日本周辺国の軍事兵器 - SY300 300mm12連装自走ロケット砲(神鷹300)

▼珠海航空ショー2010に出展されたSY300の自走ロケット発射機とロケット弾の模型



性能緒元
重量全備重量不明/19トン(シャーシのみの重量)
全長11.43m
全幅3.05m
全高3.05m
エンジンディーゼルエンジン
最高速度 
航続距離 
渡渉深度1m
武装300mm6連装ロケット発射機×2

【開発経緯】
SY300(神鷹300)300mm12連装自走ロケット砲(中国語では制導火箭弾武器系統)は、2010年にその存在が明らかになった輸出向けの多連装ロケット・システム[1]。開発は、中国国家航天局(China National Space Administration:CNSA)の下部機関である中国航天科工集団公司(China Aerspace Science & Industry Corp.:CASIC)により行われた。

SY300の300とはロケットの口径(300mm)をあらわしている。CASICでは、SY300と同じシャーシを使用したSY400 地対地ミサイル・システム(中国語ではSY300と同じく「SY400制導火箭弾武器系統」)を開発しており、SY300とSY400をセットにしてSY300/SY400制導火箭弾武器系統として各国への売込みを図っている。

【性能】
SY300のシャーシには万山特殊車輌製造廠製WS-2400八輪重機動トラックが使用される。WS-2400八輪重機動トラックは、万山特殊車輌製造廠がソ連のMAZ-543Mをリバースエンジニアリングして開発した大形野戦トラックで、シャーシのサイズは、全長11.43m、全幅3.05m、全高3.05m、車体重量19トン、最大積載量22トン[2]。全備重量は、自走ロケット発射機の場合40トンに達するが、大出力のドイツ製ディーゼルエンジンを搭載し地形に合わせて空気圧を調整できる中央タイヤ圧制御システムなど装備することにより比較的良好な野外機動性を有しており、1mまでの徒渉水深能力が与えられている[2]。

車体前方には乗員4名の乗員室が配置されており、後部に荷台が配置されている。乗員登場区画はNBCエアコンや防護システムが標準装備[1]。発射に際しては、第3、第4車輪の間に装備されたジャッキを接地させて車体を安定化させる方式を採用している。

SY300は、車体後部の発射台に6連装ロケットランチャー2基を搭載している[3]。ロケット弾の口径は前述の通り300mmで、尾部には折りたたみ式の安定翼が6枚装着されており[3]、飛翔時に展開して弾道を安定させる。ロケットには簡易誘導システムが標準装備されているが、顧客の要望に応じてより高度な誘導システムに換装することも可能[1]。

【参考資料】
[1]远林「珠海航展中国对地打击体系」(『兵器知识2011 1A』/《兵器知识》杂志社/36-37頁)
[2]「遠火呼嘯、万鈞雷霆-我国遠程火箭炮発展全掲秘」(『全球防務叢書』第四巻 輔国号/内蒙古人民出版社/6〜17頁)
[3]搜狐网「军事大视野-SY300制导火箭弹武器系统-」

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