航法誘導方式の併用であったが、FT-2は、前線の戦術目標の精密打撃に用いられる事を想定しており、そのため動目標への誘導が可能なレーザー誘導方式が採用されたものと思われる。

レーザー照準用ポッドを搭載した機体、もしくは地上要員による目標照射を基にして誘導が行われる。照準ポッドには赤外線暗視装置が組み込まれており、夜間の目標照準も可能。命中精度は、半数必中率(CEP: Circular Error Probability)換算で15〜20m。

【参考資料】
新浪網「組図:国産FT-2組合組件激光制導炸弾亮相」(2008年11月7日)
同上 「組図:在研250公斤FT-2激光制導炸弾亮相」(2008年11月9日)
星島環球報「【珠海航展】国産FT-5精確制導炸弾亮相」(2008年11月7日)[1]

FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)
中国空軍