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43-132

ヴィヴィオが、格闘戦技をやりたいと言い出したその日
大好きな二人のママの反応はそれぞれ異なっていた。

「やるからには、中途半端にすることは許しません。ヴィヴィオが、
納得のいくところまでやり遂げられるなら、わたしは賛成だよ?」
「も〜なのはママ、格闘戦技なんて危ないよ。何も今からやらなくても、
もう少しヴィヴィオが、大きくなってからでいいんじゃないかな?」
「え〜フェイトママ。私ならもう大丈夫だよ〜」

優しくも厳しく、育ててくれているなのはママの意見と少々過保護かも
しれないが、きちんと子供の目線に立って考えてくれるフェイトママ。
この場合、どちらも子を思う親の気持ちの上での意見なのでどちらが
正しいとかないのだが、ミッド高町家の流儀として なのはとフェイトの
二人のママの意見が異なった場合、どちらかの意見にまとまるまで
許可をしない方針をとっていた。

その方針に則って、今のままではヴィヴィオが格闘戦技を始めることは
出来ない為、当の本人の顔も困惑気味である。

「なのはママ。フェイトママを説得出来ないかなぁ」
「ん〜、フェイトちゃんは一度決めちゃうと頑固だからなぁ」
「そ、そんなこと……それになのはママだって、私の言うこと聞いてくれ
なかったりするよね!」
「フェイトちゃんは心配しすぎだよ。それに、わたしはいつもフェイトちゃんの
言うこと聞いてあげてるつもりだよ」

あまり自覚がないのか、どこ吹く風の なのはのセリフを

『それはないと思う』

と、愛する二人に否定され立つ瀬のないが無くなるママ一人。



「ふぇぇ、二人してヒドイよ。ヴィヴィオもそんなこと言う子は、賛成して
あげないよ?」
「なのはママ、それずるい〜」
「んん、とにかくヴィヴィオの歳で、格闘戦技を始めるのには反対します」

咳払いをして人差し指を立てながら、話が横道に逸れるのを再び戻し
念を押すフェイト。

「でも、私より小さい子でもやってる子いるし、ママたちも私より
小さい歳で格闘戦技より危ないことをやってたってアルフが
言ってたのに……」
「ダ・メ・で・す。他の子は他の子、ママたちはママたち、ヴィヴィオは
ヴィヴィオなんだから一緒には出来ません」
「あう……」

ヴィヴィオの切り札も否定されてしまっては、それ以上フェイトママへ
言葉が出るわけもなく、ヴィヴィオの完全な負けである。

「それじゃあ、この話はここまでにして。私はお風呂入ってくるよ」
「じゃあ、わたしはパジャマ用意してくるね」
「うん、ありがと。なのは♪」

お風呂に向かったフェイトを確認し、フェイトの着替えをとりに二階へ
上がろうとする なのはの背中からヴィヴィオがもう一度懇願する。

「なのはママ、私どうしても格闘戦技始めたい。心も身体も強くなって
いつかきっと大好きな人を守れるようになりたい。フェイトママの
言うように、急ぐ必要は無いのかもしれないけど、けしていい加減な
気持ちじゃなくて自分なりに考えて決めたんだよ?」

そういうヴィヴィオの瞳は、かつて なのはが幼いフェイトと向き合う際、
魔法を本気で学ぼうと決意した時の眼によく似ていた。

「そっか……それなら、今夜わたしからフェイトママにもう一度聞いて
みてあげる。ヴィヴィオのその大切な気持ちや想いも一緒にね?」
「ありがとう、なのはママ」
「いえいえ、可愛い娘のためですから♪」



──なのはとフェイトの寝室──

ヴィヴィオも寝静まった深夜。頃合をみてなのはがそっとフェイトに
話しかける。

「ねぇ、フェイトちゃん?」
「何かな? なのは。さっきの事なら私の意見を変えるつもりは……」
「あ〜違う違う。ただね、フェイトちゃんって、いっつもわたしのこと
守ってくれてるなぁって」
「え? き、急に何をッ/// そ、それはッ当たり前だよ。なのはは私の
た、大切な大切な……こ、恋人なんだから!」
「にゃはは、ありがと///」

突然、切り出される予期していなかったなのはの言葉に、真っ赤に狼狽え
ながらも素直な気持ちを告げるフェイトに、なのはの頬も赤らむ。
フェイトを飛びっきりの笑顔で見つめながら、なのはは言葉を続ける。

「でね、きっと今のヴィヴィオもフェイトちゃんと同じ気持ちなんだと
思うんだ」
「同じ気持ち?」
「うん♪ 大切な人を守れるようになりたいって気持ち」
「ヴィヴィオにも好きな子がいるってこと?」

ヴィヴィオはまだ幼いが、恋愛感情に年齢が関係ないのは、当のフェイト
も自分の例があるのでよく理解していた。

「ん〜、そういうじゃ、まだないかもしれないけど、多分ヴィヴィオ
なりに、わたしやフェイトちゃんを守れるようになりたいんだよ」
「私やなのはって?」
「例えばフェイトちゃんは、もし今のままだと私のことが守れないって
分かったらどうする?」
「もちろん、絶対守れるように頑張ってより強くなるよ」

即答するフェイト。フェイトにとって、「なのはのことを守れない」など
ということはあってはならない事実である以上、当然の回答である。

「だよね? それはきっと、わたしが止めたとしても実行しちゃうと思うんだ」
「そ、それは……」

言われた通り、例えなのは本人から制止されたとしても、「守れない」という
現実を放置することは考えられない。けして0%にすることは出来ないとしても、
なのはを失う可能性をフェイト自身が認めるわけにはいかないからだ。


「だから、少しだけヴィヴィオのことも見守ってあげる訳には、いかないかな?」
「でも、やっぱり危ないよ……ヴィヴィオが怪我するのは怖いし……」
「にゃはは、やっぱり親子でそっくりさんだねぇ」
「え?」
「ヴィヴィオもね、フェイトちゃんが長期航行の時に、『フェイトママが
怪我とかしないように』って心配して祈ってたりするんだよ? 」
「そ、そうなんだ……///」

ヴィヴィオが自分よりもずっと優しい子であることは、フェイトも分かっていて
きっと仕事に向かう度、自分やなのはのことを心配させてしまっていることを
考えると少し胸の奥が痛む。

「そんな優しいフェイトちゃんの子なんだから、格闘戦技もきっと真っ直ぐ
学んでいけるってわたしは信じられるよ?」
「わたしは、ヴィヴィオがなのはの子でもあるから、無茶しそうで怖い
と思ってるんだけど……」
「もう、無茶はお互いさまだよ〜。フェイトちゃんは自分やわたしの子を
信じられない?」
「なのはのことも、ヴィヴィオのことも、信じてるけど……でも……」

フェイトの様子から、「あと一押し」と判断したなのはは、タイミングを逃す
ことなく最後のカードを切る。

「じゃあ、そんな頑固なフェイトママにわたしからとっておきの条件♪」
「条件?」
「ヴィヴィオの格闘戦技を見守ってあげられるなら、今夜はわたしが何でも
一つフェイトちゃんのお願い事、聞いてあげるよ♪」
「そ、そういうのはずるいよ。なのは///」

考えが揺らいでいるところへ、なのはにこれ以上ない最終兵器を持ち出され、
すっかり意見が不安定になってしまうフェイト。これについてはフェイトに
抗えというのが無理な注文である。

「でもフェイトちゃん。迷っちゃってるよね?」
「ほ、本当に、な、何でもいいの?」
「うんうん。わたしに出来ることなら」
「え、えと。な、何事も経験させることも大事だと思うから、ヴィヴィオの
格闘戦技を認めるんだからね? 誘惑に負けたわけじゃないんだよ?
ホントだよ?」
「は〜い、ちゃ〜んと分かってますから。だからフェイトちゃん大好き♪」


傍から見れば、完全に誘惑に負けているのだがフェイトの名誉の為、ここは
黙って抱きついて見逃してあげるのが、なのはの常勝パターン。

「あぅぅ……///」
「じゃあ、早速フェイトちゃんのお願い事を承りましょう〜」
「な、内緒だからね……えと、ごにょごにょごにょごにょ」
「うんうん、にゃは♪ フェイトちゃんって、相変わらずだ・い・た・ん☆」
「〜〜〜〜〜ッ///!!」

そんな盛り上がる二人を包んで夜も更けていった。

──翌日──

「すご〜い! なのはママありがと〜♪ どうしてフェイトママ納得して
くれたの?」
「それは、ママたちだけのひ・み・つだよ?」

ウインクしながら、愛娘に微笑むなのは。

「な、なのはッ///!! ヴィヴィオも怪我には気をつけて、ちゃんと
ママたちとの約束を守って練習出来るなら許可するんだからね。
もし約束を破って無理や無茶するようなら、すぐに止めていいって
なのはママとも約束してるんだからね?」

昨晩、取り決めた約束を条件について、ヴィヴィオに念を押すフェイト。

「はい! 心配してくれてありがとうフェイトママ♪ 約束は必ず守ります!」
「うん! それならフェイトママもヴィヴィオを応援するから♪」

ヴィヴィオの気持ちのいい返事は、フェイトを信じさせるに足る十分な
決意を秘めていると感じられる力強さを持っている・

それは高町家でよくある日常。それでも高町ヴィヴィオにとっては、
大事な一歩となるであろう大切な日の出来事──
2012年11月18日(日) 22:01:42 Modified by sforzato0




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