最終更新:ID:bkDd8cn7Ug 2010年10月20日(水) 14:00:03履歴
【クリス】
ラディは以前、
ワーレンの傭兵だったんだな。
【ラディ】
ああ。
シーザが出稼ぎに行くって
言ったときにくっついてきたんだ。
あの人は兄貴みたいなものなんだけど…
ちょっとでも役に立てたら、
と思ってな!
【クリス】
シーザ殿のために?
【ラディ】
ああ!
頑張ってお金を稼いで、それで…
と、危ない危ない。
【クリス】
?
【ラディ】
シーザに喋るな、って
言われてたのを忘れてたよ。
だからここから先は
喋るわけにはいかない。
【クリス】
そうか、それなら
無理に聞くことはできないな。
だが、うまくいくことを祈ってる。
【ラディ】
ありがと。
クリス、
あんたって良い人なんだね。
【ラディ】
うーん、うーん…
【クリス】
ラディ?
どうしたんだ?
【ラディ】
ん?
ああ、クリスさんか。
いや、前にシーザから貰った本を
読んでるんだけどさあ…
…ちんぷんかんぷんなんだ。
【クリス】
どんな本を読んでるんだ?
…ああ、この本なら
俺も昔読んだな。
戦術の基本、良書だ。
【ラディ】
おっ!良かった。
なら教えてくれよ!
なるべく短く内容を
まとめてくれると助かるなー。
一言くらいで。
【クリス】
ダメだ。
こういう本は何度も何度も、
納得できるまで読み込まないと。
人に頼ってわかった気になっても
仕方がない。
【ラディ】
ちぇーっ。
シーザと同じ事言うんだもんなぁ。
…兄貴が増えた気分だよ。
【クリス】
そのかわり、わからないことが
あったらいくらでも教える。
何でも聞いてくれ。
【ラディ】
うーわかった、
おれ頑張って読んでみるよ!
一日一ページくらいで…
【クリス】
ラディは戦いが終わったら、
どうするんだ?
【ラディ】
おれ、ワーレンに帰るよ。
その頃には
お金も貯まってるだろうしね。
【クリス】
そうか。
前に言ってた秘密の話だな。
【ラディ】
うん…うーん…
まぁ、クリスさんになら
言ってもいいか。
シーザの妹を治す
薬を買ってあげるんだ。
【クリス】
…病気なのか?
【ラディ】
それもかなり重い、ね。
よく効く薬はあるんだけど、
なにせ高くてさぁ。
だからシーザが
出稼ぎに行くって言ったとき、
無理矢理ついてきたんだ。
シーザの妹なら、
おれの妹も同じだから。
【クリス】
そうだったのか…
だが、どうして秘密に?
【ラディ】
シーザは言ってた。
無責任な同情や、
弱みにつけこうもうとする輩…
そういうのを避けるためだって。
おれもシーザも傭兵だし、
人を信じないたちだから。
でも、クリスさんは
特別だからね。
【クリス】
ラディ…
【ラディ】
誰にも喋らないでくれよ。
クリスさんだから
言ったんだから。
【クリス】
ああ、わかった。
ラディとおれの秘密だ。
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