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旦那様はおおかみ!?

902 名前: アクエリアス [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:28:52 ID:/zLMlX/t

>>901
えと…それはどうすれば…?


とりあえず、素晴らしいSS達の下に埋もれる形で投下。
フェイなの。
ラブラブ?ほのぼの?ちょっとエロイ?

前書き
最近の流行は獣耳だと判断した。




903 名前: 旦那様はおおかみ!? [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:31:11 ID:/zLMlX/t

「ただいま〜」

「お帰り、なのは」


奥様の名前はなのは。そして、旦那様の名前はフェイト。


「今日はフェイトちゃんの方が早かったんだね」

「うん。だから今日はちょっとご飯作ってみたんだけど…」


ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。


「え?本当!?」

「ちょ、ちょっと!なのは!!手を洗ってから…!!」


でも、ただ一つ違っていたのは…


「あ、忘れてた!!」

「な、なの…」


―――――チュッ


旦那様が狼の化身だったということです。


――――――

旦那様はおおかみ!?

――――――


キスから数秒、(主にフェイトの)時間が止まり、
ボンッという博士が薬品を間違えて爆発したときのような音がした。

「フェイトちゃん…、耳」

「え、あっ!」

慌てて頭から出た獣耳を両手で押さえつけるが、今度は大きな尻尾が両足の間から見え隠れしている。

「尻尾も出てるよ」

フェイトは顔を真っ赤にしたまま、どうすることも出来ずに頭を垂れた。

「フェイトちゃん…可愛い♪」




904 名前: 旦那様はおおかみ!? [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:32:58 ID:/zLMlX/t

もう一度キスしようと、なのはは俯いたその顔に唇を近づける。
だが、フェイトはそれを後ろに下がって避け、そのままなのはの横を通り過ぎた。

「は、早く手を洗って着替えてきて。ご飯の準備しとくから」

いつの間にか尻尾と耳は消えている。
その背中になのはは頬を膨らまして抗議するが、
フェイトが気づくはずもなく、渋々と洗面所に向かった。



なんかフェイトちゃん…結婚してから冷たいなぁ…。
否、冷たいというわけではない。とても大切にしてくれているのはよく分かっている。
でも、最近はスキンシップが足りないというか…。

なのはは、一度水に浸けた手にハンドソープをつけ、両手を擦り合わせる。
その間にも、思考はミッドチルダの衛星まで逝ってしまっている。

悩んでもしょうがないし…本人に聞いてみようかなぁ。

水で濯いで、掛けてあるタオルで手を拭き、今度は着替えるために寝室に向かう。
教導官の服を衣紋掛けに掛けて、部屋着に着替える。もうすぐお風呂なので、一番ラフな格好なのを選んだ。
次は部屋を出てキッチンに向かう。
そこに一歩一歩近づくたびに、空腹のお腹へ美味しそうな香りが流れ込んでくる。

「フェイトちゃん、終わったよ〜」

「あ、ちょうど出来たよ」

既にテーブルにはサラダとスープ、ご飯が並べられていた。
コンソメスープなのに白米。和洋折衷とはこの事だ。
だが、美味しいし、それはそれで合うので気にはしない。
むしろ、フェイトが作ったご飯を食べられないはずがない。

「美味しそうだね。ありがとう♪」

「いや、なのはにいつも作ってもらってるし…」

仕事柄帰ってくるのが遅い彼女にかわり、いつもは私が作っている。
まあ、それも妻の務めな訳でして。

「どうかした?」

フェイトはなのはを訝しげに見つめた。

「え?い、いや、何でもないよ?」

なのははまたトリップしてしまったことを隠すかのように笑って、
いただきます!という挨拶と同時に箸をつける。

「美味しい…」

強ばった笑顔だった表情が、素の感嘆を述べる。

「そう?良かった」

フェイトが嬉しそうに笑った。
なのははその笑顔を見て、自分の胸が一つ高鳴るのを聞いた。




905 名前: 旦那様はおおかみ!? [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:35:05 ID:/zLMlX/t

「う、うん」

王子様のような格好良さを持つ純粋な笑顔が直視できなくて、すぐに視線を逸らした。

無自覚、なんだよなぁ…。

フェイトに言わせればなのはは天然なのだが、本人同士が気づくはずもない。
一つ呼吸を整えると、顔に昇った血液が徐々に下がっていくのが分かった。

「フェイトちゃん。今日は何してたの?」

いつものように話しかけ、いつもの夕食の時間の会話に戻す。

「今日は書類仕事だけだったし、後処理だけだったから早く終わったんだ」

フェイトもいつも通り、今日一日の報告をし始めた。
会話は弾み、段々先程の事が気にならなくなってくる。


そう。大切にしてもらってる。

優しい笑顔も、嬉しそうに頬を緩めている表情も、全部本物だ。

でも…



「ねぇ、フェイトちゃん…」

食事もお風呂も(別々)終わり、後は寝るだけ。
なのははお風呂から上がって、寝室に入ってきたフェイトに声を掛けた。

「ん?」

フェイトはなのはが座っているベッドの端の隣りに座った。
なのははその様子をそっと伺う。
その視線に気づいて、フェイトは首を傾げる。

「フェイトちゃん、今日はもう寝るの?」

「え?うん。なのはは寝ないの?」

「えと…寝るけど……」

いつも通りの対応に、なのはは少し苛立ちが疼いた。

「フェイトちゃん……」

なのはは身体ごとフェイトの方へ向き直る。
行きなり暗い所に入ったのでフェイトはなのはの装いに気づかなかったのだが、
それに気づくと、顔を赤らめて大げさに後退った。

「な、なのは…前…その…」

目を逸らしながらも、フェイトはチラチラとなのはの方を見る。
なのははパジャマのボタンを一つも留めていなかった。しかも、その中には何もつけていない。

「フェイトちゃん…」



906 名前: 旦那様はおおかみ!? [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:36:16 ID:/zLMlX/t

なのはは艶めかい動きでフェイトに近づく。
これはなのはからの精一杯のお誘いだった。
だが、フェイトの理性を破壊するには十分すぎるほどである。
帰ってきたときと同じような音と共に、茶色い耳と尻尾が姿を現す。

「フェイトちゃん……なのはのコト嫌い?」

「そ、そそそんなわけ…」

「じゃあ、なんで…?」

「へ…?」

フェイトは理解できずに、疑問符を並べるばかりだった。

「なんで…なのはの事…愛してくれないの?」

語尾になるにつれて顔の赤さが増し、音量は小さくなっていく。
最後の方は少し涙声だった。

「い、いや…だから…!!」

「フェイトちゃんの好きにしていいから…!!」

ピクリと耳が反応する。
なのははそのままフェイトにギュッと抱きついた。

いつの間にかフェイトの目は肉食動物のように鋭くなっていた。




907 名前: 旦那様はおおかみ!? [sage] 投稿日: 2008/04/21(月) 05:37:10 ID:/zLMlX/t

「なのはは…いけない子だ」

冷たさを含んだ低めの声に、なのはは一度肩を震わせた。
そして次の瞬間、

「ふぇ、ふぇいとちゃっ…!!」

フェイトの上に乗っかっていたはずのなのはは、背中にベッドの柔らかい感触を味わっていた。

「一生懸命私が我慢してるのに…そんなこと言うなんて…」

「なんで…我慢なんか…」

する必要など無いのに。

そう続けようとするが、鎖骨の辺りを軽く噛まれて声が詰まった。

「私は獣だよ?一度理性から外れたら…止められないから……」

「止まらなくて…いいよ…?」

なのははその頬にキスをした。
フェイトは驚いて目を見開く。だが、すぐに嗜虐的な笑みを浮かべた。
小さく開いた口からは牙。

「もう…知らないからね……」

フェイトはそう言うと、なのはの舌を絡め取るように口付けた。



Fin.


エロを練習しようと思って書いたのに思いの外長くなってしまい、とりあえず切りました。
ご要望がありましたら、エロイところも追加しようと思います。
……まだ書いてないけど。

では失礼しました(逃


続き)旦那様はおおかみ!?(2)
2009年05月05日(火) 17:53:50 Modified by coyote2000




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