Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

28-349

349 名前:1/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:36:53 ID:0mC3L4AZ
いつもレスありがとうございます、そして>>342GJです!
次のSS5本目はフェイなのありきの、ヴィーなの?そんな話
意識してるわけじゃないのに、なぜかフェイトとなのはが結婚してる設定になってしまうw


まったく、見ちゃいらんねえなあ。
なのはが仕事中にボーッとする時間が長くなるのは、決まって相方の長期出張中。それも、3週間を過ぎた頃からだ。
1ヵ月も離れようもんなら、なんかポカをやらかすので始末が悪い。
昔はそんなことなかったはずなんだけどな。
結びつきが強くなった分、寂しさも強くなっちまったのかもしれない。
ともかく、そろそろガス抜きが必要だ。
ほっといたら、教導中にSLBかなんかかまして可哀想なひよっこどもがビビり倒すはめになる。
あれは、本人にストレス発散の自覚がないのがタチの悪いとこだ。
とは言え、あたしだって人に息抜きさせるなんてのは苦手分野だ。
どうしたもんかなぁ。
……その時、あたしの脳裏に浮かんだ考えは、あんまりにもバカらしいものだった。
バカだ。うん、バカだな。こんなことするやつはいねえ。
でも、その時あたしは、物憂げに溜息なんかつくなのはを見て、ちょっとくらいバカになってもいいかもななんて思っちまったんだ。

「おい、なのは」
「ん?」
「今日泊まりに行くからよろしくな」
「え、い、いいけど。急にどうしたのヴィータちゃん」
「べつになんでもねえよ。たまたま気が向いただけだ」
「……そっか。うん、わかったよ。何かおいしいもの作らなくちゃね」
「期待はしてねえけどな」
「ひどーい。そりゃ、はやてちゃんには負けるかもしれないけど」
「ああ、はやてのご飯はギガウマだからな。おまえもせいぜい精進しろ」
「もう……」

350 名前:2/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:37:28 ID:0mC3L4AZ
仕事が終わって、あたしはなのはと一緒に帰った。
「ヴィヴィオ、ただいまぁ」なんて、甘い声出して娘を抱き上げる顔は立派に母親してる。
ヴィヴィオは客が来たのが嬉しいのか、「わーい、ヴィータちゃん!」なんてテンションが上がってる。
ちゃんはよせってのに。なのはの真似して呼びやがる。
年恰好はおまえと同じくらいに見えるかもしれねえけどな、ホントはあたしの方が全然年上なんだぞ。
まったく。
なのはの作った料理を三人で囲み、晩ごはんにする。

「お、これうまいな」
「えっへん。私も練習してますから」
「ねー」

隣で相づちをうったヴィヴィオが、でもすぐに沈んだ顔を見せる。

「ホントはなのはママ、フェイトママに喜んでもらおうと思っていろいろお勉強したのにね」
「しょうがないよ。フェイトちゃんはあんまりお家でご飯食べられないから」

く、暗い。なんでこうなるんだよ。
あたしは場をごまかすように、次々と料理を胃袋におさめていった。
本当に、うまいなぁ。あいつ、こんなうまいもんを滅多に食えないなんて、可哀想に。

お風呂に入ってヴィヴィオを寝かしつけると、なのはは一人テーブルで紅茶を飲んでいた。

「ようやく寝たぞ、あのチビ怪獣」
「ありがと、ヴィータちゃん。遊びに来てくれて、ヴィヴィオすごい嬉しかったみたい」
「そりゃ光栄だね」
「ヴィータちゃんも飲む?」
「いただく」

351 名前:3/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:38:04 ID:0mC3L4AZ
なのはの淹れてくれた紅茶を、一口啜る。
……おい。

「おまっ、これ、酒」
「ちょっとたらしただけだよ」
「酒なんか飲むやつだったっけ?」
「最近たまにね。眠れない時なんかは、少しだけ」
「寂しくて、か」
「……どうかなぁ」

なのはは否定も肯定もせず、薄く笑った。
それが、なんだかいらつく。

「だあっ、もう」

テーブルを叩いてあたしは立ち上がった。
そして、計画を実行に移す。

「ヴィ、ヴィータちゃん!?」
「どうだ」
「どうだって言うか……どうしたの」

なのはが驚くのも無理はない。
あたしは使い慣れない変身魔法で、自分の姿を変えていた。
赤い髪はそのままに、でも三つ編みはほどいて。
体躯は伸びてなのはと目線は変わらない。胸だってそれなりにある。
年齢的には20歳前後ってとこか。

「綺麗。ヴィータちゃん、美人さんだね」
「なのは……」

352 名前:4/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:38:38 ID:0mC3L4AZ
あたしは、座ったままのなのはを強引に抱きしめた。
あの身体じゃこんなことをするには不向きだけど、今ならできる。
なのははまだ戸惑った様子のまま、あたしを見上げた。
潤んだ瞳はなんだか怯えた子どもみたいだ。
唇が何か言いたそうに開いたり閉じたりして、すごく、色っぽかった。
あたしは吸い寄せられるように、ほとんど無意識にその唇へと自分の顔を近づける。

「ダメッ」

唇が触れ合う直前、なのははそう言いながらあたしの胸に手をついて押し返そうとした。

「ダメだよ、ヴィータちゃん。こんなの」
「……バ、バーカ。冗談だよ、冗談」
「え?」
「なにもしねえよ。するわけないだろ」

だけど、あたしは言葉とは反対に、なのはを離そうとはしなかった。
本当は、なのはを抱くつもりだった。
そうして、身体だけでも慰めてやれたらと思ったんだ。それはべつに全然変な意味じゃなくて。
理屈ぬきで、つながってると安心する時ってのはあると思ったから。
そんなの、浮気でもなんでもねえ。
なのははあいつを裏切るわけじゃなく、ただ気持ちよさそうな毛布があったから、1回着てみただけ。
それでいいじゃねえか。
でもなのははそれを許さなかったから。あたしは、やっぱりバカだったと思った。

「こうしてるとさ、安心、しねえか?」
「安心?」
「ああ。なんつーか、人のぬくもりって、ホッとすんだよな」
「安心か。そうだね、安心する」

353 名前:5/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:39:06 ID:0mC3L4AZ
強張ってたなのはの肩から、ちょっと力が抜ける。

「あのよ、なのは」
「うん?」
「おまえ、幸せか?」
「なに、突然」
「だってよ。せっかく結婚したってのに、全然一緒にいられねえみてえだし。逆に、つらそうだぞ」
「うん……」

なのはは、あたしの胸に額をこすりつけるような仕草をした。
こいつなりに甘えてるのかもしれない。

「私もね。最初は思ったんだ。結婚すれば、ここがフェイトちゃんのおうちになるんだから、少しくらい離ればなれになっても大丈夫って。でも――」
「んなわけねえよな」
「知らなかったよ。私こんなにわがままだったんだ。ここがフェイトちゃんのおうちなのにちっとも帰ってきてくれないって……そんなふうに考えてる」
「しょうがねえよ。それが、あたりまえの感情だと思うぞ」
「そう……なのかな?」
「まさか、後悔なんてしてねえよな」
「してない、してない」

354 名前:6/6[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:39:34 ID:0mC3L4AZ
その瞬間だけ、なのはは本当に迷いのない笑顔で答えた。

「幸せだよ。それは本当。すごく幸せだから、だから私はこんなに寂しいんだ」
「そっか」

こいつが幸せだって言うなら、これ以上あたしにできることはない。
なのはを幸せにしてやれるのは、世界中でたった一人、あいつだけで。
その役目はあたしじゃなくたっていいんだ。そんなの嘆いたってしかたねえ。
だからあたしは、その幸せを守ってやるよ。
おまえらを未亡人にすんのは忍びねえからな。
昔は壊すしか能のなかったあたしに、今は守るもんがある。
それは、感謝すべきことだと思う。

「ヴィータちゃん……どうして、泣いてるの?」
「そうだな――」

あたしは顔を見られたくなくて、なのはの頭を胸元に抱き寄せた。

「幸せだから、かな」

355 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 12:42:02 ID:0mC3L4AZ
以上です
本当はちょっと違う展開になるはずだったんですが、調べてたらヴィータは変身魔法が使えるらしいということがわかり、最初に考えてたネタはボツになったのでした
まぁ、いいか
2010年02月10日(水) 19:01:58 Modified by ami_solger




スマートフォン版で見る