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28-206

206 名前:1/4[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 15:47:54 ID:ybiMrMIr
え〜と、水差して申し訳ないですけどSS投下させてください
新参なもんで、過去の作品とネタかぶりとかしてたらすみません
ではお願いします↓


ああ、知っている。私はこの場面を覚えている。
いや、忘れられるはずがない。
大きなモニターに映し出されたプレシア母さんが、私に視線を送る。まるで、汚物でも見るかのように。

「いいことを教えてあげるわ、フェイト。あなたを作り出してからずっとね……私は、あなたが――」

やめて……聞きたくない。その先は、その先は聞いちゃいけない。
私はとっさに耳をふさいで逃げ出そうとした。
けれど、実際には手も足も動かず、私は立ち尽くしたままでその言葉を受け止めるしかなかった。

「大嫌いだったのよ!」


目を覚ますと、全身に冷たい汗をかいていた。
呼吸が荒い。模擬戦の後だってこれほど息があがることは珍しいというのに。
額をぬぐいながら、辺りを見回す。
まだ薄暗くて、時計は夜明けが近いことを示していた。
日付けを確認すると案の定。
毎年この日になるとあの夢を見る。プレシア母さんに拒絶された、あの日の夢を。
ふっきれたはずなのに、どうして私は……。
ふと、視線を感じて横を向くと、優しい瞳が心配そうにこちらを見つめていた。

207 名前:2/4[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 15:48:51 ID:ybiMrMIr
「……ご、ごめん、なのは。お、起こし、ちゃった?」

情けない。声が震えてる。

「ううん、それはいいけど」

不意になのはがスッと腕を広げた。

「おいで、フェイトちゃん」
「な、なのは?」
「いいから」

ポンポンと自分の左腕を右手で叩いて、なのはは私を懐に招き入れようとする。

「はい、フェイトちゃん。早く」

どうしても腕枕させたいらしい。
せかされて、私はおずおずなのはの腕に頭を乗せる。
すかさずなのはの右腕が降ってきて、私はすっぽりと覆われるように抱かれてしまった。

208 名前:3/4[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 15:49:42 ID:ybiMrMIr
「もう大丈夫だよ」
「え?」
「フェイトちゃんがまた悪い夢を見ても、こうやってくっついてたら、すぐに私が助けに行ってあげられるから」
「夢の中に?」
「そう。そう思ったら、ちょっと安心しない?」
「ちょっとと言うか……かなり、かな」
「よかった」

私はなのはに抱かれながら、ぼんやりと昔を思い出していた。


私がハラオウンの家に引き取られてすぐの頃、眠れない日が続いていた。
暗い部屋で目蓋を閉じると、浮かぶのはプレシア母さんのことばかり。
いくら考えないようにしようとしてもダメだった。
寝られるはず、なかった。
そして、いよいよお医者様が睡眠薬の処方を提案した日の夜、私の部屋にリンディ母さんがやってきたのだ。
ベッドに上がったリンディ母さんは、目を開けてじっと天井を見上げていた私を、何も言わずその腕の中に抱き寄せてくれた。
そこはあったかくて、柔らかくて、いい匂いがして。
身体中から余計な力が抜けて、弛緩していくのを感じた。
「おかあさん」って、なんて安心できる場所なんだろうって漠然と思った。
そして私は、いつの間にかすっかり眠ってしまっていたのだった。

209 名前:4/4[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 15:50:33 ID:ybiMrMIr
「あの時の私に必要だったのは、カウンセリングでも薬でもなくて、きっと無条件に愛してくれる人のぬくもりだったんだ」
「さすがリンディさんだね」
「うん。あの人は、いっぱい私のこと愛してくれたから」
「私も、負けてないつもりなんだけどなぁ……」

少しだけすねたような声を出すなのはに、私は思わず笑いがこみあげた。

「ふふ、やきもち?」
「ちょっとだけ」
「……大好きだよ、なのは」

私はそれだけ言うと、なのはの胸に顔を埋めた。
リンディ母さんと同じくらいあったかくて、柔らかくて、いい匂いがする。
だけど全然違う。それはきっと、リンディ母さんとなのはじゃ、愛情の種類が違うから。
プレシア母さんは私を抱きしめてはくれなかったけど、プレシア母さんのおかげで私は、私を抱きしめてくれる人と出会うことができた。
それだけは、本当に感謝している。
急に襲ってきた睡魔に、私は目を閉じた。
この眠気に身を委ねてしまおう。
幸い、今日は二人そろって非番だ。寝坊しても許される。

「おやすみ、フェイトちゃん」
「おやすみ、なのは」

きっと、もう悪夢は見ない。
このぬくもりが私を守ってくれるかぎり。

210 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 15:56:16 ID:ybiMrMIr
以上です
なのはでSS書くの初めてなのでまだ勝手がわからない面もありますが、もう何本か書いてみようと思ってるんで、その時は読んでもらえるとありがたいです
2010年02月10日(水) 18:38:26 Modified by ami_solger




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