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After Sts

259 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 03:15:07 ID:KHsL3opd
えー、投下します。フェイなのです。

『 After Sts 』

なのはは教導官として。
フェイトは執務官として。
また、別々の職場へと別れてしまった二人であった。

もちろん、少ない休みをなんとかやりくりして合わせることも二人の間では暗黙の了解だ。
ヴィヴィオと3人でゆっくりまったりしたりお出掛けしたり地球へ里帰りしたり。
お互いの”気持ち”は、もう十年を越えた付き合いのなかで薄々と感じつつも
特に確かめ合うこともなく・・・このままでいいのか、と思いながら忙しい日々を過ごしていた。

そんな生活が続いた数ヶ月のなか、ふとなのはが漏らしたひとこと。
「フェイトちゃんは地上勤務に変えようとか、思ったことない?」
「・・・え?」
巡航任務を終えて3週間ぶりにミッドチルダへ戻ってきたフェイトがなのはの部屋にいるのはいつものことだ。
すでにヴィヴィオは夢の中にいる時間で、久しぶりに会うなのはとは二人きりの時間となった。

急になのはから振られた質問に固まるフェイト。
「たまにしか会えないってヴィヴィオだって寂しがっていたんだよねー」
「あ・・・うん、ごめんね」
「アルフさんやアイナさん、たまにザフィーラさんだってヴィヴィオのことを手伝ってくれてるんだけど
 やっぱりそんなに甘えちゃうのも悪いと思うんだ」
ばつの悪い表情で俯くフェイト。
それに気付いたなのはは、少し声のトーンを上げた。
「いや、その、フェイトちゃんが忙しいのはわかってるよ?ただ、その、ヴィヴィオのため、っていうわけじゃないんだけど
 もうちょっとそばにいて欲しいっていうか、一緒にいる時間を増やして欲しいけどでもこんなことじゃヴィヴィオのママ失格で」
「なのは、ちょ、落ちついて」
一気にまくしたてるなのはに困りつつも軽くたしなめるフェイト。
珍しくなのはが取り乱したことで逆に冷静になることができたようだ。


260 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 03:17:00 ID:KHsL3opd
「なのは・・・どうしたの?らしくないよ」
自分にはちょっと濃い目の日本茶、なのはにはココアを入れて机に置いた。
ココアを一口飲んだなのはがつぶやく。
「本当はヴィヴィオじゃないんだ」

「ん?ごめん、ちょっと聞こえなかった」
ソファに座りかけていたフェイトがそのままの姿勢で聞き直す。

「私なの・・・寂しいのは私」
「なのは?」
「新人たちを訓練していたって、ヴィヴィオの相手を私だけでやるのだって、全然苦痛じゃないよ?
 でも横に・・・一番いて欲しい人が・・・フェイトちゃんがいてくれないのが」

・・・ツー

なのはの目から一筋の雫が流れて、落ちた。

「私には・・・それだけ、が」

「なのはっ!」
すばやくなのはの横に移って抱きしめ、なのはの顔をフェイトの豊かな胸に埋める。
「ごめんね、なのは。私、なのはの優しさに甘えていたんだ」
「フェ、イト・・・ちゃん?」
「私は逃げていたんだ、なのはがずっと、このままで・・・今までのままでいてくれることに安心して。
 私は弱いから、一歩が、踏み出せないから」

涙で溢れた目を上げたなのはが見たものは、同じく涙を溢れさせたフェイトの、笑顔だった。

261 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 03:18:18 ID:KHsL3opd
「ごめんね、もう何度も謝っているけど寂しくさせてしまった私は本当に駄目な子だね・・・」
「そんな・・・フェイトちゃんが謝ることじゃない・・・謝るのはこんなわがままで困らせてる私のほうだし・・・」
「困ってなんかいないよ」
「嘘でしょ?だってそんなに泣いてて!」

ぺち

軽く、しかし優しくなのはの両頬を叩く。
唖然とするなのはに向けられるフェイトの笑顔。

「嬉しいと泣くことだってあるよ。私だって・・・同じ想いだったから。
 そして、これからどうしなきゃいけないかがわかったから」

「「いっしょにいよう、ずっと」」

二人の声は重なり、そして、唇も、重なった。



その夜、なのはとフェイトはお互いの想いを確認し、10年越しの愛とともにひとつとなった。



――――― 一方で。

捕らえられていたナンバーズ・クアットロが独房から脱走したことで、時空管理局は騒然となっていた。

262 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 03:22:51 ID:KHsL3opd

とりあえずは今晩はここまで、と。

情けなくもちょっとかっこいいフェイトを書きたかったんですがなんだか説明不足だorz


ちなみに予定では全体は今回のぶんの4倍くらいになる・・・はずです。
大丈夫か俺、風呂敷たためるか!?

295 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 22:23:36 ID:KHsL3opd
「なのはママ、フェイトママ、いってきまーす!」

朝となり、魔法学校行きのバスに元気に乗りこむヴィヴィオを見送るなのはとフェイト。
バスが見えなくなるまで手を振って、二人は部屋へ戻った。

「フェイトちゃんは今日は忙しいの?」
「母さんに相談して・・・どこか本局に空きのある部署がないか聞いてみようと思うんだ。
 今回終った事件の後処理とか、シャーリーとティアナに色々頼まないといけないけどそれはそんなに時間はかからないよ」
朝食の後片付けをしているなのはを横目にフェイトは制服に着替えている。
「だから、そんなに遅くはならないかな。早く戻って・・・もうなのはを待たせたりしないよ」
フェイトが振り向くと片付けを終えたなのはがフェイトの鞄を持って待っていた。
「嬉しいよ、フェイトちゃん。はい、これ」
鞄を受け取ったフェイトはなのはに軽く頬に口付けして微笑んだ。
「ありがと。じゃ、いってくるよ、なのは」

フェイトを見送ったなのははというと、これが妻の喜びなのかと照れたりにやけたり。
午後からの教導のみの予定であるため出掛ける時間までは浮かれ放題状態であった。
そして教導中もテンションは持続しており終了時間までは浮かれ砲台状態であった。

残務処理に追われているはずのフェイトはというと、
決意した”覚悟”によって普段ではあるまじきスピードで仕事をこなしていった。
なのはの部屋からのご出勤であることを知っているシャーリーは
「今回のなのはさん効果は異常だ」とフェイトの仕事っぷりを冷静に分析していた。
その横でティアナは普段よりもハイペースで廻ってくる自らへの指示に凡人であることを再確認していた。


296 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 22:26:16 ID:KHsL3opd
一区切りついたところでフェイトはほかの部署が騒がしいことにようやく気が付いた。
執務官室から廊下に出て様子をうかがっていると血相を変えて走っていくギンガの姿を発見したので声を掛ける。
「ちょっと、ギンガどうしたの?なんだかまわりも雰囲気が・・・」
「あ、フェイトさん!お久し振りです!今日は本局だったんですか?
 ・・・って、それどころじゃないんですよー!!JS事件の重要参考人が!クアットロが・・・!」
律儀に敬礼をしたギンガであったが、多少パニックを起こしながらもクアットロ脱獄の事実をフェイトに説明したのであった。

ギンガによれば、クアットロは投獄中にもあろうにどうやったのか監視システムを少しずつハッキングし改竄していたのだという。
ばれないよう微妙に、数ヶ月をかけて仕掛けを作りつつチャンスをうかがっていたのだ。
スカリエッティやほかのナンバーズたちを助けなかったのは何か理由があったのかどうか、
残ったナンバーズを取り調べ中であり真相はまだわからない。
更正中のナンバーズたちを指導していたギンガにも協力要請が入ったので本局に出向いたということだ。

「スカリエッティは?」
「なにも知らない、クアットロが勝手に行動したのだろうと・・・ヴェロッサ査察官が取り調べをしてウソは言ってないって・・・」
「そんな・・・あそこの拘置所から抜け出せるわけが・・・!反応は?戦闘機人反応でサーチすれば!」
「それが、どうやら・・・・・・完全にロストしていて、あの世界にはもういないんじゃないかって見解です・・・」
「別世界に転移したっていうの?!転移ポートまで制御下にされてたってこと???」
「おそらくは、どこかの世界に逃げ出してしまったと思われます」
「なんてことなの!・・・いいわ、捜査に私も加わる。シャーリー、ティアナ!残りはお願い!」
フェイトはハンガーから上着をひっぺがし、ギンガと執務官室を駆け出していった。

「えぇっ!!」「そんなぁ!!ちょっとフェイトさーーん!!」

後方から情けない声が聞こえていたような気がしたが、フェイトは意に介さず歩調を強めたのであった。
(クアットロの目的が・・・聖王のゆりかごは消失しているんだ、一体、なにがあるというの?)

297 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 22:28:05 ID:KHsL3opd
ブリーフィングルームに入ったフェイトの前によく知った顔が並んでいた。
「テスタロッサ」
「フェイトじゃねーか」
「シグナム。それにヴィータまで・・・」
「JS事件の関係者には各人連絡がきた。おそらくは主はやて、騎士カリムにもいっているだろう」
「とりあえずヒマしてたシグナムとか、集まれそうなヤツは集まれってことでよぉ」
「ヒマとはなんだ、ヴィータ!口が過ぎるぞ!」
「大声出すなよシグナム、久しぶりにフェイトに会えて嬉しいだろー?」
「ぬなっ?!ヴィ、ヴィータ!おお、お前なにをたわけたことを・・・//////」
「へーんだ、ユニゾンもしてねぇのに色が変わってきたぜぇ?」
「ヴィーーータぁぁ!そこへ直れぇ!今日こそレヴァンティンの錆に・・・」
「ちょっとシグナム、今はそんなことしている場合じゃないでしょう?それにヴィータも!」
慌ててシグナムとヴィータの間に割って入るフェイト。

「ええぃ、ケンカやめーい!」
フェイトを含めた3人がもみくちゃになりそうなところで、シグナム・ヴィータに見事なツッコミを入れた人物がいた。
「フェイトちゃん、おひさやー。ウチの子たちも久々に会えて喜んでるだけだから堪忍してやってな?」
最後の夜天の王、八神はやてであった。

298 名前:After Sts[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 22:32:49 ID:KHsL3opd
・・・すみません。今回全然百合要素ありませんねorz

話はまとまりそうなんですが延びそうです。

もちろん、最後は幸せな百合ップルなのフェイで終らせますので気長に読んでいただければ幸いです。

375 名前:After Sts ◆nnA2fUI0zk [sage] 投稿日:2007/09/29(土) 23:50:23 ID:I2WkiJhM
「まぁ、とりあえず囚人がひとり脱獄したってだけの話やけど、その囚人、クアットロってのが問題なんやな」

急ごしらえではあるが、集まれた者だけで結成されたクアットロ捜索チームの会議が始まった。
チームリーダーのはやてを議長としてフェイト・シグナム・ヴィータ・ギンガ以外もJS事件で共に戦ったスタッフたちがいる。

「戦闘機人であることはもちろん、スカリエッティの腹心、ある意味ではその頭脳といっていい・・・何をするかが予測できないんだ」
「そやなぁ。いまのところは各所への非常線をひいてはもらっているけど、並の魔導師じゃ返り討ちにあうのがオチや」
「ギンガは復帰プログラム中のナンバーズたちを警護して。接触するかもしれないし、なにか情報を聞き出せるようならお願い」
フェイトからの突然の指示に驚きつつも、無言で了解の意思表示をするギンガ。
「ヴィータはウチのサポートや。シグナムはフェイトちゃんをサポートしてあげてな?」
「主はやて、私はちょっと独自に調査させていただいてよろしいでしょうか」
「シグナム?」
いつになく真剣な表情ではやてを見るシグナム。フェイトにまじまじと見られていることに気付いたシグナムは、一瞬表情を緩ませた。
「なにか考えがあるんやね?」
「・・・少々、集中して調査したいので・・・申し訳ありません」
「うーん、まぁフェイトちゃんはシャーリーとティアナがおるから問題無いかな?」
「うん・・・二人には負担をかけるけど、お願いした後処理が終るまではなんとか一人でやれるよ」
「ちょう、お二人にはがんばってもらおか。本当はもう少し元・六課メンバーが集まれれば良かったんやけど」
ため息まじりにつぶやくはやて。
「ですので」
シグナムが軽く手を挙げて続ける。

「テスタロッサとは高町なのは一等空尉との組で調査にあたらせてみてはいかがでしょうか」

今の提案をすぐに理解できないでポカンとしているフェイトを見たシグナムは、自身の主に向けるそれとは違った優しい笑顔を見せたのだった。

376 名前:After Sts ◆nnA2fUI0zk [sage] 投稿日:2007/09/29(土) 23:51:15 ID:I2WkiJhM

一応の捜査方針も決定し会議は終了した。
シグナムの提案もすんなり通り、はやて経由で今なのはが担当している部隊へは要請がかかることになる。
このチームの本格的な稼動は明日からであるため、フェイトはシャーリーとティアナの二人にあとを頼むと今回の準備を進めようとした。

なのはと色々相談しなければ・・・そう思ったところでフェイトはもう一人にも相談しなければいけないことがあるのを思い出した。

モニタ越しに映るリンディは普段とは違う真面目な表情になっていた。
フェイトは真摯になのはとの愛を打ち明け、新たに育む関係での生活のための展望を熱弁した。
静かに聞いていたリンディは一拍の間を置いて口を開いた。

「フェイトさん」
「は、はいっ」
「どうしたいかは理解したわ。ひとつだけ、質問に答えてくれるかしら?」
凛としたリンディのその目はまっすぐフェイトを見ていた。

「・・・あなたはそれで、幸せなのね?」

フェイトはリンディからの問いに迷うことなく、きっぱりと答えた。

答えは、ひとつ。

「三人で・・・なのはと一緒にいること、それが私の幸せ。なのはに寂しい思いをさせたくない。二人でヴィヴィオを護りたい」

378 名前:After Sts ◆nnA2fUI0zk [sage] 投稿日:2007/09/29(土) 23:54:18 ID:I2WkiJhM
フェイトからの答えを聞いたリンディは暫く表情を崩さないままだった。

「その言葉だけでいいわ」

そう言ったリンディの顔はもう、普段の温厚なものに戻っていた。

「優秀な執務官が現場から離れちゃうのは管理局としては正直痛いけど・・・
 フェイトの意思がそこまで固まっているんじゃねぇ?私はかわいい娘の幸せを反対するほど理解がないわけじゃないわよ?」
「母さん・・・」
「今すぐにって言われたんなら流石に無理ですけどね。そのへんはガマンしてちょうだい」
たぶんミルクと砂糖がたっぷりな緑茶をひとくちすすったリンディはにっこり笑ってウィンクをした。
「もちろんだよ。クアットロの件が片付いてからになりそうだけど」
「任せなさいな。事件を解決したご褒美になるかしら?」
「そういうことなら、明日中に捕まえようかな」
リンディの調子につられたフェイトは珍しく冗談を言ってみた。
「あらら、気が早いわねぇ。そういう予定なら今日にでも指輪を用意してあげたほうが良いんじゃないの?」
「もう、母さんったら・・・//////」
いつものリンディらしい冗談で返されてしまったフェイトは赤面するも、その表情はとても晴れやかであった。

リンディとの相談を終えたフェイトは、足早に執務官室を出ると愛車を走らせた。
なのはの帰る時間まではまだ余裕があったので、少し寄り道をしようと決めたのだった。
リンディに茶化されたのはほんの数分前ではあったが、元来の素直な性格であるフェイトの脳裏にひとつの単語が残っていた。

そして着いた先は―――――ジュエリー・ショップだった。
2007年10月09日(火) 05:24:48 Modified by nanohayuri




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