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44-46

飛び交う拍手。舞い散る花弁。そしてブーケが投げられる。
壇上には、朱の髪を下ろしたスーツ姿の女性と、紫の髪のドレス姿の女性。
笑顔を浮かべる二人の表情は、とてつもなく眩しいものであった。
それは結婚式――正確には、それを模されたパーティである。
放物線を描きながら落下してゆくブーケ――それを目で追いかけながら、
スバル・ナカジマは虚ろな目をしたまま笑顔を浮かべていた。

【スバル・ナカジマの憂鬱】

――おかしいなあ、どうしちゃったのかなあ、私。
スバルは先日の――ギンガ・ナカジマとティアナ・ランスターの結婚式の様子を思い出しながら、
そんなことを思った。
これは間違いなくめでたい結婚なのだ。二人はスバルが世界で最も信頼する親友と姉なのだから、
幸せにならないことなどあり得ないとスバルは理解していた。
しかし、片方で靄のかかったような思いがあることも確かであった。
二人が幸せで嬉しい、でも幸せな二人を見るのは辛い。それは酷く矛盾した感情だった。
それ故に最近では、スバルはティアナやギンガと会いたがらなくなり、送るメールの量も
大きく減少した。二人には不思議がられるかもしれないが、義妹たちが
適当にフォローしてくれるだろうと踏んで、スバルは何も言わなかった。

 ◆

「結局お前は、ティアナに惚れてたんだろ」
嗚呼――やはりこの子は容赦がない。
そう思いながら、スバルは正面に座っているノーヴェを見た。
ギンガとティアナの結婚後、スバルは時折誰かを誘って呑みに出掛けることが増えた。
ある時は同僚、ある時は友人、そして今回スバルが誘ったのは義妹だった。
「うん、そうだね」僅かに間を置いて、スバルは答えた。
机に置かれていたカクテルの水面が、スバル自身の顔を写し出していた。
「じゃあ言えばいいだろ、淋しいんだって」
「言えるわけないでしょ」スバルは俯いたまま言った。
二人の幸福に水を差すことなど、スバルには出来ようはずもない。
ノーヴェは溜息を付いて、手元のワインを一口喉に流し込んだ。

「そもそも十何年前から惚れてて、今まで告白の一つもできなかったのかよ」
「うっ」スバルには耳の痛い話だった。
外面はやんちゃな元気娘であれ、内面は繊細なお嬢気質が未だ抜けきっていないスバルにとっては、
愛の告白など考えただけで心臓が破裂しそうな事態であった。
乳を揉むのはいいのかという話ではあるが、それは所詮スバルにはスキンシップの領域でしかない。
周囲の人間に影響されたとも言えなくもない。
9歳で惚れておきながら二十年近く告白できていない執務官とか、
昔の悔恨を愛情に昇華させたが結局告白できていない教導官(現二尉)とか。

「それにギンガとティアナの仲が妙に親密になってたの、気づいてなかったわけじゃないよな」
「ううっ」スバルは呻いた。
ギンガの好みが、本人曰く綺麗で格好良くて王子様みたいな人――
要はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンそのままであることはスバルも重々承知していたし、
ティアナが幼い頃に家族を亡くした影響で、兄姉や父母のような存在に憧憬を覚えていたことも
察することは出来たであろう。
現在ではティアナは冷静さと熱情を兼ね備えた美麗な執務官に成長し、
ギンガは義妹の世話をするうちに持ち前の母性を膨らませていった。
つまり互いが互いのタイプにどんどん近づいていったのである。
そして元々仲も良好だった二人は、あれよあれよという間に見事ゴールイン。
スバルはそれをただ横目で見ているだけであった。



「へいへい、どうせ私はヘタレですよーだ」スバルは顔を上げて舌を出した。
「ふて腐れんな馬鹿」ノーヴェがスバルを窘める。
「だったらさっさと振り切って、次の相手でも探せよ。
肩書きは防災士長サマなんだ、適当な相手なんていくらでも見つかるだろ」
しかしやはりこの子は優しいのだ、とスバルは思った。
口先こそぶっきらぼうなものの、こうして愚痴を聞いては慰めようとしてくれているのだから。
そう思うと、スバルに俄かに悪戯心が湧いた。
「じゃあ、ノーヴェがいいな」
「はあ?」ノーヴェが目を丸くしたと同時に、スバルは身を乗り出し
ノーヴェの首筋に手を添えて引き寄せた。二人の顔面が触れる手前まで近づいた。

「ねえ、慰めてよ。私のこと」スバルが耳元で囁いた。
「なッ」ノーヴェは赤面した。
「私、ノーヴェならいいよ」
スバルは顔を引いて、ノーヴェの瞳をのぞき込む。あと僅かで唇が重なる距離だ。
ノーヴェが息を呑む。暫く沈黙が場を支配した。

「なあスバル、お前酔ってるだろ」
「そりゃお酒呑んでるからね」
「変な絡み方するんじゃねえッ」そう言って、ノーヴェはスバルを突き飛ばした。
「おっとっと」スバルは何とか勢いを殺して、椅子に腰掛けた。足下が若干ふらついている。
ノーヴェがまだグラス一杯しか空けていないのに対して、
スバルの手元には既に空のグラスが四本並んでいた。
「あたしは帰るぞ、この酔っ払い」
「はいはい、お代は私が払っとくよー」
「おう」ノーヴェは残りのワインを飲み干し、グラスをテーブルに置いて立ち上がった。
「でも、たまには帰って来いよな。姉貴」
そう言って、ノーヴェは手を振りながら店を出て行った。スバルはそれを見送った後に、
正面にある二本の空のグラスを見てから同じ赤ワインを注文した。

 ◆

かたや店を出たノーヴェからは、些か落ち着きがなくなっていた。
アルコールが回ってきたのかと思いながらも、
ノーヴェの脳は先ほどのスバルの言葉と表情を反芻し続けていた。
――ねえ、慰めてよ。私のこと。
そう言ったスバルの表情は淫靡で、その瞳からは僅かに情欲の色が滲み出ていた。
少なくともノーヴェはそう感じ取ったのである。
それをただの酔っ払いの戯言と捉える一方で、普段の能天気な姿とのギャップに
ノーヴェは酷く混乱していた。
――私、ノーヴェならいいよ。
慰めろとは――やはりそういう意味なのだろうか。
ふざけんなあたしが一番愛してるのはチンク姉だ。そう思いながらも、
スバルを突き飛ばしていなければどうなっただろうかという想像を
ノーヴェは止めることができなかった。
ジェットエッジを起動させるのを堪えつつ、その妄想を振り払うかのように
ノーヴェは足のスピードを上げて夜の中を駆けていった。

【或いは、ノーヴェ・ナカジマの錯乱】



おしまい。
2012年11月18日(日) 22:50:50 Modified by sforzato0




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