日本周辺国の軍事兵器 - PL-7赤外線誘導空対空ミサイル(霹靂7/R550マジック)



A-5攻撃機に搭載されたPL-7


性能緒元
全長2.75m
直径15.7cm
重量90kg
最大速度M2.0
射程0.5〜14km
誘導方式後方赤外線誘導(PL-7)/全方位赤外線誘導(PL-7B)
装備機種J-7戦闘機(殲撃7/F-7/MiG-21)
 Q-5攻撃機(強撃5/A-5/ファンタン)

PL-7はフランスのマトラ(現MBDA)R550マジックをリバースエンジニアリングして製作された赤外線誘導ミサイルである。ただし、この件に関してフランス側の公式表明は無く、どのような展開があったのかは不明。R550と良く似た形状のミサイルとしては、PL-7のほかに開発中止となったPL-6が存在する。PL-7の開発を担当したのは株洲航空発動機廠(Zhuzhou Aeroengine Factory:ZAF)。開発は1982年に開始され、1984年に最初の試作品が完成。1987年から生産が開始された。

PL-7はオールアスペクト(全方位)攻撃能力は有しておらず、後方からの追尾のみ可能。1990年代初めに登場した改良型PL-7Bでは、シーカーが改良されオールアスペクト能力を獲得した。

PL-7は中国軍では運用されておらず、もっぱら輸出向けに生産が行われた。これは、天安門事件による西側技術移転中断や、イスラエルからオールアスペクト能力を有するパイソン3 AAMの技術提供を受けPL-8として国産化に成功したことが背景にあると見られている。PL-7は、イランとジンバブエに輸出されたことが確認されている。外国への輸出に関する業務は中国国家航空技術輸出入公司(CATIC)が担当しているが、同社のスポークスマンは2002年の会見の席でPL-7の計画は既に終了していることを明らかにした。

【2008年9月23日追記】
バングラデシュは、2006年にF-7BG/FT-7BG戦闘機16機を中国から輸入したが、その兵装としてPL-7(おそらくPL-7B)を採用したことが判明した[1]。

【参考資料】
「Jane's air launched weapons」 2006年(Robert Hewson/ Jane's Information Group)
Chinese Defence Today
中国武器大全
新浪網「中国把霹靂-7空空弾売給了孟加拉」(2008年9月23日)[1]

中国空軍