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それぞれの優しさ2



587 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 07:29:10 ID:cjqXMhlv

任務から帰ってきたフェイトちゃんは、怪我をしていた。

「え〜と、ちょっと失敗しちゃって……でも傷は浅いから痕も残らないし
一週間もすれば痛みもひくってシャマル先生が……
なのは?顔が怖いよ?」

あたふたしているフェイトちゃんがちょっとかわいくて
ついつい笑ってしまいそうになる……でもここで笑っちゃだめなの。

「フェイトちゃん、怪我しちゃったものはしょうがないよ
 でもどうして帰ってくる前に言ってくれなかったの?
今日シャーリーから聞いてびっくりしたよ?」
「あ、あ〜そこを怒ってたのか……」
「むぅ……」
「ほんとにそんなにたいしたこと無い怪我だし
今日には家に帰れるから余計な心配かけるだけかなーとか思って」
「もう!フェイトちゃんのことを思うのに余計なことなんて無いよ
それより怪我してるのに教えてもらえないことの方がつらいよ?」
「はい、すいません。以後気をつけます」
「ほんとにわかったの〜?」
「うん、私となのはの間に秘密は無いよ、任務のこと以外何でも話す、約束する。
 私だってなのはが怪我したりしたらすぐにでも教えてもらいたいから。
 だからごめんなさい」
「わかればよろしい!」

ちょっとえらそうに胸を張って答えたわたしを、ホッとした表情で見るフェイトちゃん。

「えっと……なのは?」
「ん?」
「おいで?」
「うんっ!」

両手を広げて(左腕は痛いみたいで広げてないから正確に言えば片手を広げてだけど)
わたしを迎えてくれるフェイトちゃんの腕の中に包まれる。

「ただいま、なのは」
「うん、おかえりフェイトちゃん」



588 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 07:29:59 ID:cjqXMhlv

「なのは、会いたかったよ」
「も〜フェイトちゃん、今回の任務は3日間だけだったのに
 そんな久しぶりに会うみたいな言い方して」
「うん、でも何かすごく会いたかったんだ」
「ふふ、実はわたしもだよ」

フェイトちゃんの腕に抱かれながらフェイトちゃんの体温を感じる。
わたしにとってすごく安らげる瞬間。

「なのは……」

フェイトちゃんが私の頬に右手を添えて見つめてくる。

「フェイトちゃん……」

目を閉じるとフェイトちゃんの唇が私の唇に触れた。
「……ん」
触れるだけだと思っていたのに、ちょっと長いなと考えた瞬間――
「んぅ…………」
フェイトちゃんの舌が滑り込んできた。
「ん……はぁ…………なのは……」
熱のこもった口付けに、ひざが崩れそうになる。
「ぁ……フェイト……ちゃん」
頭が痺れてきて何も考えられなくなりそうに……


「フェイトママー?」


「!?」
声に驚いて振り返ると、眠そうに目をこすりながら立つヴィヴィオがいた。
任務から帰ってきたばかりのフェイトちゃんは
書類整理などで日を跨ぎそうな時間の帰宅だったので
ヴィヴィオは先に寝かせていたはずだった。

はずだったのだが、どうやら玄関先でフェイトちゃんに文句を言っていたのが
思ったよりも声が大きかったらしい。
わたしたちは慌てて体を離し、ヴィヴィオに向き直る。



589 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 07:30:53 ID:cjqXMhlv

「あ〜やっぱりフェイトママだ〜おかえりなさ〜い!」
「うん、ヴィヴィオただいま。ごめんね起こしちゃって」

あっという間にママの顔になったフェイトちゃんは
抱きついてきたヴィヴィオを抱えあげて満面の笑みを浮かべる。
良かった、とりあえずヴィヴィオには見られてなかったみたい。
でももしもあのままヴィヴィオが来なかったら…………。

『なのは、ごめんね続きは後で……』
ちょっと危ないことを考えかけたとき、念話で話しかけられる。
『後でって……もう!そもそも玄関先であんな激しいのは……
 ヴィヴィオは見てなかったみたいだから良かったけど……』
『ふふ、なのは、かわいかったよ』
『なっ!?…………』

……ほんとにこの人は。
まだ眠そうなヴィヴィオをベッドに抱えていくフェイトちゃんの後ろ姿を見ている私は
きっと赤い顔をしているのだろう。

フェイトちゃんとお互いの気持ちを確認しあってから随分経つ。
一緒に住むようになって、ヴィヴィオが家族になって。
六課解散の後も、わたしたちはミッドの地上に家を借りて一緒に暮らしている。
こんなに同じ時間を共有しているのに、フェイトちゃんはいまだに私をドキドキさせる。
むしろ、いまだに好きな気持ちが大きくなっていると思う。


出会った頃から変わらない綺麗なフェイトちゃん。
優しいフェイトちゃん。
まっすぐなフェイトちゃん。
ちょっぴり頑固で、照れやなフェイトちゃん。
ずっと、ずっと私と一緒の時間を過ごしてください。
ヴィヴィオと三人で、いつまでも幸せに暮らしていきたいです。

フェイトちゃん、愛しています――



590 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 07:31:48 ID:cjqXMhlv

ベッドに運ぶとヴィヴィオはすぐに眠りについてしまったので
フェイトちゃんは荷解きをはじめた。

「私はシャワーを浴びてから寝るから、なのは先に寝てていいよ?」
フェイトちゃんはそう言ったけど、
左腕をかばっているフェイトちゃんは荷解きすら大変そうだった……
「わたしはまだ大丈夫。
それよりフェイトちゃん、怪我してるのにシャワー浴びて大丈夫なの?」
「大丈夫だよ?怪我した場所のシールは防水だからちょっとは濡れても平気だし
 シャマル先生からも許可を貰ってます」

そっか、シャワー浴びるの自体は問題ないんだ……それじゃ
「服、脱ぐの大変じゃない?」
「あ……うん、それはちょっと大変だけど……」
「じゃあ手伝うよ」
「え?あ、大丈夫だよ昨日の夜と今朝でだいぶコツをつかんだから」
「むぅ〜手伝いたいの!」
「そう?じゃあお願いしちゃおうかな」

フェイトちゃんのために何か出来ることが嬉しい。
着替えを用意してフェイトちゃんと一緒にバスルームへ向かう。
どうせなら一緒に入っちゃおうかとも考えたけど
わたしは既にヴィヴィオと済ませちゃってるので着替えの手伝いだけ。

「どうしたらいい?」
脱がせようかと思ったがどこが痛いのかよくわからない。
「んと……とりあえずここ持っててもらえる?
 で、こうして……んしょ……こっちに引っ張ってもらえるといいみたい」
うん、わかったよとフェイトちゃんの言うとおりに手伝っていく。
――「いいみたい」って言い方が何となくひっかかった。

「ブラもはずしてあげるね」
「あ……ありがとう片手だとホックが大変だから助かるよ」
少し恥ずかしそうにしながらも素直にされるがままになっているフェイトちゃん。

……あれ?はずすの大変だったら今朝つけるときはどうしたんだろう?
スカートを脱ぎ、ストッキングをちょっと苦労しつつ脱ぐフェイトちゃんを見ながら
ふと疑問に思ったので聞いてみる。



591 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 07:32:34 ID:cjqXMhlv

「ねえフェイトちゃん、今朝とか着替えるときはどうしてたの?」
「え?あ……えと……」
私の質問に赤い顔をしながら答えるフェイトちゃん。
「あの……ティアナに手伝ってもらいました」


――やっぱり


ティアナはフェイトちゃんの補佐官だもんね
捜査現場だけじゃなくて四六時中一緒なのはわかってる。
……だけど、なんだか悔しい。
別に私はいつもフェイトちゃんの側にいたいわけじゃない。
わたしたちの選んだ仕事はそれぞれ別の道だから、そんなこと思っていない。
でも……着替えの手伝いとかそんなこと出来るのは私だけだって思っていた。


「どうしたの?もしかしてなのは、やきもち妬いてくれてる?」
「何言ってるの〜そんなんじゃないよもう!」
「そう?ふふ、じゃあなのはもう大丈夫だよありがとう」
「え?でも……」
「んっと、パンツは自分で脱げます…………」

真っ赤な顔で言うから
「あ、ご、ごめん!」
ついわたしも赤くなっちゃって……。
「じゃあ何か困ったことあったらすぐ呼んで!」
なんとなく恥ずかしくて脱衣所から飛び出した。


『ちょっとインナーの袖を押さえてもらったりとか
 ブラのホックだけ止めてもらったくらいだよ〜?』
なんだか楽しそうにバスルームから念話で話しかけてくるフェイトちゃん。
『もう!別に何も思ってないってば〜!』


そう、何も思うことなどないはず。
ティアナは私の教え子で、あの子のことはわたしもよくわかっている。
頭が良くて、生真面目で、よく気がついて……本当にいい子だ。


でもなぜだろう、何となく不安な気持ちが拭えない……。



596 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 14:58:29 ID:cjqXMhlv

あれ?
書類整理がひと段落ついたところで、ファイルが一つ足りないことに気づいた。

「シャーリーさん、備品発注書のファイルってどこにあるかわかりますか?」
「あ、フェイトさんがチェックして……他のファイルと一緒に持っていったのかも」
「フェイトさんどこ行ってるんでしたっけ?」
「さっきクロノ提督のところに打ち合わせに行って……
 ちょっと休憩してから戻るって通信が入ってたから
喫茶室にでもいるんじゃないかな?
今日はフェイトさん、ランチも食べられないままこんな時間だもんね」

時計を見るとちょうど午後の休憩時間になる頃だ。

「通信で呼んでみる?」
シャーリーさんが提案してくれたけど、あたしはそれを断って席を立った。
「大丈夫です、直接受け取ってその足で提出してくることにします」
「そう、じゃあティアナもついでに休憩とってきたら?」
「ありがとうございます、じゃあそうしますね」

他の書類をまとめて喫茶室に向かう。
フェイトさんと一緒にコーヒーでも飲みながら休憩もいいな……。
フェイトさんへの気持ちに気づいてからは
こんな些細なことでも心を躍らせる自分がいる。
執務官になる夢を叶えることだけを目標に夢中で頑張ってきた。
そんな自分が誰かに恋をして、こんなに温かい気持ちになれるなんて……。
たとえそれが叶わぬ恋だったとしても
やっぱりフェイトさんを好きになって良かったと思える。


――フェイトさん、あなたの側にいられるだけで、あたしは幸せなんです。






597 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 14:59:15 ID:cjqXMhlv

喫茶室に行くと、すぐに綺麗な金髪の背中を見つけた。
高鳴る胸を押さえつつ、声をかけようとしたとき


「あ、ティアナ、久しぶりだね!」


フェイトさんの影になって見えていなかった人物が私に声をかけた。


「なのはさん……」


「ティアナ〜私もいるよ〜」
「あ、八神部隊長も!ごぶさたしてます」
「いややな〜もう部隊長やないで?」
「あ、そうでした……すいません、つい。え〜と……」
「はやてでええよ」
「じゃあ……はやてさん」
「ん、ええね〜新鮮な気がするわ〜」

……はやてさんがいてくれて良かった。
別にそんなに意識してるつもりは無いんだけど、今のは不意打ち。
なのはさんの顔を見ただけで一瞬息が詰まるような……
フェイトさんへの気持ちはやましいものでは無いと思ってる。
でも、なんとなく気まずいというか心苦しいというか。

とにかく、変な空気にならずに済んだのははやてさんのおかげだ。

「そうですか?それよりほんとお久しぶりですね?
なのはさんも……皆さんお揃いで見るのは六課解散以来です」

私が三人に視線を送ると、なのはさんが答えた。
「うん、わたしは今日は午後から急にお休みになっちゃって
 たまたまここを通りかかったらフェイトちゃんとはやてちゃんに会って」
「そうなんだ、クロノのところに行ったら入れ違いではやてが来てて
 ちょうど休憩時間だったしお茶でもと思ったらなのはが来てね。
 三人揃うのは久しぶりだからつい話し込んじゃった」

フェイトさんがニコニコと本当に嬉しそうに笑いながら言う。




598 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 15:00:11 ID:cjqXMhlv

「ところでティアナ?どうかした?何かトラブル?」
フェイトさんが心配そうに私に話しかけてくる。
「ああ、いえ、備品発注書のファイル、フェイトさんが持ってると思って」
「あ、ごめんね、もしかしてわざわざ取りに来てくれたの?」
「いえ、急ぎとかでは、なく、そのまま提出しようかと、思ったので
 ついでに取りに来た、というか……」

しどろもどろになってしまう。
久しぶりに、なのはさんと一緒にいるフェイトさんを見たせいだ。
しっかりしろティアナ!
なのはさんに笑いかけるフェイトさんなんて見慣れてるはず。
だいたい、あたしは側にいるだけで満足なはず!
うん、大丈夫、あたしは出来る子!!
なんだかよくわからないノリで自分に渇を入れる。

「良かったらティアナも少し休憩していかない?」
フェイトさんが誘ってくれたが、私はそんな気にはなれなかった。
「いえ、まだ法務関係の書類も残ってますし、今日中に片付けたいので……」
「……そっか、じゃあお願いするね。はい、これ」
フェイトさんは立ち上がって私の方へ歩み寄り、ファイルを渡してくれる。
「じゃあ私はこれを届けてからそのまま執務室に戻ってますね
 フェイトさんはせっかくなのでゆっくりしてきてください」
「ん、ありがとう。私ももうすぐ戻るよ
 それよりティアナ、いつもいろいろありがとうね。
 ティアナは頑張りやさんだから、ついつい私も頼っちゃって……
 もう少し楽できるよう仕事の振り分けも考えるから」

そう言いながらフェイトさんは、私の襟を正してくれる。
そして肩を撫でてから、ポンと頭に手を乗せて優しく微笑んだ。
その優しい瞳と笑顔を間近で見た私は、つい赤面してしまい目をそらしてしまう。

「もう、フェイトさんは甘やかし過ぎです!
 しばらく忙しいんですからそんな気使いしてる場合じゃないですよ。
 私はまだまだ大丈夫です!だからゆ〜っくり休んでから戻ってください!」

「あ、ティアナ〜。
 もう〜ティアナこそゆっくり戻ってきていいよ〜」

後ろでのん気に笑ってるフェイトさんの声が聞こえたが無視することにして
私は早足でその場を立ち去った。

ほんとにあの人はもう!
その動作や言葉ひとつひとつにドキドキしてる私の身にもなってください。
まして、それがなのはさんの前でなんて……。












599 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 15:01:05 ID:cjqXMhlv

今日は、終日新型装備のテストの予定だった。
でも急遽、装備の不具合調節のために午後からの予定がぽっかりと空いてしまった。
手持ち無沙汰で、どこか空いている訓練場でトレーニングでもしようかと
本局を歩いていると、喫茶室の前で呼び止められた。

「あ、なのはちゃんや〜!」

ちょっとだけご無沙汰していた親友の声、はやてちゃんだ。
嬉しくなって近づいていくと、隣で優しく微笑んでいるフェイトちゃんがいた。
毎日家でも会っているけど、こうして職場で会うことは最近少なかったので
単純に嬉しかった。

思わず笑みがこぼれた私を見てはやてちゃんが
「久しぶりに会った親友よりも毎日会ってる恋人の方がええんか〜」
大げさに泣いたふりをするはやてちゃん。
「そんなんじゃないよー!もう!わかってるくせにいじわる言わないで〜」
「そうだよはやて、大きな声でそんなこと……」
「あはは、冗談やー。
クロノ君のとこでたまたまフェイトちゃんと会ってん。
なのはちゃんも時間あるならちょっと一緒せーへん?」
「うん、ちょうど午後から時間空いちゃったところだから遠慮なく!」

久しぶりの親友三人でのひととき。
やっぱり落ち着くし、話もはずむ。

ふと視線をずらすと、こちらに向かってくるティアナが目に入った。
フェイトちゃんの背中だけを見つめて、私とはやてちゃんには気づいていないみたいで。
……ティアナがフェイトちゃんの名前を呼ぶ前に、わたしから声をかけた。


「なのはさん……」


瞬間、ちょっと戸惑ったような表情をするティアナ。
あ、わたしが声をかけない方が良かったかな……余計なことを考える。
なんか気まずくなりそうな空気を感じたときに、はやてちゃんがティアナに話しかけた。

……別に気まずくなんてなるはずないのに。
なんでそう思ったのか。
でも、心のどこかで、はやてちゃんがいて良かったとそう思った。






600 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/02(木) 15:02:05 ID:cjqXMhlv

フェイトちゃんが持っていた書類を取りに来たというティアナに
優しくねぎらいの言葉をかける愛しい人。


――フェイトちゃん、なんだか顔が近いよ?


ティアナの襟を正し、肩を撫で、頭に優しく手を置く。


――フェイトちゃん、スキンシップ過剰過ぎじゃない?


なぜだろう?
フェイトちゃんがこういう人だっていうのは昔から知っているのに。
キャロやエリオに同じことをしているのを何度も見ているのに。
どうしてこんなに胸が騒ぐのだろう。


「フェイトちゃんは相変わらず天然王子様やなー」
隣に座るはやてちゃんがつぶやいた。
「あんなことされたら、勘違いしちゃう子いるでーあれは」
「え?まさか」
「ん〜まあティアナは賢い子やし六課の仲間やからなー勘違いはしないやろうけど。
 なのはちゃんとのことも知ってるしなー。
 でも、そんなティアナですら顔真っ赤やし」


――ああそうか、この胸騒ぎの理由がわかった


「あーほら、照れてどっか言っちゃったやん〜」
「あはは、ほんと困った人だねフェイトちゃんてば」


――ティアナはフェイトちゃんのことが好きなんだ


「あんなことあちこちでしてたら、なのはちゃん焼きもちやきまくりやなー」
「いやだなーはやてちゃん、そんなことしないよー」


――してるよ、ティアナに嫉妬してる……
――フェイトちゃんと共有する時間が私より多いかもしれないティアナに嫉妬してる
――だから、フェイトちゃんの口からティアナの名前が出ると不安になったんだ……





それぞれの優しさ3
2009年08月30日(日) 17:55:59 Modified by coyote2000




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