「また明日」まで、もう少しだけ
838 名前:「また明日」まで、もう少しだけ(1/2)[sage] 投稿日:2007/11/07(水) 23:29:07 ID:klCjBuqh
アリすずが少ないのでカッとなって書いた。反省はしていない。
短くてサーセン(´・ω・`)
*
「――それじゃあ、また明日ね、アリサちゃん」
「うん、また明日」
いつもの夜、すずかの家の前。リムジンから降りて、すずかが手を振る。あたしもそれに振り返す。
一日の終わり、また明日の朝まですずかとはお別れ。まぁ、あとで電話はするんだけどね。
ファリンが迎えに出てきたのを確かめて、あたしはウィンドウを上げた。外の物音が遠くなる。「よろしいですか、お嬢様」という鮫島の声に頷き――と。
コンコン、とウィンドウがノックされた。振り向けば、すずかがまだそこにいて。
「なに?」
ウィンドウを開けて、声をかけると。すずかがそっと、その身を乗り出してきて。
――ちゅ、と唇に柔らかな感触が、一瞬だけ触れた。
839 名前:「また明日」まで、もう少しだけ(2/2)[sage] 投稿日:2007/11/07(水) 23:29:37 ID:klCjBuqh
あたしが何か言う間もなく、すずかは顔を真っ赤にして。「――じゃ、じゃあね!」とだけ早口で言って、背を向けて駆け出す。
「…………」
自分の唇に指先だけで触れて、あたしはひとつ、小さく息をついて。
「鮫島」
「――私は何も見ておりませんが。アリサお嬢様」
「じゃあ、そのついでに。――もう少しだけ待ってなさい」
「かしこまりました」
鮫島の返事も待たずに、あたしはドアを開けて飛び出す。
前を走るすずかの足が止まり、リムジンのドアが閉まる音に振り向いた。――だから、追いつくのはすぐ。
「アリサ、ちゃ、?」
そして、追いついた勢いのまま、あたしはすずかを抱きしめて。
不意打ちには、不意打ちでやり返すのだ。
「んっ――」
ただし、一瞬じゃなくて、もう少し長く。
ばいばいの時間を、少しでも引き延ばそうとするみたいに。
ファリンが見てるとか、そんなことは意識の外へと追い出して。
「…………ん、」
驚いたように竦んでいたすずかの身体から力が抜けて、あたしの背中に腕が回される。
そして、お互いの温もりを――「また明日」まで、もう少しだけ。
アリすずが少ないのでカッとなって書いた。反省はしていない。
短くてサーセン(´・ω・`)
*
「――それじゃあ、また明日ね、アリサちゃん」
「うん、また明日」
いつもの夜、すずかの家の前。リムジンから降りて、すずかが手を振る。あたしもそれに振り返す。
一日の終わり、また明日の朝まですずかとはお別れ。まぁ、あとで電話はするんだけどね。
ファリンが迎えに出てきたのを確かめて、あたしはウィンドウを上げた。外の物音が遠くなる。「よろしいですか、お嬢様」という鮫島の声に頷き――と。
コンコン、とウィンドウがノックされた。振り向けば、すずかがまだそこにいて。
「なに?」
ウィンドウを開けて、声をかけると。すずかがそっと、その身を乗り出してきて。
――ちゅ、と唇に柔らかな感触が、一瞬だけ触れた。
839 名前:「また明日」まで、もう少しだけ(2/2)[sage] 投稿日:2007/11/07(水) 23:29:37 ID:klCjBuqh
あたしが何か言う間もなく、すずかは顔を真っ赤にして。「――じゃ、じゃあね!」とだけ早口で言って、背を向けて駆け出す。
「…………」
自分の唇に指先だけで触れて、あたしはひとつ、小さく息をついて。
「鮫島」
「――私は何も見ておりませんが。アリサお嬢様」
「じゃあ、そのついでに。――もう少しだけ待ってなさい」
「かしこまりました」
鮫島の返事も待たずに、あたしはドアを開けて飛び出す。
前を走るすずかの足が止まり、リムジンのドアが閉まる音に振り向いた。――だから、追いつくのはすぐ。
「アリサ、ちゃ、?」
そして、追いついた勢いのまま、あたしはすずかを抱きしめて。
不意打ちには、不意打ちでやり返すのだ。
「んっ――」
ただし、一瞬じゃなくて、もう少し長く。
ばいばいの時間を、少しでも引き延ばそうとするみたいに。
ファリンが見てるとか、そんなことは意識の外へと追い出して。
「…………ん、」
驚いたように竦んでいたすずかの身体から力が抜けて、あたしの背中に腕が回される。
そして、お互いの温もりを――「また明日」まで、もう少しだけ。
2007年11月08日(木) 01:17:06 Modified by nanohayuri