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母親なんて、望んでない

"ヴィヴィヴィヴィ番外編"でぐぐると幸せになれるかもしれない

435 名前: ◆okpddN8iwc [sage] 投稿日:2008/02/13(水) 15:56:36 ID:R17mKMeS
空気読まずに昨日の絵で妄想したやつを投下するぜ!
ヴィヴィオの片思いで主人公はフェイト。
そして泣くのはなのはさん。
じゃ、以下から

436 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:00:33 ID:R17mKMeS
………ト

フェイ……ト

フェイト


…………誰……?
誰かに、呼ばれた気がした。



報告書を書き上げ帰宅しようとしたとき、時計の針はちょうど10時を指していた。
なのはとヴィヴィオの待つ我が家に着くのはおそらくこれから一時間後。
そのときにはなのは達は既に寝てるだろうか。いや、なのはは起きて自分を待ってくれてるかもしれない。
今日帰ってくることは三日前に伝えてあるのだから。

「早く…帰りたいな」

何を思ってそう呟いたのかは自分でも分からない。
ただ、気づいたらそう言っていた。
それは先程のことが関係しているのだろうか。
誰かの今にも泣き出してしまうような声。
その声が自分を呼んだような気がした。
けれど、その時は後ろを振り返っても誰もいなかった。周りを見渡してもそれは同じこと。
なんだか背筋を嫌な汗が伝って、以前に見てしまったホラー映画とその恐怖を思い出してしまった。

だから。

だから、自分はこんなにも急いで帰宅しているのだ。
普段よりも足早に歩く自分をそう納得させた。

438 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:05:56 ID:R17mKMeS
「ただいま」

玄関をくぐり、もはや習慣と化した言葉を言ってはみるも、それに対する返事はない。
もう寝てしまったのだろうか。
そう思い、寝室へと向かう。途中、ヴィヴィオの部屋を通り過ぎたが、明かりが点いていなかった。あの子も中学生になって夜遅くまで起きてるようになったが、流石にもう寝ているようだ。

ストッキング越しの足は、冷たい床に熱を奪われ、どんどん冷たくなっていった。お風呂に入るときは温度差で熱く感じるだろうな、なんて考えながら寝室の前に着いた私は、足どころか、体中が凍りつくような感覚に襲われた。
そうさせたのは、掠れた声が聞こえたから。
ドアを挟んだその向こう側から聞こえる、愛しい人の掠れたような泣き声。
泣き声………。

なのはが、泣いている

気づいたら、壊れるぐらい乱暴に扉を開いていた。

「なのは!?どうしたの!?」

中に入ってすぐ目にとまったのは、皺くちゃになった布団が何重にもかさなったベッドのふくらみ。
その下から聞こえる、静かな部屋に響く掠れた泣き声。
それに吸い寄せられるかのようにベッドに近寄る。
目の前で泣いてる女性は愛しい恋人で。
その人は泣いていて。
彼女のこんな姿を見ているだけで心が乱される。
何かあったのか。どうしてそんなに泣いてるのか。何が悲しいのか。
色々な思いが頭の中をいっぱいにして。
混乱する頭をなんとか回復させ、なのはに聞こえる程度の声で優しく問いかけた。

「なのは、泣いてるの?何かあったの?」

途端に、布団の震えが増す。

437 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:04:50 ID:R17mKMeS
「ね、話してくれないかな…?」
「………て」

思わず「え?」と聞き返してしまう。それくらい小さな叫びだった。

「なの…」
「出てって!!」

なのはの声が部屋中に響いた。
―――出てって!!
それは初めて受けた彼女からの拒絶。

「早く出てって!近づかないで…!……お願いだから…」

最後の方は声が震えていた。
どうしてこんなに悲しいことを言うのだろう。
ギュッと胸が締め付けられる。
どうして?
私の中にあるこの感情は何?怒り?哀しみ?

違う。

この気持ちは、そう、不安だ。
不安?何が?何に?
思考を続けていると不意に、「フェイト」と呼ばれた声を思い出す。
どうしようもなく嫌な予感がする。

「フェイト」と呼んだあの声は誰のものだった?
あの声は………なのはのものではなかったか?

440 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:07:31 ID:R17mKMeS
考えの結論を出した次の瞬間には、埋もれ隠れるなのはを引きずり出そうと必死になっていた。
そうだ。
隠れているなんておかしいじゃないか。

「なのは!中から出てきて!!」
「嫌!」
「私に……」

私に、顔を見せて安心させて。
何もない、どうもしていないのだと。

「顔を………見せて」
「嫌だってば!」

頑なに顔を出そうとしないなのは。ますます怪しい。
いったい何があったのだろう。
募る不快感からの解放を求め、中々出てこようとしないなのはから無理やり布団を奪い取った。
嫌な予感が一層強まる。
当たらなければ良い、そう思うけれどこんな時に限って予感というものは的中してしまう。

布団から現れたなのはの姿に私は固まった。
泣きすぎた為か、透き通るような綺麗な瞳は真っ赤に腫れた瞼に隠れ、絹のように美しい栗色の髪はぐしゃぐしゃに乱れていた。
ボロボロになった服を震える手で握りしめ、申し訳程度に身体を包み隠している。
隠しきれていない首筋や鎖骨あたりが視界に入ったとき、ドクンと心臓が疼いた。

そこには、点々と紅い見慣れた華が咲いていた。

「なに、これ…………」


441 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:10:05 ID:R17mKMeS
吐き出した声に怯えたようになのはの身体の震えを一層ひどくなる。

「何なのこれ………!!」

怒りに我を忘れ、爪が食い込む程の力でなのはの細い腕を締め付ける。
どけた腕から覗いて見えるのは、自分のつけた覚えのない華ばかり。
それが何を意味するのかは容易に分かった。
でも、聞かずにはいられなかった。

「何か言ってよ、なのはぁ!!」

興奮気味に怒鳴り、ギリギリと腕を締め付けると、なのはの顔が苦痛に歪められた。

「…っ!ぃた………!」

唇を噛んで痛みに堪えていたなのはが小さく悲鳴をあげる。
その悲鳴がやけに大きな音となって自分の耳に届く。
それにハッと目を見開き我に返った。

体罰にも似た己の行為。
自分でやっておいて、自分の行動に驚く。
困惑を隠せず、震える腕の力を緩め、なのはに体罰じみた行動を謝ろうと口を開く。
けれどそれより先に出たなのはの言葉に私の言葉はかき消された。

「………なさぃ」
「なのは……」
「……ごめん……なさい!」

止まらぬ涙を抑えるように顔を覆い隠しながら謝り続けるなのは。
どうして彼女が謝るのだろう。悪いのは私なのに。
どこかぼんやりとした頭でそう思いつつ、視線は再びなのはの首筋へと向かってしまう。

442 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:11:37 ID:R17mKMeS
なのはを見れば無理やりつけられたのは明白だったのに、何故かなのはを奪われたような気になる。
ギリッときつく歯を食いしばった。瞬間、口内に鉄の味が広がっていく。

「これは………なんなの?」

出てきた声は心なしか震えていた。
震えた声で問いかけても何の迫力もないけれど。
じっと返事を待つ。
けれど返ってきた答えは私の背中の方から聞こえてきた。

「私がやったんだよ」

振り返ると、ヴィヴィイオがいた。
寝ていると思っていた彼女はどうやらお風呂に入っていたらしく、濡れた髪を肩に掛けたタオルで拭いていた。

「ヴィヴィオが………やったの?」

信じられない。だって彼女は私たちの愛娘で、なのはは彼女の母親なのだから。

「そうだよ?なのはさん、すっごく可愛い声してるよね。私、我慢できなかったよ」
「………」
「最後まで抵抗してきたから、フェイトママにこのこと話しちゃうよ?って言ったらね、すぐに大人しくなったの。馬鹿だよね?泣いて、自分からフェイトママに見つかっちゃってさ」
「………なさぃ」
「でもずっとしてたら、泣きながら腰振ってくれたよ?身体は正直だよね」
「黙りなさい!!!!」

443 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:13:26 ID:R17mKMeS
ヴィヴィオをギロリと睨みつける。それに対してヴィヴィオも負けじと私の視線を跳ね返してくる。

「……どうして、こんなことをしたの」

低い声で問うと、ヴィヴィオはハンッと鼻で笑って返した。

「フェイトママには分らないよ」
「話してくれないと、分からないよ。お話、聞かせて」

それは幼かった頃、自分を深い闇から助け出してくれた少女が放った言葉。天使みたいに真っ白で、誰よりも強かった少女。
遠い昔の記憶を蘇らせながら、そんな彼女が今は隣で震えているのが耐えられなくて、震える細い肩をぎゅっと抱きしめた。
それが気に入らなかったのか、ヴィヴィオの顔がみるみる怒りに染まっていった。

「フェイトママには!一生ヴィヴィオの気持ちなんて分んないよ!!!」

そう言い残し、ヴィヴィオは私の制止の言葉を無視して自分の部屋へと駆けて行った。
追いかけようとする私を、私の服の裾を掴んでなのはが止める。
どうして、と視線で問いかけると泣き腫らした顔で小さく言う。

「私が、いけなかったの………」
「……………」
「私はママなのに、あの子が苦しんでることに…き、気付いてっ、あげられなかった……から……」

そんなことはない。
そう言いたいけれど、おそらくなのはは聞いてくれない。
きっと哀しげに首を振って、否定するんだ。
だから。だから私は、黙ってなのはを抱きしめるしかなかった。
それ以外どうしたらいいのか分らなかったから。

少女の母親であろうとするなのはと、それ以上のものを望むヴィヴィオ。
2人はすれ違ってしまっているけれど、きっと話せば分かち合える。
何の根拠もない希望を描きながら、腕の中で泣き疲れて眠るなのはをより強く抱きしめて、私は目を瞑った。

445 名前:母親なんて、望んでない[sage] 投稿日:2008/02/13(水) 16:15:09 ID:R17mKMeS
以上です。
そして作者も続きをどうしたいいのか分らなくて、目を瞑った。
誰かバトンタッチ……
2008年02月13日(水) 16:36:19 Modified by nanohayuri




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