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ヴィヴィオ、潜入す

460 名前:304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:33:55 ID:iGswutV8
なんだかあまりにも短すぎるのでこれから別のを投下しようと思います。
なのフェ+ヴィヴィオのほのぼの家族もの。
9回に分けて投下します。

461 名前:ヴィヴィオ、潜入す(1/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:38:18 ID:iGswutV8
管理局の一室。機材の影に隠れるように小さな塊がこっくりこっくりと船を漕いでいた。
がくり、と頭が傾き後頭部がごちん、と壁に当たる。
頭を抑えて悶絶する。しばらく経つと痛みはましになった。

痛かったよぅ、ママ…。ママ…?

なぜ管理局にヴィヴィオがいるかというとフェイトに会いに来たのだ。
次元航行隊に復帰したフェイトは家を空けることが多く、ヴィヴィオもなのはも
寂しい思いをしていた。
図らずも今日はなのはが休日で家に二人でいたときに通信が入り、今日久しぶりに帰ってくる。
しかももう地上本部に着いているそうな。
通信が終わって二人で喜んでいると、むくむくと早く会いたいという気持ちが大きくなってきた。
それでなのはの目を盗みこっそり侵入したのだ。
しかし流石管理局。広い広い。
幸いにもヴィヴィオが捜索を始めた場所は人がいなくて見つからずに歩き回れたが
あまりの広さに次第に疲れていき、適当な部屋に入って休憩するつもりが
知らず知らずの内に居眠りをしてしまったらしい。
まだ多少痛むのを堪えながら捜索活動を再開しようとしたところで扉が開いた。

あ!フェイトママ!

丁度フェイトが何人もの局員と連れ立って部屋に入ってきた。
声を掛けようとしたがいつもの違う様子に圧倒される。
何人もの人に囲まれながら話をし、てきぱきと指示を出し全体をまとめ、
安心させるかのように笑みを零したかと思うと真剣な顔で何かを訴えかける。
それはヴィヴィオが見たことのないフェイトの仕事の顔だった。

ママかっこいい…。

終始うっとりと見惚れているとずいぶんと時間が経っていたようだ。

462 名前:ヴィヴィオ、潜入す(2/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:41:53 ID:iGswutV8
さっきはそれなりに賑やかだった部屋はフェイトと男性局員の二人だけになっていた。
今か今かと出て行くタイミングを待っているヴィヴィオをしり目に
フェイトに男性局員が近付いていく。

「執務官お疲れ様です。どうですか?この後食事でも…」
「ああ、すみません。今日はちょっと…」

…なんかあの人やだ。
それにフェイトママ困ってる。
帰りたそうにしているフェイトを尚も引き止めようとする男性に
堪りかねてヴィヴィオが飛び出す。

「フェイトママー!」
「ヴィヴィオ!?」

フェイトママはだめなの!
フェイトママはなのはママとヴィヴィオのなの!
駆け寄ってくる小さな体をフェイトが抱き上げる。
首に手を回し顔を見ると案の定驚いた顔をしている。

「来ちゃった♪」
「き、来ちゃったって一体どうやって…」
「ママお仕事終わった?まだ帰れない?」
「いや、終わったから帰れるけど…。
 あ!ヴィヴィオそういえば…」

フェイトが何かを言おうとする直前で男性が声を掛ける。

「執務官?その子は一体…」
「あ、すみません。ヴィヴィオご挨拶は?」

463 名前:ヴィヴィオ、潜入す(3/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:43:28 ID:iGswutV8
そっと降ろされると男性をじっと見る。
この人あんまり好きじゃないけどちゃんと挨拶できないと
ママ困っちゃうよね…。

「はじめまして。高町ヴィヴィオです。」

ぺこりと頭を下げる。
するとなぜか男性の顔が青くなった。

「た、高町?もしかして高町教導官とフェイト執務官の…」
「はい。そうです。」

さらに顔が青くなる。
ヴィヴィオは初めて血の気が引いていくところを見た。

「はは、そうですか。お二人の、高町教導官の…。
 あ、すみません。引き止めてしまって。」
「いえ、こちらこそいきなり失礼しました。
 申し訳ありませんが、この子もいますし今日は…」
「ええ、ええ!勿論分かっています!
 高町教導官もお待ちでしょうし、後のことはご心配なく。どうぞお任せください。」
「すみません。よろしくお願いします。」

青い顔のままにこやかに告げる男性に何度も深く頭を下げるフェイトを見て
見よう見まねで同じように頭を下げる。
それにしてもこの男性。なのはと何かあったのだろうか。

464 名前:ヴィヴィオ、潜入す(4/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:46:13 ID:iGswutV8
「ヴィヴィオ、なのはママから聞いたよ。勝手に出歩いたらだめだよ。
 なのはママすごい心配してたよ。」
「んー…ごめんなさい。でもママに会いたかったの…。」

車に向かう最中めっとフェイトが少しだけ怖い顔をする。
フェイトママに怒られた。フェイトママいつも全然怒らないのに…。
しょんぼりしているとぽんと優しく手が頭に置かれた。

「フェイトママは怒ってるんじゃないよ?ヴィヴィオのことが心配なの。
 会いにくるまでに危ないことがたくさんあったでしょ?
 ヴィヴィオ怪我しなかったかな、って心配してるんだよ。」
「ぅぅ…ごめんなさい…。」

フェイトの顔はもう怖い顔をしていなかった。
ママほんとに怒ってなかった。よかった、ってほっとしてる。
ごめんなさい。心配かけてごめんなさい。

「ごめんなさい…。ぇっく…」
「ああ、ほら泣かないで。無事でよかったよ。でももうこんなことしちゃだめだよ。
 ママと約束できるかな?」
「ぁい。ひっく…できましゅ…」
「いい子だね。さ、帰ろっか。なのはママも待ってるからね。」

そう言うとヴィヴィオを抱き上げる。
こくんと頷くとヴィヴィオはぎゅっと強く抱きついた。
家に着くとなのはが外で待っていた。
泣き疲れて寝てしまったヴィヴィオを受け取ると心底ほっとした様子で
フェイトに体を預けた。

「いなくなったって聞いて心臓止まるかと思ったよ。」
「ごめんね、フェイトちゃん。私が目を離したばっかりに…」
「なのはのせいじゃないよ。」

465 名前:ヴィヴィオ、潜入す(5/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:49:06 ID:iGswutV8
とりあえず外ではなんなので家に入る。
ヴィヴィオをベッドに寝かせ、上着を脱ごうとするとなのはが脱がせて
ハンガーに掛けてくれる。

「ごめんね。ずっと捜すことに夢中になっててご飯作ってないの。」
「いいよ。家に帰ってこれただけでも私としては嬉しいからね。」

ヴィヴィオの寝顔を見る。涙の跡が痛々しい。
目元も擦ったのか少し赤くなっている。

「ヴィヴィオ、私に会いたくて来ちゃったんだって。次元航行部隊(うみ)は
 あんまり帰れないし、やっぱり寂しい思いさせてるんだって痛感したよ。」

仕事仕事の毎日。大変だが自分で決めたことだ。
でもそれでヴィヴィオに寂しい思いをさせていると思うとこのままでいいのかとも思う。

「なのはもごめんね。一人じゃ大変でしょ。」
「ヴィヴィオ甘えん坊だけどあんまりワガママ言わないから大丈夫だよ。
 でもフェイトちゃんがいないのはやっぱり寂しいかな…ってあ、ごめん。」

なのはが慌てて口を塞ぐ。安心したせいで今まで言わなかった本音が
ぽろりと零れてしまった。
それを聞くとますますこのままでいいのかという思いが強くなる。

「もう少し家に居られるように異動願い出そうかな…。」
「そんな、せっかく復帰したのに…。」
「いいんだよ。私も二人と一緒にいたいから。」
「フェイトちゃん…。」

なのはの頬に手を当てると少し冷たかった。
多分見つかったと連絡した後も気になって外で待っていたんだろう。
暖めるように撫でると心地よさそうに目を閉じる。

466 名前:ヴィヴィオ、潜入す(6/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:51:52 ID:iGswutV8
「なのはも寂しかったのに気付けなくてごめんね。」
「ううん。いいの、フェイトちゃんだって大変なんだから。」
「すぐに異動は無理だけどなるべく早く実現できるよう頑張るから。
 だからあと少しだけ、待っててくれる?」
「…うん、待ってるよ。ヴィヴィオと一緒に。」

両手で頬を挟み優しく引き寄せると残り数センチというところで止める。
お互いの息遣いは容易に分かるはずなのになのはは目を開けなかった。
ありがとう、と小さく呟いてまた近付くと、今度は触れるまで止まらなかった。

「おはよー。フェイトママ。」
「んーおはようー…」

元気のいいヴィヴィオに挨拶を返すが実のところあまり頭は動いていない。
昨日は夕食抜きだったので腹ぺこであることも拍車をかけている。
朝はどうも苦手だ。これは睡眠時間の問題ではなく生まれ持った性質である。
だから毎朝寝坊せずせっせと朝ご飯を作ってくれる奥さんには感謝してもしきれない。

「おはよう、フェイトちゃん。今出来るからね。」
「おはよう、なのは。いつもありがとう。」

しばらくするとテーブルに朝食が並べられる。
白米のご飯、大根のみそ汁、焼き鮭、たくあん。
今日は純和風らしい。おそらくヴィヴィオのリクエストだろう。
初めはおっかなびっくりだったヴィヴィオも最近はむしろ和食のほうを
食べたがったりしている。

「やっぱりなのはの料理は美味しいな…。」
「もう、フェイトちゃんたら。」

467 名前:ヴィヴィオ、潜入す(7/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:55:36 ID:iGswutV8
このやり取りも毎度お馴染みである。そしてそのやり取りを箸の使いも様になってきた
ヴィヴィオがにこにこ見ているのもいつものことである。
さっき挨拶したときも思ったが昨日あんなに泣いたのが嘘のようだ。
後を引きずるかも、と密かに心配していたがこれなら大丈夫だろう。

「ご馳走様。」

お腹がいっぱいになったら今度は出勤準備。なのはも休みは昨日までなので
一緒に出勤である。先に準備を終わらせて車のエンジンを暖めておこうと
外で出ると同じく準備を終えたらしいヴィヴィオに呼び止められた。

「フェイトママ、お仕事変わるの?」
「え?うん、そうだね。もっと家に居られるようにちょっと
 変えてもらおうかなって思ってるんだけど。」
「そうなんだ…。」

もしかして聞かれていたのかな、と思ったがそれ以上は聞かなかった。
答えを聞くとしばらくもじもじとしていたがふいに顔を上げる。

「あのね、フェイトママがいないと寂しいけど、大丈夫だよ。」
「え?」
「なのはママとちゃんと待ってるから。いい子にして待ってるから。」
「ヴィヴィオ…。」
「もうあんなことしないから。だから大丈夫…。
 だから無理にお仕事変えなくてもいいよ。」

多分それはヴィヴィオの大きな決意だったのだろう。
甘えん坊のヴィヴィオが寂しいのを堪えて言っている。
その娘の成長が、フェイトは嬉しかった。

468 名前:ヴィヴィオ、潜入す(8/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:57:58 ID:iGswutV8
「…ありがとう。でもフェイトママもっとヴィヴィオとなのはママの顔みたいからね。
 やっぱりお仕事変えるよ。すぐには難しいけど出来るだけ早くそうなるように
 もっともっとお仕事頑張るからね。」
「そうなの?フェイトママお仕事頑張って!」
「頑張るよ。ヴィヴィオが頑張ってって言ってくれるともっと頑張れるんだけどなー。」
「ほんと?頑張ってね!フェイトママお仕事してるときすっごくかっこよかったよ!」
「ほ、ほんと?嬉しいな。」

そういえば昨日はヴィヴィオとゆっくり話す機会なかったし
今日はもう出勤だ。今のうちに可愛い娘の姿を目に焼き付けておこう。
フェイトがデレデレしているとなのはが来た。

「二人でなに話してるのー?」
「フェイトママはかっこいいって話!」

そうだよー、フェイトママはかっこいいよーとなのはの惚気に
ヴィヴィオがキャッキャと騒ぐ。
なのはも昨日あんなに落ち込んでいたのにその影はなかった。
むしろ落ち込んだ分を取り戻そうといつもより元気そうで安心する。
なのははヴィヴィオの昨日の行動については特に言及しなかった。
もうフェイトが言ってしまったからだろう。今更蒸し返して強く言うこともない。

「ほら、二人ともその辺にしてそろそろ行こうよ。」
「「はーい。」」

469 名前:ヴィヴィオ、潜入す(9/9) 304[sage] 投稿日:2007/10/18(木) 00:00:21 ID:RHGhvuSH
助手席になのは。その後ろにヴィヴィオ。
運転はもちろんフェイト。ルームミラーを弄ってるとヴィヴィオと目が合った。
にこっと微笑まれてこちらも微笑み返す。
一つ屋根の下に住んでいても、すれ違いは起こるもの。
それでもまた仲直りしてこうしてじゃれあえる。
フェイトは思った。
家族っていいな。

「今日行ったらちょっとお休みもらえそうなんだ。
 どこか遊びにでも行こうか。」
「ほんと?いいねえ、ヴィヴィオどこ行きたい?」
「えっとね…フェイトママとなのはママがいるならどこでもいいよ。」

楽しい休日の計画をBGMにキーを回す。
これを幸せというんだろう。
本日快晴。妻と娘は今日も元気だ。



おわり

471 名前:304[sage] 投稿日:2007/10/18(木) 00:06:35 ID:RHGhvuSH
「仕事で王子様なフェイトにヴィヴィオが惚れる」
という感じのレスをどこかで見かけて出来たものです。
その割にはヴィヴィオのちょっとした成長がメインになってしまいました。
ありがとうございました。
2007年10月20日(土) 09:12:23 Modified by nanohayuri




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