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それぞれの優しさ4



704 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 08:47:26 ID:WVY2F//U

―*―*―*―

今日からはフェイトさんと別行動になった。
陸士たちの報告によるとほとんどの街は捜査したとのこと。

「もう、この世界にはいないのではないでしょうか?」
「きっと犯罪者は別世界に逃げ出したのでしょう」

陸士たちが口々に言う。
そうなのかもしれない……これだけ探しているのにロストロギアどころか
不審な魔力反応も無いというのだ……作戦を練り直すべきなのか……。

「捜査の指示はフェイト執務官からあります。
 今日のところは残りの場所の捜査を終わらせましょう」
「……了解しました」


……なんだろう?気が進まないのだろうか?
だがそうなるのも無理は無いのかもしれない。
もう1ヶ月以上も人海戦術のようなことを続けているのだ。
疲れが溜まっていておかしくはない……。
彼らの分もあたしが頑張ろう。
みんなの負担を軽くし、あたしがエリアサーチをかけて入念に探索する。

自分がやらなければ……その思いがあたしをサーチに集中させた。
あまり強力なサーチは使えないので普通よりも集中して制御しなければならない。
……むしろ集中し過ぎていたのかもしれない


他のことにはあまり気が回らないほどに。








705 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 08:48:07 ID:WVY2F//U

夜、フェイトさんがシャーリーさんを部屋に呼んで3人で打ち合わせをした。

「ティアナ、街の方はどうだった?」
フェイトさんの質問に、今日の様子を伝えた。
今日のところは特に何も見つけられなかったこと
そしてこれまでの陸士の捜査を含めると全ての街の探索は終わったことになること。
犯罪者もロストロギアももうこの世界には無いのではないかという
陸士たちの意見も報告した。

「うん、そうだねその可能性もある。
 でも犯罪者の方は魔力を抑えているかもしれないし
 ロストロギアも一時的に封印している可能性も捨てきれない」
「そうですね、そもそも管理局で反応を確認したときも一瞬でしたし
 任務期間ギリギリまでは捜査を続けるのが妥当だと思います」
あたしの答えに、フェイトさんは満足したように頷いた。

「シャーリー、今日までの陸士のみんなの捜査データ
オリジナルの方を私の端末にまとめて送ってもらえる?」
「あ、はい了解しました。
 でも毎日フェイトさんに渡しているものとそんなに変わりませんよ?」
「うん、シャーリーは書類作成は優秀だからね、ちゃんとまとまっているよ
 わかっているんだけど……ちょっと調べてみたいなと思って」
「わかりました、部屋に戻ったらすぐに送ります」
「ありがとう」

シャーリーさんに指示を出し、私の方に向き直るフェイトさん。
「ティアナ、私の方の探索はもう2〜3日かかるから
 それまでまた、一から街の探索をしてもらえるかな?
 それと、陸士たちは疲れているようだしその間休みをとらせようと思う」
「はい、了解しました」


シャーリーさんが部屋に戻り、あたしもシャワーを浴びて休むことにした。
今日もフェイトさんはもう少しやりたいことがあるからと、起きているようで。

陸士たちのデータを洗いなおすのだろうか……
もう見慣れた、モニターに照らされるフェイトさんの横顔。
いつもよりすごく真剣で、綺麗だと思った……。







706 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 08:48:48 ID:WVY2F//U

1人で街を探索して2日目、あたしは少し違和感に気づいた。
エリアサーチをしていると住民たちの魔力は確かに感じる……
だけどそんなに邪魔になるものではないのではないのではないかと思ったのだ。

陸士たちのサーチ能力は確かにそんなに高いものではない。
だが、これくらいの魔力を探知の邪魔になるほどやっかいなものと捉えるだろうか?
……それともあたしが成長してる?

わからない。
ただ、あたしは自分に出来ることをすることだけだ。
2日間必死で捜査した結果、少しだけ収穫があった。

どうやら住民の中には、先天的に魔力値の高いものがまれにいるらしい。
そしてそういう住民はみな幼い子供ばかり。
たぶん、成長とともに魔力が失われていくのだろう。
まあ、特に訓練するわけでもないのだ、それが当たり前なのかもしれない。
不思議なものが見えたりする子供や動物が
成長とともにその力が薄れていく……よくある話だ。


そして3日目、その日訪れた街のうちいくつかには
そういった魔力値の高いものが1人もいなかった……。
そういうこともあるだろう、だが一応フェイトさんには報告しておこう。


この3日間、なんだか疲れた……。
なんだか常に誰かに見られているような気がしていたからだ。
たぶんあたしはこの世界の住民たちからすると外国人を見るようなものなのだろう。
服装とか……ちょっと違うのもあるだろうし。
陸士たちもこんな思いをしたのだろうか……
だとしたらこの3日間でちゃんと休養を取れているといいんだけど。


日も暮れてきたので、あたしはシャーリーさんに通信を入れて本部に戻ることにした








707 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 08:49:41 ID:WVY2F//U

「以上が、この3日間のまとめです」
「うん、ありがとうティアナ、だいたいの状況はつかめたよ。
 それからシャーリー、頼んでおいたデータ、私の端末に送っておいてもらえるかな」
「あ…………はい、わかりました」

今日もフェイトさんとシャーリーさんと、夜の打ち合わせ。

明日からの作戦として
休養明けの陸士たちにもこれまでどおりの捜査にあたってもらい
居住区外の捜査を今日で終わらせたフェイトさんは
あたしと一緒に行動することになった。

「明日の捜査地域は、こことここ、それからこの街を中心にします」
フェイトさんの指定した地区を確認し、細かい作戦を立てる。
「シャーリーは、私とティアナのフォローと陸士たちとの通信をお願い。
 常に回線は繋げておくように指示も忘れないで」
「了解しました」
「うん、じゃあ今日はもう休んでいいよ、ありがとうシャーリー」
「はい、ではまた明日お疲れさまです。ティアナも、お休み」
「お休みなさい、シャーリーさん」


シャーリーさんが部屋に戻りフェイトさんと2人になる。

――いつまで経っても慣れないな……

まあ、最初の頃よりはましか。
フェイトさんと同室になりたての頃は
着替える仕草やベッドに入るとこ、あくびをするフェイトさんにすらドキドキしてた。

一緒にいる時間が積み重なるほど、フェイトさんへの思いが強くなっていく。
でもこの任務が終わればもうこんな時間もほとんど無くなるんだろう。
もうすぐあたしも執務官試験を受けてひとり立ちする……。

……試験に受かってもいないのに考えてもしょうがないか。
だいたい一発で受かるわけもないのだ……
まだまだフェイトさんの側にいることになるかもしれない。

なんか、いろいろ複雑な気持ちになってきた……。
早く寝て明日の捜査に備えよう……。




709 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 09:09:37 ID:WVY2F//U

翌日、捜査は急に進捗した。
フェイトさんの指示のもと移動し、サーチをすると結界が張られた街があったのだ。

どういうことだろう?
まるでフェイトさんはそれを知っていたかのように的確に行動した。
そして、半日とかからずに犯罪者の拠点をつきとめたのだ。

フェイトさんに対してもそうだが、陸士に対しても疑問が尽きない。
これだけの結界、陸士たちだって気づかなかったはずはない……
それとも組織はあたし達をかわして拠点を移動させていたのか。

……そこまで考えて思い当たった結論。
「フェイトさん、陸士に通信を入れて彼らと一緒に突入しますか?」
「いや、その必要はないよ。たぶん彼らはもう中にいる」

やっぱり。

「ティアナ、もう気づいたよね?」
「はい……彼らは犯罪者側の協力者ってことですね」
「うん、たぶん間違いないかな。
 ごめんね、彼らに私が気づいたことを悟られないようにティアナには黙ってた」
「そうですか……そうですね
一緒に捜査するのにあたしが知っていることがわかったら警戒されますもんね」
「まあ、そういうことかな」

そうか、だからフェイトさんは陸士たちのデータを考察していたんだ。
昨日シャーリーさんから貰っていたデータも休養中の彼らの動きを探った結果だろう。

「おかげでこの場所が割り出せたよ。
 それにティアナの単独捜査のおかげで
魔力値の高い子供がたぶん囚われていることも……確実だと思う」
「この付近の町には魔力値の高い子供たちが1人もいなかったからですね」
「うん、さすがティアナ、優秀だね」
優しくあたしに微笑みかけたフェイトさんは次の瞬間真剣な顔つきになる。

フェイトさんは通信を開くとシャーリーさんに連絡する。
「シャーリー、中の状況はわかる?」
「いえ、結界が強くて状況はわかりません、陸士たちとの回線も切られています」
「了解、ティアナと突入します。結界を破った後の管制と
 子供たちを開放したのちの保護の準備をお願い。
 局員たちには、陸士たちを拘束したときの準備をさせておいて」
「わかりました、フェイトさん、ティアナ、気をつけて」







710 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 09:10:17 ID:WVY2F//U

結界を破り建物に突入する。
思っていたよりも広い建物だ……。
中にいた研究員らしき人達は抵抗を試みようとはしたが……
この世界の人達のようで、しょせん一般人のレベルなのであたし達には通用しない。
むしろ砲撃系の魔法を数発打ったとこで勝ち目はないと判断したのか
抵抗をすることは諦めてしまった。

「シャーリー、聞こえる?」
「はいフェイトさん、結界が破られたので通信は可能です。
 建物の北側に被保護者がいると思われます!おそらく陸士たちもその付近に。
ロストロギアについてはジャミングがかけられているのか、未確認です」
「了解!引き続きロストロギアの反応を探って!
 ティアナ、子供たちの囚えられてる場所の方が近い、まずはそこに行くよ!」
「はい!」

フェイトさんに従い、目的の場所まで急ぐ。

「この先は……行かせないっ……!」
子供たちが囚われているであろう部屋の手前で、陸士たちが立ちはだかる。
彼らは……彼らのせいで捜査は撹乱され、こんなに時間がかかったのだ。
あたしは簡単に騙されていた自分自身にも腹を立てていた……。

「フェイトさん、ここはあたしが!」
「了解!私は救助に回る!」
陸士たちの攻撃を簡単にかわし、フェイトさんは部屋の中へ突入した。

「クロスミラージュ!」

"Yes sir"

「クロスファイアー!」
あたしの周りに複数の魔力光が浮かび上がる。

「シュート!!」
立ちはだかる陸士たち全員に向けて一斉射撃する。

「うわぁぁぁぁぁ!!」
陸士たちは次々と倒れ、そのままバインドをかける。
「く……くそっ…………」
抵抗しようとはしたが、Bランク程度の陸士に破られるようなことはさすがに無い。
フェイトさんも無事人質を助け出したようだ。


…………なんだかあっけない。







711 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 09:10:51 ID:WVY2F//U

陸士たちを拘束し、フェイトさんのもとへ駆けつける。

「フェイトさん、人質は……?」
「うん、大丈夫、全員救出した」
「良かった、無事だったんだ……」

ほっとしたあたしにフェイトさんはちょっと難しい顔をした。
「そうとも言えないかな……シャーリー!聞こえる?」

「はい、フェイトさん」
「人質は保護したけど、意識レベルが弱い。
 魔力による影響だとしたらこの世界では治療出来ないから、管理局に転送したい。
 それから、ティアナが拘束した陸士たちもお願いしたいんだ」

「了解しました!もうそちらに局員を向かわせています、到着まであと2分。
陸士は局員の監視のもと本局に緊急転送します。
 被保護者には私が付き添いますが、それでよろしいですか?」
「うん、人手が足りないから……それで構わない。
私とティアナはロストロギア回収のために残る」


ただでさえ人員が少ないのに……一度転送ポートを使えばすぐには戻れないだろう。
あたしは唇を噛んだ。
けど、しょうがない。
人質を一刻も早く治療するためには迎えの艦船を待っている時間は無い。
罪も無い子供たちに何の研究をしていたというのか……怒りがこみ上げる。


「フェイトさん!ロストロギアらしき反応を確認しました!2箇所です!」
シャーリーさんからの通信に、あたしとフェイトさんは顔を見合わせる。
これだけの施設なのにあっさり人質救出が成功したり
組織がバラバラになり過ぎることがお互いに府に落ちない。

そしてこのタイミングでのロストロギアの反応……どちらかはフェイクだろう。

「了解!シャーリー、後は頼んだよ!
 ティアナ、私はあっちを、ティアナはそっちをお願い。
ロストロギアもしくは首謀者を確認したらお互いをすぐに呼ぶこと」
「了解しました!」

あたしとフェイトさんは別々にそれぞれの反応へ急いだ。







712 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/11(土) 09:11:20 ID:WVY2F//U

あたしが向かった反応の方は思いの他近かった。


…………ここだ。


シャーリーさんに示された部屋の前に立つ。
中からは膨大な魔力を感じる。

フェイトさんの方がフェイク?

いや、考えている暇は無い、突入するっ!


ドカンッ


部屋のドアを吹き飛ばして中に入った。
中は、薄暗い研究室で……魔力をまとった人物が後ろ向きで立っていた。

『フェイトさん!聞こえますか!?』
念話で呼ぶが返事が無い……。
『フェイトさん!?首謀者と思われる男を発見しました!フェイトさんっ!』
返事が無い。
何か……!?一瞬不安が頭をよぎったが、フェイトさんに限って大丈夫!
今はこの男を確保することが優先だ。


「おとなしくしなさいっ!
 あなたの協力者たちは全員確保して人質も保護しました!
 ロストロギアの不法所持と私的利用および誘拐の罪で逮捕します!」
クロスミラージュを構え、男に向かって叫んだ。


男がゆっくりと振り向く。
その顔を見て驚愕した……。




それぞれの優しさ5
2009年08月30日(日) 18:03:07 Modified by coyote2000




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