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10-120

120 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:44:10 ID:EK0Ay+Fw
なのフェイ投下します。
いや、フェイなのかな?
フェイトさんが微妙に病んでるので苦手な方はスルーお願いします。

121 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:44:44 ID:EK0Ay+Fw
「なのは!なのは!」

ふと、訪れた大きな声になのはは意識を覚醒させられた。

「!?・・・・・・・・・ほぉえ〜・・・・・・ん・・・あれ?」
「いつまでボケ〜っと寝てるわけ?」

アリサのその声に、ハッとなりなのはは重い目蓋を開ける。

「あっあれ!?アリサちゃん、授業は?」
「あんだけ、寝といて良く言うわ。このとおりよ」

首を挙げて、きょろきょろと辺りを見回すと談笑するグループや、部活へ向かう生徒達が目に入る。
起こされるまで全く気がつかなかった。
少し眠り過ぎただろうか。
ふぅ、と大きな溜息をついた時、頭の中を鋭い痛みが走った。

122 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:45:13 ID:EK0Ay+Fw
「なのは・・・・・・?」
「その私、これから寄る所があるから!」
「えっ? ちょっと!!…なのは!」

静止するアリサの声に耳も貸さず、1人騒がしい教室を後にした。

「っ!」

シーンと静まりかえっ廊下で一人、重い頭を抱えた。

「うぅ・・・・・・・・・風邪かな〜」

例の事件をきっかけに、体調管理は万全のはずだったのだが、自分の予想以上に疲れが溜まっていたようだ。

「なんで、この時大切な時期に…」

123 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:45:44 ID:EK0Ay+Fw
ようやく、けがも完全に回復して全てが順調に進み初めた。
やらなければならない事は山ほどある。
取り戻さなければならない時間も。
この大切な時期に、時間を無駄にしたくない。
こんな所で立ち止まってなんかいられないのに…。
しかし、そんな思いとは裏腹に、身体はどんどん重くなっていく。
視界が歪み、体の感覚が除々に無くなっていく
なんとか壁に手をつき踏みとどまるが、身体中からは嫌な汗が流れていた。
静寂に支配された空間に、自分の呼吸だけがやけに大きく響く。
壁に爪をたて一歩足を踏み出す。
しかし、突然視界がブラックアウトし、平衡感覚を保てなくなった身体は無残に地面に崩れ落ちてゆく。
あぁ〜あの時のようだ。
今の自分の姿があの時の自分と重なった。
そして、ぼんやり考えた。
今は、誰もこの手を掴んではくれない。
そうなくだらないことを考えながらそっと、視線を遮断した。

その時。

背後から伸ばされた腕が、しっかりとなのはの身体を支えた。
温かく、優しいその腕の中でなのはの意識はぷつり、と途切れた。

124 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:46:12 ID:EK0Ay+Fw
夢を見た。
視界は、赤く染められていて、まるであの時のようだとぼんやり思った。
目の前で、大切な人が泣いている。
なのはは懸命に手を伸ばす。

「泣かないで」

そう、言葉にしたはずなのに何かが喉の痞えたように言葉が出ない。
そんな、顔させたくないのに。
貴方にはいつも笑っていて欲しいのに。
それなのに。
私はいつも泣かせてばっかりだ。

「大丈夫だから!」

泣いている彼女に、自分に言い聞かせるように意識を覚醒させそうと試みる。
しかし、そんな想いをあざ笑うかのように、意識は闇に飲み込まれていった。

125 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:46:38 ID:EK0Ay+Fw
「なのは、起きて! なのは!!」

自分の名前を呼ぶ声になのはは、視界を開いた。。

「はぁ〜良かった・・・・・・・・」

そこには、一番傍にいて欲しかった人がいた。

「…フェイトちゃん」

なのはは恐る恐るフェイトに手を伸ばす。

「どうしたの? なの…」

少し困惑しながらも、フェイトはしっかりとなのはの手を握ってくれた。
しっかりと重なり合った箇所から、熱いほどの熱がどんどん伝わってくる。
たったそれだけのことなのに酷く心は満たされて、自然と笑みがこぼれた。
そんな、なのはの様子にフェイトも安心したのか、優しく微笑み返した。

「…平気?」
「うん、ありがとう……」

擦れた声で弱弱しく返事をして、なのははゆっくり身を起こそうとしたが。

「ダメだよ!さっき廊下で倒れたの忘れたの?」

126 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:47:00 ID:EK0Ay+Fw
大げさに、リアクションする彼女に苦笑し、再びベッドに横になる。
結局、彼女には勝てないんだな〜と考えていると辺りが急に暗くなった。
何事かと思い視線だけ上げると、なのはに覆い被さるような形でフェイトがどんどん顔を寄せてきていた。

「!?ふぇ、フェイトちゃ…」
「ほら、じっとしてて」

吐息が顔に届きそうな距離になのはは完全に混乱し、ぎゅっとキツく目を瞑った。

"コツン"

「ふぇ!」

互いのオデコが重なるとあっさり離れていった。

「やっぱりまだ熱があるね。絶対安静だよ?分かった?」
「////えっと?・・・・・うっ、うん!」

きっと今、自分の顔は熟れた林檎みたいになっていると思うけど、熱の所為にする。

「それにしてもびっくりした」
「なのはを見つけたと思ったら急に倒れたから。心臓止まりそうだったよ」
「ごめん・・・・・・・じゃあ、あの時フェイトちゃん…」
「ん?」
「…ううん。何でもないよ」

127 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:47:33 ID:EK0Ay+Fw
意識を失う直前、なのはを支えたのはやはり…。

「ごめんね」
「 なのは?」
「ここまで運んで来てくれたのフェイトちゃんでしょ?その、 重かったでしょ・・・・・・」
「全然。なのはは天使みたいに軽いから」
「フェイトちゃん!!それ凄く恥ずかしいよぉ〜・・・・・・・///」

大体、天使って軽いのだろうか?とかくだらない疑問が頭に浮かんだがここは気にしないことにした。
赤くなりもじもじするなのはの様子に満足したのか、フェイト満面の笑みを浮かべる。

「もう…大丈夫?」
「何が?」
「随分うなされていたみたいだったから……」
「………」
「怖い夢でも見た?」
「…そんな、子供じゃないだから・・・・・」

そう、言いながらもその様子はどこか痛みをこられるような、今にも泣いてしまいそうな。
しかし決して弱さを見せまいと必死に耐える、なのはの心そのものだった。

「夢は……ただの夢だよ。目が覚めればそこでおしまい」

現実に戻り、夢は夢として記憶の塵に埋もれていく。
ただそれだけだ。頭では理解している。
それだけで終わりのはずなのに……。
なのはは知らず知らずのうちにフェイトの手をぎゅっ、ときつく握りしめる。
これが夢の続きではない事を確かめるように。

128 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:48:02 ID:EK0Ay+Fw
そうでもしないと、またあの闇に飲み込まれてしまいそうで怖かった。
強くなったと思っていた。
信じたかった。
だけど、現実の自分はこんなにも弱い。
強く…強くなければならない。
弱いままでは誰も守れない。
守る事が出来ない。
なのはは気付かれないように、そっと唇を噛んだ。

「そう、夢だよ」

今まで黙って話を聞いていたフェイトが淡々と言葉を紡いだ。

「どんなに怖い夢を見たって夢は夢。全て自分が創りだした幻だよ」

その意外な言葉に、なのはは驚いたように瞳を開ける。

「それに目が覚めたら必ず私がなのはの傍に居る」
「…………」
「だから心配いらないよ」
「…フェイトちゃん」
「ねぇ、なのはの傍に居させて」

129 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:48:37 ID:EK0Ay+Fw
蒼と紅の瞳が交差する。
まるで王子様みたいな彼女にありがとうと言葉にするのは何だか悔しくて。
ただ手を強く握りしめた。
フェイトも何も言わず、その手を握り返す。
恥ずかしいというよりも、どこかこそばゆい。
言葉に出して伝えられたらいいのに、こういう時に限って口がうまく動いてくれない。
会話が無いまま、時間だけが過ぎていく。

「あのね、フェイト…ちゃん……」
「ん? なに、なのは?」

顔を近づけたフェイトになのはが小さな声で囁いた。
とても小さくて伝わったか不安だったけど、それ以上は意識が保てず眠りの底へ落ちていった。
目蓋を閉じるほんの一瞬、とても幸せそうに笑みを受かべるフェイトを見たような気がした。

130 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:49:02 ID:EK0Ay+Fw
眠るなのはの横顔を、フェイトはじっと見つめていた。
白い肌がいつもよりほんのり赤みが増している。
熱のせいだろうか?
額にはうっすら汗がにじみ、呼吸も乱れている。
シーツをずらし、口元を楽にしてやるといくらか楽になったようだ。
タオルで額の汗をそっと拭い、力の篭っていない繊細な手をもう一度握り直した。

「お願い、もう少しだけこのままでいて。離さないで・・・・・・」

懇願するように、酷く寂しげに彼女が零した言葉が脳裏に浮かんだ。

「…放すものか。放してって言ったって放してあげないのに」

クス。
自嘲気味に笑みを浮かべ、誰に言うでもなく、自分に言い聞かせるかのように囁いた。
再び、彼女と共に歩むことができるのだ。
あの時のようなことはもう考えたくもない。
フェイトはなのはにそっと顔を近づけた。
唇が少し切れて薄ら血が滲んでいる。

131 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:49:44 ID:EK0Ay+Fw
「そんなに自分を追い詰めないで」

けして届かない言葉に思いを込める。
なのははいつも自分で全て背負ってしまう。
小さな背中に全部。
もっと頼って欲しい。
フェイトはそっと唇を押し当て、血が滲んでいる傷口を舌でそっとなぞる。
口の中に広がるなのはの血の味。
それは、甘いはずがないのにとても甘く感じた。
フェイトは口元を吊り上げると、もう一度唇を押し当てた。

「ねぇ、なのは……」

君が望むのであれば、私はこの世界の全てを敵に回せるよ。
どんな敵からも君を守ってみせる。
君だけの、楯に剣になる。
その為の力も手に入れた。
だから、ねぇなのは

「どうか、私だけのものになって…」

君が望むもの全て私が叶えてみせる。
だから私を見て。
私だけを。
そして、欲して。
それは狂気にも似た感情。
本当の私はこんなにも醜く、浅ましい。
それでも愛しい君を放すことなんてできない。
喩え君が望んだとしても。
だからね、私は・・・・・・・・・・・・・・・
君の隣で優しい親友のふりをしながら
残酷な笑みを浮かべて、君の全てを支配できる日が来るのをただ待っているから。

132 名前:532[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 23:50:57 ID:EK0Ay+Fw
以上です。
フェイトvsヴィヴィオが全然進まないため
気晴らしに書いたらこっちが先に形になりましたorz
お目汚し失礼しました。
2007年12月21日(金) 17:57:12 Modified by nanohayuri




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